丁寧な状況説明(3)ヤンデレのデレ部分
勇者アシュレイは、剣の巫女であるリファと出会いスーパーリア充タイム(確変)に突入した。果たしてお正月にスッた三千円を取り返すことが出来るのだろうか!?
(※内容の一部に物語と無関係なところがあります)
さて、リファの表向きの人間性について触れておこう。
リファは、見た目もカワイイ奴だが、性格もカワイイ奴だった。ちょっと天然が入っているが、おっとりのんびりしていて心優しく、人懐っこい。笑顔は春の太陽のように温かく俺の心を何度も癒した。好きなものは小動物、スイーツと実に女の子らしいものだ。
言葉遣いはたどたどしく、「ふわっ」とか「ほわっ」とか「ほわわ」とか「ほわう」とか擬音が多いのだが、可愛いので許せてしまう。それだけの魅力が彼女にはあった。ちなみに、「ほわわ」はF分の1揺ら的なものを放っているのか中毒性のある気持ち良さなので一聴の価値ありだ。そして、その話の中身もやはり女の子らしいものが多い。では、ここで一例を挙げてみよう。
「ねこさんかわいいなぁ。むくむくしてきもちよさそうだね、アッシュ!」
「アッシュ、おにぎり作ったよ! おいしいかどうかわからないけど一生懸命作ったからたべてみてよ〜ほわっ」
「リファはアッシュのこと大好きだよ……アッシュも、リファのこと……好き?」
「アッシュ、ホッぺぷにぷにしてぷにぷにぷに」
「たまごごはんたべたいなぁ〜ふわぁたべたいなぁ〜アッシュも食べたいよねふわわ」
「ここつんつんすると、こっちがピッとなるね。こっちをピッとするとあっちがピッとなるよ。おもしろいね」
こんな感じだ。ちなみに、今の5つのセリフは俺がモノマネして言ってみたのだが、読者には直接声が聞こえないので隠しておけば気付く事は無いだろう。この話は「場面置換」も利用しているが、これはまさに文章だからこそ出来るトリックテクいうヤツだ。……なお、セリフ内にあったアッシュと言うのは俺の愛称で、リファはヤバい事になった今でも俺の事をそう呼ぶ……つまり、俺は女の子の口真似しつつ自分で自分に語り掛けたわけですが、リア獣キモっ! とか思わないでください……勇者の心はセンチメンタルなんです。(笑)
目的地のザッカル神殿へ向かうまでの1ヶ月は、そんなリファの可愛さにメロメロで本当に幸せだった。毎日が楽しかった。ハッピーハッピーだった。……しかし、目的地の神殿に辿り着いた俺は、彼女の「ヤンデレ」たるところを垣間見ることになったのだった……
今思えば、リファの性格的特徴は全てヤンデレの資質を持っていたのだが、恋は盲目、気付けるはずもなかった……彼女の隠していた恐るべき爪のことなんて、全く……




