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生存重視のゾンビスキルな転移者  作者: ねこにゃんこ
4/7

ギルドに登録

ステータスは主人公が確認していなくても

触れるだけで更新されるので本篇でカードに触れる表現があった場合は

後書きのステータスを更新します。


やや駆け足気味に門に近づくと近くにいた門番らしき人が険しい顔をしてこちらへやってきた。

あれ、自分何もしてないよ?なんでそんな怖い顔してこっちに来るの?

そして手に持っていた槍をこちらに向けてきた。


「貴様、怪しい恰好をして何をしている!」


自分の格好を改めて見てみる。うん、怪しい。誰がどう見ても怪しい。

ライルとジェリーが普通に話をしてくれていたから忘れていたが、血まみれのままだった。

最初の二人も似たような反応をしていたな。さてどう説明しよう。

あの時は近くに魔物の死体が転がってたから信じてもらえたが、今回は

信用に足る物がない。むしろ見るからに不審だ。ここはある程度説明して

ライルたちに説明してもらうしかない。こっちが何を言っても信用されそうにないしね。


「道中でファングボアの変異種に遭遇してしまいまして

そいつと戦っていたら返り血でこんな有様に。」


まあ、ほとんど自分の血だけどね。こんだけの量の血を流して平然としてるなんて

知られたら化け物認定されそうだから言わないけどね。


「あの、変異種を一人で?馬鹿を言うな。あれは上級冒険者が何人かで挑んで

やっと倒せる相手だぞ。見たとこを強力な武器や防具を装備しているわけでもない

貴様が倒せるような相手ではない。嘘ならもっとばれない嘘をつくことだな。」


嘘は言っていないんだけど。言ってないことがあるってだけでね。

これは嘘にはならんと思うのですよ。とはいえ、ここで無暗に否定しても

更に疑われかねないので、ライル達が来るのを素直に待つことにしよう。


少し待っているとライル達が追いついてくる。ライルはこちらに

気が付くと、苦笑しながらこちらに近づいてくる。


「やっぱり門番につかまってたか」


「やっぱりって、予想できてたなら止めてよ!!」


あの野郎、そうなることがわかってて放置したのか。

後で変身魔法でいじりまわしてやる。

門番はライル達に気づくと敬礼して声をかけた。


「お疲れ様です。ライルさん、ジェリーさん。

この者とお知り合いなのですか?」


「ええ。私たちの知り合いよ。ファングボアに一人で戦いを挑んで

血まみれの怪しい格好になっちゃうような馬鹿だけど、悪い人ではないから安心して。」


余計な言葉が入っているようだが、ジェリーが門番に説明をしてくれた。

ライルとジェリーはこの町ではそれなり有名らしく特に疑う素振りも見せずに信じてくれた。

さっきと全然態度が違うのは仕方ないよね。気にしない、気にしない。


「お二人のお知り合いなら問題ないのですが、その格好だと

街中では目立ちますから、どうにかしてから町に入られるのをお勧めします」


「まあ、そうだろうな。」


門番の忠告にライルが頷く。分かってるよ、それくらい。

どうしようか悩んでいると、ジェリーが声をかけてきた。


「私の魔法で良いなら、水で洗い流せるわよ」


「え、ほんと?水属性の魔法苦手って言ってなかったけ?」


道中の自己紹介でそんなことを言っていたはず。

苦手なだけで使えない訳じゃないとか?そんな感じなのかな。

あれこれ考えているとライルが笑いを堪えながら話に加わった。


「いいんじゃないか。どうなっても知らないがな」


嫌な予感しかしないんだけど!?どうなっても知らんって何?

どうなるんだよ!!たかだか汚れを流す程度で何が起こるんだよ!!


「まあ、いいわ。やっちゃうわね」


ジェリーは杖を取り出しこちらに向けてきた。

え、やっちゃうって、殺ちゃうとかじゃないよね。

ライルを見ると数歩離れた位置にいた。

野郎、逃げやがったな。


「貫け!ウォーターレーザー!」


そう言うと、杖の先辺りから水がこちらに噴き出してきた。

ちょっと待て、貫けって何を貫く気だよ。あなたが魔法をかける

相手は魔物じゃなく人間だぞ!!殺す気か!!


物凄い勢いの水で体全体を洗い流された。

体は地味に痛いし、服はびしょびしょだしで最悪だ。

もうこの際燃やされてもいいからジェリーに、魔法で乾かしてもらおう。

今度はどんな呪文が出るんだろう。燃え尽きろとかかな?


