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真実(カルカン)にネコまっしぐら

封印されしリファの過去が遂に明らかになる……



マタタビを嗅いだ猫が庭でパンダ座りしてグッタリしたあの光景は忘れましぇん(-ω-)

 そこは見知らぬ草原。その中にあるのは風に髪をなびかせる五つの人影。



「エル!」



1人が声をあげた。その主は真珠色のの胸当て(ブレストプレート)と白銀のカチューシャ、腰には長刀を携帯し、やけに凛々しく大人びて見える勇者らしき女性。それは紛れもなくリファだった。



「どうした?」



それに答えるのは、色違いバージョンと言っても過言ではないほど俺にそっくりな男……愛称からしても間違いなくあれは俺のご先祖である大勇者エルリード様だ。



「風が歪んでいる……こんなに風が(いびつ)なのははじめて……」



「リファは本当に敏感だね……君の風読みは正確なのはよくわかってる。けれど、僕らは行かなくてはならない。そうだろ?」



リファは迷いのある顔でコクリと頷いた。そのか細い肩に、ぽんとしなやかな長い指を持つてが乗せられる。



「大丈夫ですよリファ。私達は凶兆に負けたりしない。かならず聖剣を覚醒させることができますよ」



強気のこの女性は俺の知るリファによく似た服装を身につけ、首には証である「灯間のアスタリスク」を光らせる銀髪長髪に金色の瞳を持つ美少女。おそらくは彼女が本当の剣の巫女だろう。その名は……



「エリアナ……」



「あなたは最強と謳われる勇者なのです。どうか、この肩の力を抜いてくださいませ」

「……うん、この風に負けてはいけないことはわかってるつもりだよ。でも、もしもの時は、私が命懸けで皆を守るからね」



「ええ、お心強い言葉……信じておりますわよ」



見た目か弱い女の子リファにそんなことを言われたのに俺のご先祖様含めた伝説の三勇者は誰も口を挟まなかった……俺だったら最低でも「それはお互い様だろ。俺だってお前を絶対に死なせねえ!」くらいは言うんだけどな……何か思ってたよりも随分と情けないヤツらだったのかもしれない。



 「おー、見えてきたぞ!」


少し屈強な体をした男が指を差した。そこには俺が知るもの比べて随分と綺麗なザッカル宮殿があった。


(このときはまだ禁呪使われてなかったんだろうな。


 「いよいよだね……ファールデクスが真の姿を現すかどうかは僕にかかっているんだな」



 「エルならできるよ。きっとできる」



 「ありがとう、リファ。君やみんなのおかげで僕は此処までたどり着くことができた。本当に感謝してる。」



 「エル……」


 「リファは本当に沢山の元気と勇気をくれた。だから、もし聖剣を覚醒させることができたら……」



 「できたら……?」



 「結婚しよう」



 ど定番の「重要イベント前告白」キター! あまりにもベタだがリファの奴は素直にそれを受け止めたらしく、顔を赤らめている。見られている事もしらずにこの2人はあーあーもう抱き合っちゃってチクショー! 見てるこっちが恥ずかしくなるっての! さっきのやりとりも含めて俺のご先祖様の評価は20点減点ですっ!



それはさておいて宮殿に勇者一行が入ると(この時カメラワークが背後視点に変わりました)、エリアナが先頭に立ち、俺の時と同じように、同じ部屋に勇者たちを案内した。そして、ご先祖様から聖剣ファールデクスを受け取り、祭壇まで運ぶと、やはり俺の時と同じ内容の儀式をはじめた。祈りの言葉の内容もあのときリファが唱えたものと寸分も違わないと思う。実にデジャブな感じだ。



「……ファールデクスよ、今こそ真の姿を我が前に見せ給え!」



ただ、違うのは、聖剣が反応を示した事だ。あの時とは違い、祭壇のファールデクスは少し浮き上がると、光り輝きはじめた。その光の色はリファが魔王を倒すときのものと似ている。 これが本当の剣の巫女の力なのだろう。



「……リファ!」



 剣の巫女は突然、振り向いてアイツを呼ぶ。



「エリアナ?」



「私の近くに来てください」



「え? ……うん……」


ん……何だ? 何でこんな時にリファを呼び寄せたんだろ? 普通なら、ファールデクスの持ち主でありご先祖様を呼ぶタイミングのように思えるが……妙だ……何かがおかしい。リファもあの困惑したような口振りからして内心不可解に思っているに違い無い。



「どうしたの?」




「あのね……この聖剣を覚醒させるには、最後に1つやらなければならない事があるの」



「それは、一体……」



……これは……この展開はまさか……!



「聖剣を覚醒するには、心臓が必要なの」



「しん……ぞう……!?」


「そう、気高く誉れ高き乙女の心臓……あなたの、胸にあるものがね!!」


聞いたことのある台詞を吐くと、穏やかなエリアナの目が急に釣り上がり、まるで悪魔のように鋭く冷酷な顔に変貌した。そして、リファに向けて手をかざす。



「……うっ!?」



リファの体を光の縄が包み込み体の自由を奪う。高等魔法の「ディレイターバインド」だ!



「そう、あなたの心臓こそ聖剣の覚醒に相応しい」


「エリアナ……何で……そんな話、聞いてない……!」



「ふふっ、嬉しく思いなさいな。愛する人の力になれるのですから、潔く命を捧げるのです」



「そんな……そんなこと……」



 縛られて手を動かせないため、リファは鞘に収まった聖剣と思われる長刀を使うことができない。「天照七聖剣」を使えば束縛を断ち切り逃れられるのだろうが、あの状態ではそれが出来ない。



「安心して。すぐ楽にしてあげるから」



 「……エルっ!」



リファはご先祖様達の方を向き助けを呼んだ。しかし、ご先祖様達は動揺するだけで彼女に近づく様子がない……ったく何モタモタしてんだよ!? しっかりしろよ、お前の恋人が大ピンチなんだぞ!?



「大丈夫よ、後の事は任せて」



「エリアナ……あなたは何が狙いなの? 私を殺してどうするつもりだっていうの!?」



リファは再び前方に顔を向けつつ言った。



「エルリード様の事は、私があなたの分まで愛してあげるからね。永遠に永久に!」



うへっ……こいつ俺の知るリファに負けず劣らずのヤンデレだわコレ。覚醒のためとか前置き入れたが、リファが恋敵だから始末したいってのが本音のような気がする……しかも、リファのヤンデレよりも意図的な部分が見られる辺りが尚更質が悪い。



「させない!」



ヤンデレ巫女から放たれるドロドロとしたカオスなオーラに負けじとリファは落ち着いた声を上げる。流石は勇者、大ピンチなのにパニクらずにすぐ冷静な判断力を取り戻した。(まなこ)に灯るのは正義の焔……俺の知るリファが1度として見せたことの無いあまりにも美しく凛々しい顔つきだった。



そして、その眼差しに剣は応える!




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