状況確認②
男が説明し始めた。
カミジョウさん。
昨夜から早朝にかけて、あなたの住むアパートで物体浮遊が目撃されました。
近隣住民の通報を受けて警察官が急行。
物体浮遊はあなたの部屋を中心としていることが判明しました。
その後の調査から、あなたが力を行使していると確定されたため、ここにお連れしました。
そこで我々としては、
「ちょっと待ってください」
堪らず話に割り込む。
物体浮遊が確認された?その犯人は自分?
日本語で会話したとは思えないほど、まったく理解が追いつかなかった。
「物体浮遊なんてしてませんし、近隣住民の目撃って、こっちはそんなもの見てませんが?
大体、確認って何したんですか。勝手に困ります。
それにですね、」
物体浮遊は調査員の方でも目撃されています。
発生は間違いありません。
また、調査方法に関して詳細をお答えすることはできません。機密事項ですからご理解いただきたい。
では、続けます。
男はこちらの必死の訴えもまったく意に介さず、話を続けた。
我々としては、あなたを保護し、適切な機関に引き渡す義務があります。そしてカミジョウさん。あなたもそれに応じる必要があります。
ご存知かとおもいますが、発現者はその影響力から全て専門機関の管理下におかれます。例外はありません。そして必要に応じて、力を行使し様々な問題解決にご協力いただきます。以上の理由から発現者は国際的に重要な存在であり、発見された場合はすみやかに専門機関に引き渡すことが定められています。
なにより…発現者に20代以降の者はいません。
しかしカミジョウさん。あなたは27歳だ。
それが何を示すかはお分かりでしょう。
あなたは現状世界最高齢の発現者であり、世界に良くも悪くも衝撃を与える存在となったのです。
生活に関しては保証します。
我々について来ていただけますね?
男の勢いに結局のまれてしまい、無言で頷いた。
発現者がどういう扱いを受けるか。保護の意味。
なんでもテキトウに頷くものではないと、
この時の自分の判断を今では深く後悔している。