「ジェリー、魔法で乾かして」


「いいわよ」


もう一度杖をこちらに向けるとジェリーは呪文を唱えた。


「燃え上がれ!ファイアランス」


すると足元から火柱が発生した。

あつ~。ファングボア戦で轢かれすぎて痛みになれたのか、痛みはそれほどなかった。

サウナに入ってる気分だ。このままいい汗かこうぜ!!あほか!!

なんて馬鹿なことを考えている間に足元の炎は消えた。

服を触ってみるといい感じに乾いていた。ジェリーすげぇ!!


「ジェリーありがと」


「気にしないで。魔法を使った私が言うのもなんだけどあなたよく生きてるわね。

死なない程度に加減はしたけど無傷だとは思わなかったわ」


おい。魔法を使った本人の反応がそれってどうなの?

まあ、服が乾いたから別に良いけどね。

ライルを見ると化け物を見る顔になっていた。


「人間相手にあの魔法を使ったジェリーも異常だけど

それを受けて平然としてるユートはそれ以上に異常だな」


「どうでもいいから早くギルドに行きましょ」


ジェリーは言われ慣れているのかあまり気にした様子がない。

気にしたら負けってことでいいのかな?いちいちツッコんでたらキリが無いので

スルーすることにした。


「そうだね。ライルは放っておいて早く報告にいこうか」


「ええ。そうしましょ」


ライルを置いてギルドに向かう。なるほど、これがさっきのことに対する

ささやかな仕返しなのか。気にしていない訳ではないのね。

ライルは置いて行かれたことに気づかず呑気に門番と話をしていた。



しばらく歩くとギルドらしき建物が見えてきた。

入口から中に入ると目の前に受付らしき場所があった。

遅れてやってきたライルは少し息を切らせながら声をかけてきた。


「置いていくなんてひでぇじゃねえか」


「呑気に門番と話してるあんたが遅いだけでしょ」


ジェリーに反撃を食らったライルは笑いながらすまんすまんと詫びを入れていた。

ライルが魔石を持っているのでライルがいないと依頼を報告できないので

待つしかなかったんだけどね。


「じゃあ私達は依頼の報告に行ってくるから、ユートは先に登録を済ませてきなさい。

報酬を受け取り次第そっちに行くから、支払いまでには間に合うと思うわ」


「了解。なるべく早くお願いね~」


ジェリー達と一旦別れて登録所に向かう。

一番右奥の受付が登録などをしているらしい。

早速向かうことにした。

受付のお姉さんに声をかける。


「すみません。冒険者の登録をお願いします」


「はい、ではこちらに名前を記入してください」


差し出された紙に目を通す。見慣れない言葉のはずなのに自然と意味が理解できる。

これもスキルのお陰なのだろうか。まあ、読めても書けなきゃ意味ないんだけどね。

こっちの言葉なんて書けないのでとりあえず日本語で名前を書きこもっと。

紙に名前を書こうとすると、手が勝手に動き何かを書いた。

読んでみると自分の名前が書いてある。スキルすげー!!書くことにも対応してるのかよ。

記入する欄は名前と性別、年齢だけだったのですぐに済んだ。

記入した紙を受付に渡す。


「ありがとうございます。では、こちらをお受け取りください」


そういうとお姉さんは一枚の白紙のカードをこちらに差し出す。

受け取ると、カードに文字が浮かび上がった。

驚いて目をぱちくりさせていると、お姉さんが説明してくれる。


「今渡したカードはステータスカード。あなたの現在のステータスや冒険者ランクが

記載された、あなたの身分証のようなものです。ステータスの更新は毎回カードを手に取れば

完了されます。そこに載っているのがあなたの現在のステータスです。」


改めてカードを見てみる。カードには先ほど記入した事柄などが載っていた。

手に持つだけでステータスが更新されるって結構便利だな。

まあ、ゲームとかならモンスターを倒したその場でレベルアップするが

そこまで都合良くはなっていないらしい。


「ギルドの説明に移らせていただきます」


まあ、説明しなくても大体は予想できるけど一応確認で聞いておこう。


「ここギルドでは依頼の発行から受付を行っております。

冒険者の方々はギルドが発行した依頼を受けて達成していただきます。

受けられる依頼にはランクがあり自分に見合った依頼を選択して下さい。

また、パーティーなどでの依頼の達成での報酬はこちらでは決めていませんので、

仲間と話し合って決めてください。」


うん、大体予想通り。お姉さんの方もこっちが色々知っている体で話してくる。

後はランクの説明を聞くだけでいいかもしれない。細かいことはおいおい慣れていけばいいし。


