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エレメンターズ  作者: 至田真一
最後の一本
162/203

洞窟の戦い②

 川から上がったエン、ビト、アルツ、スチアは手がかりも無く洞窟を進んでいた。


「もう結構歩いたはずだが、誰にも会う気配が無いな」

「この洞窟の全体図とか分かんないからね。奥に進んでるのか入り口に戻ってるのかも分からないもんね」

「うへぇ~。戻るのは嫌だだぁ」


 四人はただひたすら歩き続けると、少し広い場所に出た。

 更に奥へ続く道が見え行こうとすると、アルツが足を止めた。


「どした?」

「この気配……上だ!」


 アルツに続いて三人は天井を見上げると、天井から巨大な土の手が地面に向かって伸びてきて手を広げると、手の中から人造エレメンターのアスルモス、メジュウ、マーフェが現れると、土の手が伸びていた天井からグラデが出てきた。


「ちっ。やっぱり来てたか」

「既に他の奴等の所にも送ってある。テメェ等に時の短剣を渡す訳にはいかねぇからな」

「それはこっちの台詞だ! スカイダムじゃあ不覚を取ったが、今度はそうはいかねぇ!!」

「だといいな!」


 人造エレメンター達が構えると、エン達はエレメントラインを出して立ち向かった。


――――――――――――――――――――


「おらぁぁぁ!!」


 ウィドが放った風の刃とズーパが放った風の刃が空中でぶつかり合う。


「何度も何度も邪魔しやがって!」

「俺達は敵同士。当然だ」


 空中でウィドとズーパが戦っている一方、地上ではライデン、フィーズ、厚、大貴、楓華、玲がフリュー、ルーゴン、スパーダ、イセクと戦っていた。


「あのミニドラゴンと機械メイド、それと少女を一人先に行かせちゃったけど、まぁ問題無いかな」

「優秀なクロエと知識豊富なジーリュを甘く見るなよ。林子は……まぁ大丈夫だ!」

「あの少女だけは大したこと無いみたいだね」


 戦う術を持たない林子をライデンは少し心配するが、クロエとジーリュが一緒だから大丈夫と自分に言い聞かせる。

 ライデンはサンダーランスを構えて走りだし、フリューは雷の槍を手に持ちお互いの槍がぶつかり合うと雷が周囲に走った。


「うわっ!? 雷……ライデンですか」

「フリューめ。もう少し周りに気を配ってほしいものです」


 ルーゴンは眼鏡を上げるとフィーズの方へ顔を向き直し、手から氷柱を放つと、フィーズは氷の盾を作り氷柱を防ぐと、フリーズボウで氷の矢を三本放った。


「貴方の氷など効きません」


 ルーゴンが手から冷気を放ち氷の矢を凍らせた。


「対策はしていますよ!」

「?」


 ルーゴンが不思議そうな顔をすると、凍らされた氷の矢が弾けてルーゴンに向かって小さな氷の矢が降り注いだ。


「何っ!?」


 ルーゴンは飛び退いて氷の矢の雨を避けるが、氷の矢が一本右足に刺さっていた。


「対策とはこれですか。確かこれでは凍らせづらくなりそうですね」


――――――――――――――――――――


 レインは無数の水の玉を放つと、ラペーナはそれらを全て躱しレインに近づくとナイフを振り下ろし、レインは大海の杖で防いだ。


(なんて力。ただ変身が得意ってだけじゃないわね)

「意外と私が強くて驚いてるわね。当然私達は全員戦闘能力が高くなるように生み出されたからね」


 ラペーナは笑い、レインと鍔競り合いが続くと、レインはラペーナを蹴り飛ばした。


「脚癖悪いわね。スカートの中が見えるわよ?」

「アンタが男なら嫌だけど女だから別にいいのよ。それにそんな事を気にしてたら勝てないじゃない」

「ふーん。まぁ別にいいわ。クロース様が時の短剣を手に入れるまで足止めさせてもらうわ」


 ラペーナは再びナイフを振り下ろすと、レインは飛び退いて躱し、大海の杖から水の鞭を伸ばすとラペーナの足元に向かって振り下ろし水しぶきを上げる。


「目くらましのつもり? こんなので……」


 レインは大海の杖を前に突き出すと、水しぶきを操ってラペーナの周りに水の壁を作る。


「こっちが本命? 出てきた所を斬りつければいいだけ」

「やれるものならやってみなさい!」


 大海の杖を向けると、水の壁から無数の水の玉が飛びラペーナに命中した。


「ううっ!! これが狙い? でもこの程度じゃ倒れな――」

「狙いはこっちよ!」


 レインは大海の杖の先端から水の剣を伸ばすと、ラペーナのナイフに向かって振り下ろし、ナイフの刀身を砕いた。


「狙いはナイフ!?」

「これで武器は無くなったでしょ!」


 レインは大海の杖か再び水の鞭を伸ばしラペーナに向かって振りかざした。

 すると、背後から水の手が伸びてきて、大海の杖を持っている右腕を掴んだ。


「っ!?」


 レインは呆気に取られて動きが止まると、更に三つの水の手が伸びてきてレインの左腕、両脚を掴み宙に持ち上げた。


「つっかま~えた♪」


 背後の水面から水が伸びてくると、楽し気な表情をしたレヴィアータの顔が浮かび上がった。

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