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バイナリー・オポジション  作者: ハゲタカ
第2幕 死肉の暴風
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後処理

暗い部屋、スポットライトが椅子に縛り付けられた男に当たる。


周囲は人のいる気配、小隊レベルの人数で囲まれている。


「なぜ、ピースメイカーを救援に呼んだ?」


暗闇から問いが投げかけられる。


男は何も答えない。


「君も知っているだろう、この場所がリークされる恐ろしさを、居場所がなくなるぞ」

「アンタもな」


口がやっと開かれたと思いきやそれは抵抗じみた言葉だった。


姿が見えずとも、気に食わない、といった様子がなんとなく伝わってくる。


「君は、我らの組織を何だと思っている?」

「人を守り、吸血鬼を狩る、それが目的だったはずだ、だが貴様らは何だ?人を虐げているじゃないか、そんな組織に賛同した覚えはない、こんなことになるならピースメイカーの方がマシだ!」


必死な否定の言葉は、暗闇を蠢かせた。


沈黙の間が訪れ、やがて一人の少女が男の背後から歩いてくる。


白髪、赤い瞳、覗かせる鋭い八重歯は吸血鬼のそれだ。


歯を首筋に近づけ、穿つ。


「があ!あああああああ!」


突然走る猛烈な痛みに悲鳴を上げる男。

しかし失神することなく踏ん張る。


「われわれの目的に相違はない、人の安全を保持し、吸血鬼を殲滅する。だからこそ、だからこそなのだ、危険因子は除去しなければならない、キミのようにね」

「ああああぁ」


絶叫にもやがて力がなくなり、前のめりに気絶する。


吸血鬼の少女はスポットライトの照らす範囲から去る。


男はしばらく硬直し、赤い目を開くと暴れ出した。


がたがたとイスの足がタップダンスをする。


「グアァ!!」


唾液と共にうめきを上げる。


先ほどの人の姿とはまるで別人、人としての彼はそこにいなかった。


暴れに暴れ、縄がちぎれる。


瞬間、正面と左方から銃弾が駆け抜けた。


全身を貫き、文字通りハチの巣となり、横たわる。


「残念だ、優秀だったのだがね」


惜しむ声は本心に聞こえるが、その言葉は既に死んでいる男には届かない。


そうしてこの場の幕は閉じた。


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