「では、ランクの説明を始めます。依頼にはそれぞれ難易度が設定されています。

一番簡単なものでEランクです。最初は皆様例外なくEランクからの開始となっております。

依頼をこなしたり、強大な敵を倒すなどで自身のレベルが上がることによって、

冒険者ランクの方も上がります。ランクは低い順からEからSSSまでです。

説明は以上ですが、何か質問はありますか?」


丁寧に見えて結構適当な説明だったけど、まあいいか。

大体のことは理解できたし。


「いえ、ありません」


「では、登録費用に銀貨5枚です」


やべぇ。まだジェリーさん達来てない。

どうしよう!!適当に会話で長引かせとけばよかった。


「おーい!!ユート待たせたな!」


後ろを見るとライルとジェリーがこっちに向かってきた。

ナイスタイミング!!マジ愛してるぜ。ライルとジェリー!!


「これ、約束の分ね」


そう言うと、布でできた袋をこちらに渡してきた。

受け取ると地味に重い。結構入ってるっぽい?

まあいいや、とりあえずこれで登録費を払ってしまおう。


「ありがとう。ライル、ジェリー!」


お礼を言うと受付のお姉さんに袋から取り出した硬貨を渡した。

金色でゴージャスっぽいしこれで何とかなるだろ。


「はい、金貨1枚ですね。では銀貨5枚のお釣りです」


ふむ、金貨は1枚で銀貨10枚分ってことね。オデ覚えた。

お釣りを受け取る。


「では、あなたの冒険に幸運を」


お姉さんそんなお祈りまでしてくれるとかマジ天使かよ。

登録を済ませたのでひとまずギルドを出る。

ギルドを出たところでライルが声をかけてくる。


「俺たちはこれで解散するけど、ユートはどうするんだ?」


「疲れたからどっかで休みたいんだけど、安くて良い感じの宿屋とか知らない?」


先ほどもらった報酬で当分は心配ないだろうけど、節約するに越したことはないだろう。

この先何があるかわからないしね。


「じゃあこのギルドの近くにある北の国っていう宿屋でいいんじゃない?

私たちもそこを利用してるから何かあったら相談にのれると思うし。」


「ん、いいんじゃないか。値段もお手ごろだし」


じゃあそこでいいや。とにかくもう寝たい。疲れた。

宿の名前が北の国からっぽいのとかもう知らん。


「じゃあそこにする」


「オーケー。ついてきて」


ジェリーについていく。そしてすぐに着いた。

ていうか、ギルドの隣だった。ちかっ!!

真横って説明でも良かったんでない?


宿屋に入るとダンディなオッサンが迎えてくれた。


「いらっしゃい。そっちの二人はお帰り」


ライルとジェリーはそれぞれ挨拶を返すと自分の部屋に帰ろうとする。


「ちょっと待って。せめて二人の部屋の場所だけ教えてから戻って」


「おお、悪い悪い。忘れてたぜ。俺は二階の一番奥の左の部屋だ」


「私は一階の右側の真ん中の部屋よ」


ライルが二階の一番奥の左で、ジェリーが一階の右側真ん中ね。


「おっけー、覚えたよ。ありがとう」


返事だけ聞くと二人は部屋に戻っていった。


「君はどうする?泊まってくか?」


「はい。これでどれくらい泊まれます?」


金貨一枚を出した。これぐらいあれば五日は泊まれるだろう。

それ以上するようなら泊まるのを考えなきゃならないけど。


「食事代込みで十泊ね」


は!?予想してたよりも安くなってる上に食事までついてきた

こんな好条件そうそうないだろう。他はどんなんか知らないけどね。


「じゃあ、それでお願いします」


「あいよ。一階の左の一番奥だ。鍵をかけるのを忘れるなよ」


「はい、分かりました。おやすみなさい」


「まだ夕方だがな。おやすみ」


そうして自分の部屋に向かう。

一階の左の一番奥か。ジェリーと割と部屋が近いな。

自分の部屋に入る。鍵を閉めてそのままベットに倒れこむ。

ベットは結構柔らかく、倒れこんだ自分をそのまま夢の世界にいざなった。


現在のステータス


真嶋勇人 Lv.35  HP50/357 MP27/238


STR 175    INT 160


DFE 175    TEC 130


SPD 150   LUK 90


所持スキル


異世界語翻訳 Lv.1/1 身体能力向上 Lv.10/10 


状態異常無効 Lv.10/10 家事 Lv.7/10 


嘘つき Lv.5/10 魔法使いの素質 Lv.20/30 


SM体質 Lv.10/10 九死に一生 Lv.10/10 


女神の加護 Lv.1/1 変身魔法 Lv.1/1 


五体満足 Lv.1/1 踏ん張りLv.10/10

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