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エレメンターズ  作者: 至田真一
ウェアークでの激突
172/203

ウェアークの戦い②

 エレメントライン状態のライデンがサンダーランスから電撃を放つと、フリューは稲妻になって躱し、ライデンの背後に回り込んだ。

 だが、フリューが稲妻になったお陰で、背後に移動した事が読めたライデンは、背後に向かってサンダーランスを振り回すと、フリューの脇腹に命中した。


「そうだった。君、雷の動きを読めるんだった」

「ああ。最初の頃は不意を突かれて分かんなかったが、今なら分かる!」

「んー。これは、あんまり雷にならない方が良いかも」


 起き上がったフリューは稲妻の槍を向けると、槍が伸びて穂先がライデンに迫ると、サンダーランスの柄で受け流した。


「危ねぇ、伸びんのかよ」


 ライデンが焦ると、フリューの稲妻の槍が鞭の様に撓り、ライデンに向かって振り下ろすと、ライデンは横に跳んで躱した。


「変幻自在かよぉ。まぁ稲妻で出来てるんなら当然か」

「勿論。こんな事も出来るから」


 フリューが稲妻の鞭を上に向けると、鞭が無数に枝分かれし振り下ろした。


「うぇぇぇっ!?」


 鞭の多さに避ける事も防ぐ事も出来ないライデンは、サンダーランスの穂先に雷を集中させると、声を上げながら薙ぎ払うと、自分の辺りに振り下りてきた鞭を弾き返した。


「へぇー、やるね。じゃあ次」

「はぁ!? 次!?」


 フリューの稲妻の鞭の先端が槍の様に尖ると、一斉にライデンの方を向き、先端から稲妻の矢が放たれた。


「うおわぁぁぁぁぁぁぁ!?」


――――――――――――――――――――


 町の一画にある凍りついた通りの中央付近では、エレメントライン状態のフィーズと氷の人造エレメンター・ルーゴンが戦っていた。

 辺りは凍りついているせいで、その一帯の気温が低く、フィーズは呼吸をする度に白い息を吐く。


「どうしました? 寒いのですか?」

「いいえ。まだ故郷の村の方が寒いですよ」


 ルーゴンが辺りを見渡すと、「十分凍ってますね」と呟き、フィーズが首を傾げると、ルーゴンが指を鳴らした。

 すると、周囲の凍った建物の壁から凍りの棘が生え、ルーゴンが手を前に伸ばすと、棘が一斉にフィーズに向かって放たれた。


「っ!? はぁぁぁっ!!」


 フィーズは凍った地面に触れると、氷のドームで自信を覆い、氷の棘を防いだ。


「いつまで持ちますか?」


 氷の棘が無制限に放たれ続け、氷のドームがひび割れだした。


「っ……このままでは……」

(……っ! これは!)


 フィーズは何かに気付くと、氷のドームのひびが広がり、遂にドームが崩れると氷の棘が一斉に襲い掛かり煙が上がった。

 煙が晴れ、ルーゴンは目を向けると、そこには氷の棘で串刺しなっていたフィーズが立っていた。


「終わりですね。これで」


 眼鏡を上げたルーゴンは歩み寄ると目を見開かせる。

 そこで串刺しにされ立っていたのは、フィーズではなく、フィーズの氷像だった。


「なっ。まさかあの一瞬で? 一体何処に?」


 ルーゴンは辺りを見渡しフィーズを探すと、気配を感じて空を見上げた瞬間、氷の矢が飛んできて、ルーゴンの頭を貫いた。

 地面に下り立ったフィーズは一息ついた。


「間一髪でした。上手くいって良かったです」


 氷のドームで氷の棘を防いでいた時、真上から氷の棘が飛んで来ていない事に気付いたフィーズは、ドームが崩れる直前、身代わりの自分の氷像を作ると、崩れた瞬間冷気で真上に飛んで氷の棘を回避し、その隙にフリーズボウから放った氷の矢でルーゴンの頭を射抜いた。


「中々やりますね」


 頭を射抜かれたはずのルーゴンがフィーズに目を向けると、頭の穴が氷で塞がれていった。


「これでも倒れませんか」

「私がこの程度の氷でやられるとお思いですか? 私自身が氷であり、あなたの氷より強力なのですから」

「まだあなたを倒すには力不足でしたか」


 ルーゴンが手から無数の氷の矢を放つと、フィーズは氷の壁を作って防いだ。


――――――――――――――――――――


「はぁ……はぁ……」


 屋根の上で戦っているビトは息を切らしていた。


「何だ? もうへばったのか?」

「くそ! 体力が無限だからって調子に乗っちゃって!」


 息を整えて構えたビトは、メジュウへ向かって走った。

 ジャンプしてビーストクローを振り下ろすと、メジュウは右手で防ぎビトを蹴り上げた。

 メジュウはビトの頭上まで跳ぶと、両手を合わせてビトに向かって振り下ろす。

 するとビトは、命中する寸前に体を回転させメジュウの拳を掴んだ。


「何!?」


 回転の勢いを利用して、ビトは逆にメジュウを地上へ向けて投げ飛ばし、地面に叩きつけた。


「へへーん、どうだ!?」

「ん~。悪くねぇが、俺を倒すには全然足りねぇな」

「やっぱ効かないか」

(痛みが感じないから厄介だなぁ。ダメージを与えたくても、こいつ速いんだよなぁ)

「次は当てるぞ!」


 メジュウが目の前まで距離を詰めると爪を振りかざし、ビトは飛び退いて躱すと、建物の壁に足を着けて蹴り、メジュウに向かって飛び蹴りを放つと、メジュウが突き出した拳とぶつかり距離を取った。


「ハッ! そんなへなちょこな蹴りが俺に効くと……ん?」


 メジュウは自分の右手を見ると、小さく震えている事に気付いた。


(何だこれは? ……まさか、痺れてるのか?)


 右手の痺れに気を取られているメジュウの懐にビトが潜り込むと、ビーストクローで上に向かって切り裂くと、続けてメジュウの腹を刺した。


「どうしたの~? 僕のへなちょこの蹴りは効かないんじゃなかったの~?」

「コノヤロォォォ!!」

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