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エレメンターズ  作者: 至田真一
空の激闘
146/203

増える侵入者

 朝、目を覚まして横を見ると、いつも通りレインが寝ていた。

 体を起こすと、丁度レインも目を覚ました。


「おはよう、勇也」

「おはよう」


 起きたレインは体を起こすと、何故かレインは体を震わせ両腕を掴む。


「どうした?」

「分かんない。急に寒気みたいなのを感じて……」


 寒気? 今はそんなに寒く無いけど。


「大丈夫? 寒いの?」

「ううん、そうじゃないの。なんか、嫌な感じがした……様な気がして……」


 自分の腕を摩るレインの頭に、俺は手を乗せた。


「大丈夫。何があっても俺が守るから」

「うん……」


 安心したのか、レインは俺に寄りかかった。


「ほら。もう朝食の時間だから行こう」

「ええ」


 俺達はベッドから下りてダイニングに行こうとすると、俺は何かに気付き足を止めた。


「どうしたの?」

「……いや、何でもない」

(気のせいか? なんか絨毯が湿ってた様な気がしたけど)


 少し疑問に思いながらも、俺達は部屋を出てダイニングに向かった。


――――――――――――――――――――


「ふわぁ~……」


 勇也達が屋敷の庭で特訓をしている中、庭の隅で水になってエレメンターの監視をしているレヴィアータは退屈そうに欠伸をする。


(ここに侵入してもう四日。なんの進展も無いじゃない。もう監視も飽きてきたわ~)


 エレメンターが入手した時の短剣の情報を得るために、屋敷に侵入したレヴィアータだが、全く進展が無く、監視に飽きていた。

 そんな中、休憩中の勇也と楽しそうに話をしているレインをレヴィアータはジッと見ていた。


(ああ……本当に良い体。この四日間、眺めるだけでずっと我慢してきたけど、もう今夜襲っちゃおうかしら。でもどうせあの坊やと一緒に寝るわよね~)


 レヴィアータは諦めようかと思うと、ある事を思いつきにやけだす。


(そうだ。あの坊やの目の前で凌辱するのも良さそうね。彼氏に見られながら他の女に凌辱される……どんな顔するのかしら。ああ……想像しただけで……)

「ふふ。ふへへへっ……」

「何ニヤけてんだお前。気持ち悪ぃな」


 レヴィアータがバッと振り向くと、体を土にし、頭だけを出している土の人造エレメンター・グラデがいた。


「グ、グラデ!? アンタ何でいるのよ!?」

「全く情報が来ねぇから様子を見て来いってクローク様に言われたんだよ。ついでにペルセネもいるぞ」

「ついでとは酷いわね」


 近くの木の幹の一部が膨れると、女性の上半身の形になり、草の人造エレメンター・ペルセネが姿を現した。


「悪かったわね。しょうがないじゃない~、だってエレメンターの奴等、全然場所掴まないんだもの~」

「チッ! 奴等の情報網も大したことねぇな」

「ホント。だから水のエレメンターのあの子の事を考えちゃうわ~。初めて見た時から、辱め甲斐のある体だと思ったのよ~」

「分かるわぁその気持ち。私も草のエレメンターを見た時キュンとしちゃったわ。一目惚れってやつかしら? あの子もコレクションに加えたいわぁ」

(怖ぇなコイツ等)


 レヴィアータとペルセネの会話に、グラデは若干引いていた。


――――――――――――――――――――


「うおぉぉぉ!!」


 俺は手から光の玉を放ち、アルツが作った土の壁に当てると半分程崩れ、崩れた分をアルツが修復した。

 エレメントラインを伸ばすには、エレメントをどんどん使って力を上げていくしかない。

 だから、アルツの土の壁を的にして当てていき、崩れたらその度にアルツが修復の為に土のエレメントを使うから、アルツにとってもいい特訓になる。


「ふぅ……まだジーリュ達は戻ってこないのか」


 時の短剣の情報を得るために、ジーリュ、ヒレア、小森先生が、リューラの青龍に乗ってウィスダルムの叡智図書館へ向かい、もう四日経った。

 あれほどの量の本なら、確かに情報は得られそうだけど、時間もかかるよな。

 この間にも、きっとクロークは良からぬことを企んでいる。

 何か情報を持って帰ってくることを願って、俺は特訓を再開する。


――――――――――――――――――――


「お主等ー!! 時の短剣の場所を掴んだぞー!!」


 次の日の昼過ぎ頃、庭で特訓をしているとウィスダルムへ行っていたジーリュ達が戻ってきて、ジーリュが声を上げながらやって来た。


「本当ですか!?」

「うむ。残念ながら残り二本の内一本だけじゃが、場所は掴んだぞ」

「それで、何処にあんだ?」


 ウィドが訊ねると、ジーリュは前脚で真上を指した。


「空じゃ!」

『は?』

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