僕の右足返して.....
「 」人の言葉
であらわしております。
塾があり、帰りが遅くなった主人公の中学三年。少女の名前は、花巻ゆあいという。
「いつも通っている道なのに怖い。お母さんに迎えに来てって言えばよかった。」
花巻ゆあいはポツリと独り言を言う。
コッ、コッ、コッ、コッ。
後ろから足音が響いて聞こえる。その音が怖くなった花巻ゆあいは走り歩きになる。
コッコッコッコッコッ。
花巻ゆあいは走り歩きになると、後ろから響いて聞こえてくる足音は少し早くなっていく。
花巻ゆあいはやっぱり何かついてきている……。怖い……。と思いながらひたすら早歩きで歩く。
花巻ゆあいが怖くてどうしようもなく早歩きになっていると前の街路灯に小学生ぐらいの女の子が一人でポツンと立っている。花巻ゆあいはこんな夜中に小学生がいるなんて……。親はどうしたのかな?と思いながら、小学生ぐらいの女の子の横を通ろうとする。
「ねぇ、お姉ちゃん。」
小学生ぐらいの女の子は急に花巻ゆあいに話しかける。
「……私、迷子になったの。一緒に帰ろう。」
小学生ぐらいの女の子は手を繋がるように右手を差し出す。小学生ぐらいの女の子の右手を花巻ゆあいは左手で握り返す。
小学生ぐらいの女の子と花巻ゆあいは手を繋いで歩き始める。
「おうちはどこなの?」
花巻ゆあいは小学生ぐらいの女の子に聞く。
「わからない……。」
小学生ぐらいの女の子は首を傾げて言う。
「なら、名前は分かる?」
「お名前なら分かる!花巻芽依っていうの。」
「芽依ちゃん、かわいい名前だね。」
「ねぇ、あなたの名前は?」
「花巻ゆあいだよ。」
「っ!同じ苗字だね!」
「そうだね〜。運命だね。」
小学生ぐらいの女の子、うんん、花巻芽依と花巻ゆあいはしばらく歩く。
コッコッコッコッコッコッコッコッ。
後ろからものすごい勢い大きい音と何かが来る。
花巻ゆあいの右足が急に重くなる。
「おもっ!」
「ぼクのミギあしカえしテ!!!」
「っ!」
花巻ゆあいは……何もできない。怖い。助けて。助けて。誰か!と心の中で何度も何度も叫ぶ。
「私の妹に近づくな!」
花巻芽依はものすごい勢いで血相を変えて言う。
「ギゃー‼︎まタだ‼︎おソろしイ……にゲナきゃ…」
花巻ゆあいの右足に引っ付いていた何かは去って行った。
「ありがとう。芽依ちゃん…?」
花巻ゆあいは花巻芽依にお礼をしようと振り返るとそこには誰もいなかった。
花巻ゆあいは顔を上げると家の前にいる。
「あれ?いない……てか、私……家の前にいる……。」
花巻ゆあいは家の中に入る。
「……ただいま〜。」
「おかえりなさい。」
リビングにお母さんと花巻ゆあいは向かい合って、花巻ゆあいが疑問に思っていることを聞く。
「ねぇ、お母さん。もしかして、私にお姉ちゃん、いた?」
「……っ、そうだよ。」
「その子って芽依ちゃん?」
「うん、そうだよ。どうして分かったの?」
「今日の帰り道でお姉ちゃん?に会ったの。」
「お姉ちゃんが……もしかして、お姉ちゃんはまた何かから守ってくれた?」
「うん、助けてくれたよ。またってことはお母さんも?」
「うん、そうだよ。あなたが生まれるちょっと前かな。お母さんと芽依と二人で買い物に行った帰り道でね、お母さんね、正体不明の何かに右足を持ってかれそうになったの。」
「えっ……。」
「そしたら、芽依が私のお母さんから離れてって言ったんだよ〜。あの時の芽依、かっこよかったな〜。」
「同じようなこと言ってくれたよ。」
「っふふ。」
「はははは。」
「よかった。お母さんの笑顔と妹を守れた。……私の分まで生きてね、ゆあい。」
お母さんと花巻ゆあいのそばにいる花巻芽依は言う。
ボコボコ、、ボコ、、ボコボコ、、、
「ユるさナイ。ゼッたイに。コンドこそぼクのミぎアしをかえシテもらウんダ……。」
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ホラーは苦手だけど、頑張って作成しました。ちょっとでも怖いなって思っていただけると嬉しいです。