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闇色の使者  作者: 細螺蒼
8/10



「……!?」



 圭太が驚愕に目を見開くのと、署内に悲鳴が響き渡るのは同時だった。



「審判の意味は、再会と決断、そして神の裁き」



 血で濡れた床に、タロットカードを落とすリィードゥ。

 優太の身体から流れる血が床に広がっていく。



「曽根木優太という人間は、小物程度の“悪"だったが、“味"は悪くない」


 手についた血を舐めながら、リィードゥは言い、周囲に視線を移した。

 いつの間にか警官が取り囲んでおり、圭太も拳銃を構える。



「動くなッ!」



 拳銃を構え、圭太はリィードゥに向かって叫ぶ。



「お前が連続殺人犯かっ!」

「その通り。――だが、不粋な真似をする」



 後半の言葉は自分を取り囲んでいる警察官たちに対してだ。



「私はね、お前に用事があって来たのだ。雑魚に用はない」



 パチンと指を鳴らした途端、圭太以外の人間がその場に倒れる。



「!?」

「眠らせただけだよ。――生贄以外を殺す必要はないからね」

「生贄?」



 問いかけるも、銃は構えたまま。



「お前のことだよ、大野圭太」

「俺!?」



 まさか、と圭太は思った。

 確かに自分も同じ誕生日だ。しかし、自分は大丈夫だと高をくくっていた。



「指を鳴らしただけなのに、倒れたのが不思議だろう?」



 死んではいない。眠っている状態の周りを見ながら、リィードゥは圭太に問う。



「……」

「お前のような、現実主義者には理解できないだろうね」



 銃を構えたまま、無言で睨む圭太にリィードゥは言う。



「お前は……“何だ"?」

「――タロットに関する噂を知っているかい?」



 圭太の質問には答えず、反対に聞くリィードゥ。



「質問しているのは自分だっ。答えろ! お前は何だ!?」

「――――悪魔」



 簡潔に、たったひと言で、リィードゥは圭太の質問に答えた。



「悪魔なんてものは架空の生き物だ!」

「架空ではないよ」



 ふふと笑い、リィードゥは姿を変えていく。

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