魔槍覚醒~まーそういうことです~
エディアに力を託されて超パワーアップしたセトナ。神器グングニルも急速進化してイケイケノリノリ略してイケノリです〜
「……魔槍の分際でファールデクスに刃向かう気か……人外盗人(じんがい盗人)の手を借りてまで……!!」
「心が通じたんだよ。リファこそ、その聖剣と心が通ってるの? さっきから随分迷いが見えるけど」
「五月蝿い…………五月蝿いんだよ……このお邪魔虫め! さっさと居なくなれ!! イナクナレ!! イナクナレ!! アッシュの心臓ハ私ノモノダ!!」
リファはただ理性の無い野獣のように猛進する。超圧倒的な攻撃力を持って攻撃する。しかし、セトナは正面からそれを受けて弾いた。
「……っ」体勢を崩すリファ。顔は訝しげだ。
「やっぱり、そーいうことなんだね」
「……何を……」
「確かにリファは能力を無効化する能力を持っている。けど、常時それが発動してるワケじゃないんだ」
「……」
「タイムラグがあるんだね? 発動するまでにちょっとだけだけど……」
「ふわっ!?」
「どうやら図星のようだね……それなら!!」
セトナは槍を前に突き出すように構えた。
「真なる魔槍よ……その穂先森羅万象の幹となりて、抗う者へと立ち向かえ! <ローンウッド・グリーディング>!!」
グングニルから数千数万の光の触手が飛び出し、一斉にリファに襲い掛かる。鋭く尖った各々はまるで生きているかの様に不規則に対象を乱れ突き、攻撃の隙を与えない。まさに怒濤の勢いと言うに相応しかった。
「そらそら!! どんどんいっちゃうかんね!!」
「グウウウ!! オノレェェ小賢しいィイ!!」
「何といわれても結構! あたしは太っ腹だからこいつもおまけに付けちゃうよ! <オディノスクラスター>!!」
セトナは一瞬のうちに感覚で習得した技を重ねる。今までバラバラに動いていた光の刺が終息し、巨大なドリル状の巨大突起物をを形成し回転しながらリファの体に直撃し大きく弾く! あり得ないはずの神属性の攻撃は、並の人間なら一撃で体が抉り取られる程の威力を持ってるところだが、飛ばされる程度の無きに等しいダメージだけで済んだのは流石はチートらしい無尽蔵な耐久力のおかげと言えよう。倒れる事はなく後方で体を3回転半させて体勢を立て直し着地し、そのまま再び攻撃態勢に移る。その表情は理性を失った狂獣のようであった。それは能力が高まるにつれリファの精神がどんどん崩壊し不安定になっていることを物語る。
「グゥルウァ! グルゥアア!」
「なんて気迫! でも、あたしは負けるワケにはいかないんだよ!」
真魔槍と聖剣の壮絶な打ち合いが始まった。リファを対象にした<完全依存>にエディアの力を加えたセトナの素早い攻撃はリファに押し負けない。青い火花を散らして互角にやり合うどころか当たればリファを倒せてしまうのではと言う期待を抱かせる程の奮闘ぶりである。
「たあああああ!」
「ナゼ……ナゼこれほどまでにワタシを不快にさせるの? ……ナゼ……ナゼ……ソンナ目をするんだ……!? そんな輝いた目をナゼ見せる!!」
「クロちゃんと約束したからだよ、アシュ君と誓ったからだよ、エディアに託されたからだよっ!!」
「見るな! ソンナ目で私を見るなあァ!!」
「やめないよ! 私はやめない! あんたが目を覚ますまでは絶対に!!」
セトナがアシュレイから与えられた情報は少ない。だが、彼女はまるで全てを理解したかのように、リファの命を奪うと言う思考は微塵も無く、むしろ救おうと言う気持ちで満たされていた。それは、勇者の姉としての、クロノが望んだ「人間」としての彼女自らの判断。今まで運命と感情に捲かれ翻弄されてきた少女の自立を意味するものであった。
澄んだ正義の一撃と歪んだ愛と憎しみの一撃がぶつかりあい続ける。まるで葛藤のように相反する魂が激しく交錯する中、時は流れ、揺れる地表を光らせる青い光はやがて緑に変わり、そして更には赤に変化していった…………と、言うところで視点は再び勇者アシュレイさんにもどります。ここまでの解説は、みんなのアイドル「イケイケいなリン」こと稲荷川 綾子がお送りしました! バイバイピース!
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……はーい、いなリンありがとうございました! ねー、明日はライブやるってのに元気なことでねー僕も何か元気分けてもらっチクちゃったかなー? ちなみにライブは東京の新橋でやるそーです。当日券もあらしいからピキーンってなったみんなはドンドン行ってあげちゃってチョーダイなっ!(チャキ)
……
……ごめんなさい、こんな状況でラジオパーソナリティなことしてしまいました。すぐに、本題に移りますのでご容赦ください場違いな発言慎んでお詫びいたしますごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……




