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10話 それぞれ

許斐ひかる スニーカー収集が好き 靴に一番お金を使っている。

桑野に長編の映画出演が決まって、長期間撮影で地方に行くことが決まった。

毎週放送しているラジオはまた撮り溜めかなと思っていたが、「一度許斐さん1人でやってみましょうか」と提案されてしまった。


それを言われた時、なんとなく覚悟した。

成功しても失敗しても、もう今までのようには行かなくなるんだろうなと思った。

久々に綿密な打ち合わせをして、1人でブースに入る。

向いが空席なだけで落ち着かなかった。また、自分以外に味方がいないような気持ちになった。こんな気持ちになったのは初めてだった。

いっそ酷い失敗したら、もう1人でやれとは言われなくなるかなと考えてしまって、慌てて忘れて目の前の仕事に集中する。



結果としては、俺は1人でも2時間しっかり生放送ができてしまった。


1人じゃ絶対無理だって言って、今まで桑野が休んだ時は誰かを無理やりゲストに呼んでいたのに。

テレビもライブも1人で出ることが増えていたからか、いつのまにか俺にもスキルが付いていたようで問題なく進められてしまった。


作家にこれはこれで良いですねと言われた時、誇らしさと同時に、どうしようもない寂しさに襲われた。ずっと2人じゃないとやっけいけないと思っていたのに、もうそんな事も無かったのが悲しかった。


たった一つだけだったコンビ2人揃ってのレギュラーは、こんな風にあっけなく俺1人がメインの仕事になった。

桑野の担当だったメールアドレスの読み上げを俺がしないといけなくなって、慣れるまで噛みやしないかヒヤヒヤしながら毎週進行した。


数ヶ月、完全に別々の仕事をした。

桑野は映画の撮影が最優先で、俺は俺で朝の番組にも呼ばれるようになって、ロケも増えて、ライブにはネタ無しトークのみで1人で出るようになった。

もう、あまり相方の話をする事が無くなった。

桑野綾人 アウター集めが好き。ダッフルコートが一番気に入っている。

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