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エレメンターズ  作者: 至田真一
和の町の妖剣士
67/202

紋様

 骨の馬に乗った骸骨が振り下ろした剣を厚が剣で受け止めて防ぐと、骨の馬が両前足を上げて踏みつけようとし、大貴が骨の馬を殴り飛ばす。

 地面に落ちた骸骨を美奈が光の魔法で光の玉を当てて倒す。


「クソッ! さっきから全然減らねぇ!」

「まだ親玉が生きてるからね。骸骨だから生きてるって言い方は合ってるか分からないけど」

「大丈夫よ。私達の中で強いメンバーが向かったんだもん。私達はこの骸骨達から町を守――」


 美奈が喋っていると、町の奥から大きな紫の炎と爆音が上がり、起きた爆風に厚達は踏ん張る。

 すると、奥から勇也、エン、ビトが吹き飛んできて、厚達の近くに転がり倒れる。


「勇也!?」


 倒れる勇也にレインが駆けつけ寄り添う。

 エンとビトにも厚達が駆け寄ると、勇也がゆっくり目を開ける。


「うう……レイン……。って事は、随分吹き飛ばされたんだな」

「大丈夫? あいつは?」


 ヒレアも駆けつけ勇也達に回復魔法をかけると、奥から近づく足音が聞こえ振り向く。

 視線の先には、ガロスがゆっくりと歩きながらこちらに近づいていた。


「皆、気を付けろ……。あいつ、思った以上に強いぞ……」

「流石封印獣ね。長年封印されていてもここまでの強さなんて」

「ねぇ勇也。他の皆は?」

「皆……あいつの攻撃を受けて、気を失ってる……」


 勇也の言葉にレイン達は言葉を失うと、回復魔法で勇也、エン、ビトは立ち上がれるまで回復した。


「大丈夫勇也?」

「なんとか。でも……あいつをどうやって倒せば……」


 勇也がガロスを見てそう言うと、ガロスは体から紫の炎の玉を放つ。

 レインが水を放つが、紫の炎は消えず、勇也達は躱す。


「何、あの炎!?」

「ただの炎じゃないな。水で消えないなんて」


 ガロスは剣に紫の炎を纏わせ、勇也達は先ほどの攻撃が来ると察知した。


「お前等逃げろ!!」


 エンが叫びレイン達は一瞬戸惑い走りだすと、ガロスは剣を地面に叩きつけ、あの炎の衝撃波再び起こした。


『うあああああああ!!』


 勇也達は吹き飛ばされ、地面に倒れ込む。


「痛って……なんて威力だ」

「ううっ……鉄化が間に合わなかっただ……」


 ライデンとスチアは倒れ、クロエは体がバチバチと火花が鳴り動かなくなってしまった。

 ヒレアは回復魔法をかけようとするがダメージが大きく起き上がれない。

 近付いてくるガロスはレインに狙いを定め近づく。


「っ!」

「レイン!!」


 勇也は意地で立ち上がりレインに向かって走りだすと、ガロスは左手の剣を振りかざす。


「うおおおおおおお!!」


 勇也は光のエレメントを込めたライトカリバーをガロスの左手に向かって振るう。

 すると、勇也の右手が光り、振り下ろしたガロスの左手を切り、剣を持ったままガロスの左手が地面に突き刺さった。


「今のは……」

「勇也、手が」

「え?」


 勇也は自分の右手を見ると、右手に光る紋様が浮かび上がっていた。


――――――――――――――――――――


 ランは瓦礫を持ち上げ、ジーリュを救出する。


「ジーリュ、大丈夫?」

「ランか。なーに、小さくなってもドラゴン。これしきで怪我などせんは」

「そうね。うっ……」

「ワシの心配より自分の心配をせんか」


 ジーリュは左肩を押さえるランに言う。


「ごめんなさい。封印獣……ここまでの強さを持つなんて。魔王軍の四天王……いや、それ以上かしら」

「かつてのエレメンターでも倒せなかった。じゃから封印されたんじゃからな」

「ええ。あの子達でも無理かもしれない。……そう思ったけど」

「なんじゃ?」

「あれを見て」


 ランの視線の先をジーリュは見ると、ガロスの左手を斬り落とした勇也が映っていた。

 そして、勇也の右手には光る紋様が浮かんでいた。


「あれは……エレメントライン!」


――――――――――――――――――――


「何だ……これ?」


 俺は右手に浮かんだ光る紋様に困惑する。

 袖を捲ると、腕には出てなくて手にしか出ていない。


「そうだ。レイン、大丈夫?」

「ええ。その手は?」

「分かんない。急に出て来て。でも、強い力を感じるんだ」


 レインの手を取って立ち上がると、ガロスが近づき右手の剣を振りかざした。

 すると、ガロスの背後からリューラが斬りかかり、察知したガロスはリューラに剣を向かって振るとリューラの刀とぶつかり、リューラは翼を生やして距離を取り俺達の元に下りる。


「大丈夫なのかリューラ!?」

「これしきの事でくたばってたまるか。ハァ……」


 息を切らしながらリューラは言うと、エンとビトがふらつきながらやってきた。


「皆、大丈夫なのか? そんなボロボロなのに」

「勇也が言うなよ。それにこれでもヒレアから回復魔法かけてもらってるんだよ」

「俺達だってまだやれるぜ」


 そう言ったビトとエンはまだ戦えるようだ。

 厚達が見当たらず、奥を見てみると、厚、美奈、大貴、風間、氷室は倒れていて、ヒレアに回復魔法で治療されていた。


「おい骸骨野郎!! 俺達もいるぞ!!」


 叫び声にガロスが振り向くと、ウィド、ミスク、アルツが立っていた。

 三人もかなりボロボロだ。

 ガロスは三人に向かって剣を振ろうとすると、俺達の背後から電撃が飛んできてガロスに命中した。


「へへっ、命中ー」


 サンダーランスから電撃を放ったライデンをガロスが睨むと、地面から蔦が伸びて来て、ガロスに巻き付き動きを封じる。

 ライデンの後ろには、フィーズに肩を借りているレイフと、その隣にスチアがいる。


わたくしも、頑張ります」

「僕もです」

「オラもまだまだいけるだぁ」


 皆が立ち上がって、まだ戦えることが分かると、思わず嬉しくなり笑ってしまう。


「相手は強いけど……皆となら!」

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