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とかげのくに

 勇者アシュレイはリザードマンの集落に向かう。


需要なんてあんまり無さそうなのに、当分は主人公とヒロイン以外は殆どトカゲ野郎ばっかりらしいです……爬虫類苦手な方は、大変申し訳ありませんが暫らく耐えてください……


スイマスイマセン(汗)




 ウォンサハンよりさらに南へ50kmあまり。ラドリング海の沿岸にメシントリの集落はあった。



リザードマンは世界に10万人程度存在する種族で、見た目はバーのオッサンも言っていたとおり緑色した爬虫類……つまりトカゲ人間だ。かつては、魔王の配下として人間と敵対していた時代もあったが、今は大分フレンドリーになり、文化交流をしたり人間と共に生活する者も現れるようになった。一部の心ない人間やリファみたいな爬虫類嫌いには受け入れられないところがあるが、彼らは独自の魅力的な文化を持ち、知能も人間に引けを取らないし、運動神経や腕力、体力にも優れたなかなかデキる奴らなのだ。


 この集落にもそのリザードマンが一部がすんでいて、俺の友人であるハーマーもその1人だ。



「いやー、よく来たねぇアシュレイ」



「元気そうで何よりだよ」



俺が集落にたどり着き尋ねると、彼はすぐに飛んで来てくれた。そして、今は俺を自宅に案内してくれている。親切な奴だ。ちなみに、リザードマンだからって語尾か「〜だぎゃ」になるわけではないのは先に言っておく。どっかのロマンシングなゲームみたいな事はないのだ。



 「こんな遠いところまでご苦労様だね」



 「まあ、色々あってさ……」



 「そうか、積もる話は家でゆっくり聞かせてもらうよ」



 ウォンサハンを出てここまで辿り着くのに、3人のおじさんと6人のおじいさんを犠牲になった……まあ、正確にはアイツらが勝手にリファに襲い掛かって返り討ちになっただけだが、時間稼ぎをしてくれた事は確かなので感謝せねばならないナムアミダブツ。ちなみに、ここまでの逃走シーンが一切描かれずにハショられたのは、単純に長ったらしくなるからだ。オープニング部分と大して変わらない内レベルの内容に読者の皆さんをお付き合いさせるのはまことに徒労であり申し訳ないと思った作者の配慮である。



 「しかし、どうだい此処(ここ)は?」



 トカゲの友達はつぶらな瞳ををパチクリパチクリして問い掛ける。リザードマン達は質素な生活を好むから、建物も全て茅ぶき屋根や肌色の仮設テントみたいなものばかりだ。その外ではリザードマン達がゲラゲラとよくわからない縄跳び遊びや、井戸端会議、斧の手入れなどをしている。そして、何だか全体的に魚臭く青臭い香が辺りに漂っている。



 「なかなか、のんびりしていて良いところだろう?」



 「ああ、そうだな」



 「お前さんは勇者だからな。望むんなら、ここに住むこともできるぞ! みんな大歓迎さ!」



 「そうなのか。それは、ありがたい話だよ」



 ニコニコ好意的に反応を返しつつ、俺は心の中でこう思った。


 

 ここには絶対に住みたくないなートカゲしかいないし……と。

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