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生き地獄

島根のスピリットに当てられて暫くハッピー状態となったOさん。某鉄道会社経営のホテルでのカニ料理は最高だったそうです。夜中には妖怪スイトンに出会ったとのこと……

「……」



俺は真っ赤な水玉模様の外壁をもつリザ子の家でガクガクブルブルとこれまた赤い水玉模様がしつこいテーブルクロスがかかった机に向かい座っていた……いや、正確には座らされてるわけだが……


エプロンをした、ムキムキマッチョなリザードマン、エリザベート・リザ子(漫画家志望)はそんな俺の目の前に毒々しい赤青紫色の得体の知れないドロドロした邪悪なる湯気立ち上る液体の入ったカップを置き、食べろと目配せする。いや……食べたら死ぬでしょこれ……昔アッティカの洞窟に行く途中で通った毒の沼地みたいにな匂いがするし、何かの目玉みたいなのや骨らしきものが浮いてるし、ボコボコ泡が出てるし何より臭いし……ってああ、さっきも言ったな。



 とにかくこれで、ドラゴンくらいなら簡単殺せるのではなかろうか。いや、リファのチートな必殺技「バクメツホー」に対抗できるレベルかもしれない。



「ええと、リザ子さん」


「キシュ?」



「実はデスね……ええ、さっき君のお兄さんが出してくれたコーヒーを沢山飲み過ぎちゃいまして、お腹の具合が猛烈に悪いのですよ」



「キシャ?」



「ですから、大変申し訳無いんですがこれを食べることは、ちょっとできないかなーって感じなんですよぉ」



「キシャー!」



「ハヒー!」


何を言ってるかはわからないが、食えと言っているようだ。逆らえば、勇者と言えどこの怪力リザードマンにはプチッとやられること間違いなし。聖剣も無いから尚のさら勝てる気がしない。しかし、食べたら食べたで舌がピーヒョロローってなって死ぬ可能性は濃厚……ああ、俺一世一代の大ピンチだわ。もう、何か、言っちゃあなんですが、リファに追っかけられるよりこの状況の方がヤバいよね……所謂絶望的状況とはこの事を言うんです! クゥー!



「あはははは……」



笑って誤魔化したところでどうにもならないが、どうしよもなくなると人って結構笑ってしまうものなのだ。トカゲ野郎(女)の丸い目はそんな俺をチロチロと獲物を品定めるようにじっと見る。



「リザ子さん」



「シュルルル……」



「もう一度お聞きしますが、これを食べろと?」



 「キュ」



 「どうしても食べろと、おっしゃるのですね」



 「キュウン」



 「どうしても、なのですか?」



 「キュキュ」



食器を洗うような声で「そうですよ」的に鳴かれても困るってばよ! ああ、どうしよう? これ以上選択しないまま迷っていてるのも、ヤツの機嫌を損ねてブッ殺されかねん……ああわかったわかった! どうせどっちもやばいなら、勇者らしく覚悟を決めねばなるまい。これでも魔王軍と幾度も死闘を繰り広げてきたのだ。この程度の逆境ははねのけなければ男が廃る!




「いただきます!!」




俺は置いてあったスプーンを手に取ると、ざっとリザ子流毒劇物シチュー(仮)をひとすくいし、はむっと口に入れゴクリと飲み込んだ。



そうしましたら、胃心肺肝が絶望に満ちて薫風喉より来たり口中異常を生ずるが如し。目の前が即座にショッキングピンクにに染まりますると、おやおや、遠くで死んだ編みタイツお爺様が手招きをしているではございませぬか、ブグバクブグバグミブグバグアワセテブグバグムグムバブバブ親方様親方様大変ですお飼いになっていた藪蛇が高野の山に逃げてしまわれたオヨヨオヨヨ引けむっくりのぼうむっくりおぼんおぼんイササカ先生〆切間近ですBYノリスケ・イズ・ビューティフルズワンダーランド32歳はじめての浮気!!



そこで、俺の意識は途絶えた……



俺の聖剣を返してください:第一部「タスマニアふれあい編」〜〜完〜〜



……そして、再び意識を取り戻し瞼を開いた時、俺はふかふかのとても藁くさいベッドの中に寝かされていた。


ガバッと飛び起きてあたりをキョロキョロ見回すと、誰もいない、リザ子もいない……よし今のうちに逃げよう。今逃げないとゲームオーバー試合終了間違いなしだ……静かに、音を立てずにこのクレイジーな空間を抜け出そう……



ガッバァア!



そう思った矢先、布団が天井まで舞い上がる!いや、リザ子は潜んでいたのだ! べッドの中に……って、よく見たらこれダブルベッドやん! 思い切りラブフラグ立てようとしてるよ! いや、俺そういう属性無いから! ケモナーでもハチュラーでもないからバッキャーーーーン!?


リザ子が獲物を狩る目で俺の体に迷いなくボディプレスしてきたとき、俺の意識は再び途絶えたのだった……乙かれさまでした俺の人生……ガクッ……



俺の聖剣を返してください:第2部「地獄教頭編」〜〜完〜〜



……なお、この後の「ねぎま争奪編」と「ウド・スズキ編」、「」は未成年には到底お話出来ないあまりにもグロすぎる(&話したら冗長になりかねない)内容でしたので、残念ながら全年齢対象の当物語ではお話することができません……本当に申し訳ない……





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