旅行に行こう!
「久しぶりだね。レアルド。元気にしてた?」
「はい。お久しぶりです。」
レアルドは笑って返事をする。
ちなみに私は最初、敬語で話していたけれど今は普通に話している。
そういえば、私の名前はミロウということにした。
リリサに名前を聞かれたときにとっさに名前が出てこなくて慌てていたら、いつもの光る文字が現れたのだ。そこで、自分を鑑定してみようと思った。
その結果、私の名前のところに【人間に擬態した水龍】と書かれていて、私が水龍だということが分かった。でもひどいと思う。普通は水龍に擬態した人間って書くでしょ!?
逆だから!!
そうわけで私の名前は水龍から取ってミロウとなった。
水はミと呼んで、龍はロウと読む。合わせてミロウ。
まあ、自分でもなかなかいい名前だと思う。
「そういえば、私の名前、まだ名乗ってなかったけどミロウだよ。よろしくね。」
早速、考えた名前をレアルドに教える。
レアルドは頷いてニコッとほほ笑んだ。
「教えてくださってありがとうございます。」
「敬語じゃなくてもいいよ?」
「いえ、ミロウさんは僕の恩人ですから!」
「そうなの? 」
「そういえば、先ほどなぜか悲鳴が聞こえた気がしたのですが、気のせいでしょうか?」
「気のせいじゃない?」
そういえばさっき、リリサがレアルドにストーカーが引っ付いているって言ってた気がする。
まあ、関係ないよね。
「それにしても、ほんの数週間ですごく大きな建物になりましたね。お城みたいです。」
いやぁ。照れるね。褒めすぎだよ。
「ふっふっふ。私にかかればこんなの簡単だよ~。」
「そういえば、ここに来る途中、なぜか魔物が少なかったんですよね。いや、いたんですけれど襲ってきませんでした。なぜでしょう?」
「ああ、魔物達には人を襲わないように言ってあるからね。魔物はちょっと脅せばだいたい聞いてくれるから。」
「な、なるほど……」
ん? レアルドが震えてる気がする。なんでだろう。
「そういえば僕、あなたにお願いがあったんです。」
「お願い?」
「はい。……あ、あの。今度一緒に僕と隣の国に行きませんか?」
え? これはまさか旅行? 初めての外の世界? もちろん行くよ。いやっほう!
「うん!もちろんいいよ。」
「ほんとですか! よかったです。」
レアルドは目を輝かせる。
「あの、できれば身分を隠して行きたいのですが、よろしいですか?」
「そうだね。そうしよう。」
確かに私、正体を隠したほうがいいよね。気を使ってくれたのかな?
「いつにしますか?」
「いつでもいいよ。明日からでどう?」
私はレアルドに聞く。
「はい! よろしくお願いします。」
「じゃあ今日は、この宿に泊まって行くといいよ。適当な部屋に入って」
「分かりました。ありがとうございます。」
レアルドは部屋から出ていく。
そこで私は首を傾げた。
「そういえばさっきの悲鳴、なんだったんだろう。」
窓の外を見ればクモの巣に引っかかっている人間がいるのだが、そんなこと彼女は知る由もなかった。




