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エレメンターズ  作者: 至田真一
最強の存在
141/203

脅威の人造エレメンター③

 空中ではウィドが、逆立った黒と緑の髪をした風の人造エレメンター・ズーパと空中戦を繰り広げていた。

 ウィドは風の刃とハリケーンブーメランを放つが、ズーパに次々と避けられる。

 命中したと思っても、それは残像だったりした。


「くそっ、速ぇな!」


 ウィドはエレメントラインを出して速度と風の威力を上げた。


「お、速くなった」


 少し嬉しそうなズーパに向かってウィドは風の刃を放つ。

 風の刃が命中する直前、ズーパが消えたと思いきや、ウィドの背後に現れ、手から放った風でウィドを地上に叩き落とす。


「ぐはっ!!」

「速くなっても、まだまだ俺より遅いな。ちなみにまだ俺はまだ全速じゃないぞ」

「この野郎っ……舐めんじゃねぇ!」


 ウィドはハリケーンブーメランを投げるが、躱されズーパは地面に下りた。


「そろそろ俺も攻撃するか」


 ズーパの言葉にウィドは警戒すると、ズーパが放った無数の風の刃に気付けばウィドは切り刻まれ、気を失ったウィドからエレメントラインが消えて倒れる。


――――――――――――――――――――


 ミスクは王城の宝物庫から箱を盗んだ煙の人造エレメンター・テスカと戦い、互いの上段蹴りがぶつかり合うと、ミスクは「うっ」と痛みを感じた。

 テスカの回し蹴りをミスクは煙になって受け流すが、テスカは手を煙に変えて煙になったミスクを掴んだ。


「なっ!?」


 ミスクを掴んだテスカは地面に叩きつけると、煙から戻ったミスクは地面を転がった。


「煙を掴めるって、そんなのあり?」


 テスカは手を戻すと、今度は両脚を煙に変えて飛び上がると、脚の煙が形を変え、無数の脚が生えた様な形になると蹴りの雨が降り注いできた。

 ミスクは煙になって蹴りの雨を避けて行こうとすると、一発の蹴りが煙になったミスクに当たり「があっ!」と声が出る。


「貴女は煙になってもアタシにとっては意味は無い」

「そうみたいね。こんなの初めて」


 ミスクは起き上がるとエレメントラインを出した。


「通じるか分からないけど、これしか手が無いからね」


 ミスクは走りだしジャンプすると、テスカに向かって踵落としを当てるとテスカは真っ二つに割れたが、煙ですぐに元に戻った。


「残念、あなたの攻撃は通じないわ」

「やっぱり駄目か。コイツの攻撃は通って私の攻撃は通じないってズルくない?」


 自分と相手の性能の違いにミスクは歯を食いしばる。


「違うのはそれだけじゃないわよ」


 テスカは両腕を煙に変えると、煙の色が紫に変わりミスクに向かって伸ばしミスクを包む。


「何このけむ……うっ!」


 突如息苦しくなったミスクは首元を押さえると、膝を着きエレメントラインが消えた。


「アンタと違って、アタシは煙の性質を変えることが出来る」

「性質……まさかこの煙……」

「そう。この煙は毒。致死性は無いけれど、アンタを倒すには十分」


 毒の煙にミスクは苦しめられ、体も思うように動かせず、やがて意識が無くなり倒れる。


――――――――――――――――――――


 レイフは無数の葉を生み出し放つと、手足を拘束するイバラを切り落とした。


「あら~切られちゃった~」


 軽い感じで草の人造エレメンター・ペルセネが言うと、レイフは葉をペルセネに向かって放ち、ペルセネの右手が切れ落ちた。


「あらやだ~、意外と大胆な事するわね~」

「貴女は色んな人を殺したんです。それぐらいの事をされて当然です」


 レイフの言葉にペルセネがニヤリと笑うと、右腕の断面から木の根が生えて右手が再生した。


「そんな……」


 驚くレイフを尻目に、ペルセネの周りの地面から食人植物の様な口が付いた無数の蔦が生える。

 その姿にレイフは一瞬恐怖を感じるが、負けじと地面から蔦を伸ばすが、ペルセネの蔦に噛みちぎられ、ペルセネのイバラにまた手足が絡めとられた。

 レイフは再び葉で切ろうとするが今度は何故か切れなかった。


「前のよりちょっと丈夫なイバラよ~。じゃあまだ行くわよ~」


 再び無数のイバラを伸ばすと、レイフはエレメントラインを出して葉のバリアでイバラを防ごうとするが、突き破られてしまい、全身にイバラが巻き付きレイフを締め上げる。


「あああああああ!!」


 締め付けによる痛みと肌に刺さるイバラの棘の痛みでレイフは悲鳴を上げ、棘が刺さった所から血が流れ出した。


「ううっ! あっ、ああ……」


 流血と痛みで次第にレイフの力が抜けていき、神木の杖を離してしまうと気を失いエレメントラインが消えた。


――――――――――――――――――――


「んだぁぁぁ!」


 スチアはガントレット化させたメタルグローブでスキンヘッドの鉄の人造エレメンター・マーフェの顔を殴る。


「うっ! 痛ぇぇぇ!!」


 スチアは右手を押さえる一方で、マーフェは殴られた所を指で掻いた。


「どんだけ硬いんだべ、コイツ!?」

「オレ、オマエヨリ、カタイ」


 スチアはエレメントラインを出して強度を上げると、右手に力を集中してマーフェの腹を殴った。

 ……だがそれでも聞かず、逆にスチアのガントレットにヒビが入った。


「これでも駄目なんだべか!?」

「オレ、マダ、カタクナレル。ツギ、オレ」


 マーフェが右手で殴りかかると、スチアは両腕を交差して防御するが、マーフェの拳が当たりスチアの両腕からビキッと骨が折れる音が鳴るとスチアは吹き飛び建造物に当たり、エレメントラインが消えて瓦礫に埋もれた。


――――――――――――――――――――


 リューラの刀と、龍の人造エレメンター・ディーテの剣がぶつかり合い金属音が鳴り響くと、お互いの刀と剣がぶつかって鍔競り合いが起きる。


「ドラング山脈のドラゴンを襲ったのはお前か!?」

「如何にも。我はこの世のドラゴン達の中で一番強くなければならない」

「そんな事の為に……! ジーリュの故郷の為、ドラゴンプレートを授けてくれた恩の為、貴様を斬る!」


 リューラは龍の角、翼、尻尾を生やし刀を振るうが、ディーテに軽々と弾き返されてしまう。

 歯を食いしばるリューラに、ディーテは剣の腹でリューラを吹き飛ばす。


「うぐっ! やはり、以前襲ってきた時に比べて強さが段違いだ。それほどあの時は手を抜いていたんだな」

「あの時は今の貴殿の実力を試してみたかった。まぁ、エレメンターとは接触するなと言われていたから、あの後クローク様に怒られたがな」

「ならば、今の全力を見せてやろう」


 リューラがエレメントラインを出すと、それに応えるようにディーテは龍の角、翼、尻尾を生やした。リューラと違って刺々しい見た目だ。

 リューラは刀を構えると、地面を蹴ってディーテに迫る。

 刀を振り下ろし当たる寸前、ディーテの姿が消えて動揺すると、いつの間にか背後におり振り向こうとすると、リューラの腹に大きな切り傷が出来て血が飛び出た。


「がはっ!!」


 吐血したリューラは膝から倒れ、エレメントラインが消えた。

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