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バイナリー・オポジション  作者: ハゲタカ
第2幕 死肉の暴風
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作戦失敗

ハルワンクはボルトをスライドし、薬莢を排出、4発目の弾を装填する。


そのころには標的の影は小さくなっていた。


サクリファイスが単独で飛行しているからだ。


ハルワンクにも竜巻の存在は見えている。


影はそれに遮られて見えなくなった。


「狩り損ねたか、まあいい」


スナイパーライフルを地面に置いてあるケースにしまい、それを背負う。


そして大型の斧を片手に竜巻に向かって歩こうとしたが、そこで竜巻は消失。


「あ?」

『こちらホスピタルよりハルワンクパトロールへ、帰還を命ず』


それに次いで無線が入る。


突き放すような命令は、強制力を帯びていた。


ハルワンクは狩りの時間を惜しんだ。


ため息をつきながらも帰還の準備、取り出した大型の斧も腰部のホルスターにしまう。


「こちらハルワンクパトロールよりホスピタルへ、了解」


無線機で連絡し、勇馬と湊の下へ戻る。


 ------------------------------------------------------


竜巻は消え、舞い上がった土や枝葉が辺りにばらまかれる。


頭に突き刺さった洋也の刀は、折れずにスムーズに抜けた。


洋也ごと、死体型ストリガに掴まれ投げ飛ばされる。


大木に衝突し、地に伏すが、すぐさま刀を構えなおして向き合う。


死体型ストリガは唸り、両翼に風を纏い付かせ、刃のように構える。


竜巻の白さよりずっと濃い白色で見るからに高密度、洋也の刀ではつば競り合いなどする暇もなく切断さ

れてしまうであろう。


それでも後ずさることなく、洋也は足を前に、加速し斬りかかる。


右手の風の刃が横なぎに振るわれるところを跳躍し避ける。


空中の無防備なところを左手の風の刃が振るわれる。


両手で構えていた刀を左手で持ち、右腕を捨てて窮地を脱する。


右腕は滑らかに切断面を晒すことはない。


肉を断ちはしたが骨は切れず、そのまま小指にかけて肉を持っていかせ、逸らしていた。


抜けた先は顔、そこへ刀を一太刀いれる。


「ンガァ!!」

「この!」


そのまま切断するにも左手だけでは力が足りない。


そんな状態の中、返って来た右手の刃が洋也の胴体を真っ二つにしようと風を激しく流動させる。


刹那、洋也の真下に跳躍した分できた空間に赤黒い軌跡が走る。


洋也は足を引っ張られ、落差を伴いながらも風の刃から遠く逃れた。


森を突き進み、死体型ストリガから遠ざかる。


やがて勢いを失うと地面に擦りつけられ、枝や葉に体を突っつかれる。


「馬鹿なことしたわ、一度体制を立て直すべきだった」


赤い軌跡はサクリファイスだった。


黒い翼を広げて凛々しく立っている。


その立ち姿も土や木の葉で汚れていて台無しだ。


「なぜ止める?」

「あのままやってたら体の損傷は激しくなるだけよ、自分の身を考えなさい」

「体なんて、不死身なら治るだろう、心配することじゃない」

「私が嘘を言っているとしたら?」


洋也の表情が固まる。


「あら?もしかして私の言うことを百パーセント信じていたのかしら?だとしたら大馬鹿者ね、吸血鬼の

言葉を信じるだなんて」


マウントをとるようにサクリファイスは嘲笑う。


だが、涼しい顔のまま、洋也は立ち直る。


「・・・今更後には引けない、実際再生する体を手に入れていることは確かだからな、証左がある限り、信用は出来る」


平然と前向きに考えられる洋也に、サクリファイスは呆れる以前に唖然とする。


間抜けに、まるで金魚のように口を開けている。


「頭おかしいわ、あなた」

「聞き飽きた言葉だ」


再度死体型ストリガに立ち向かおうとさっさと移動する洋也、サクリファイスは反応が遅れ、洋也に追従する形で行動を共にした。


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