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エレメンターズ  作者: 至田真一
王立学園の怪事件
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王立学園

 生徒が失踪する怪事件の調査に来た俺達は、調査の為に王立学園の制服を渡されて空き教室で着替えた。


「皆さん、サイズはどうですか?」

「男子の方は大丈夫です」


 この学園の制服は緑のブレザーに赤のネクタイ。白のワイシャツに緑のズボンだ。

 俺が通ってた高校もブレザーだったからちょっと落ち着く……けど。


「違う学校の制服を着るって何か変な気分だね」

「確かにな」


 厚の言葉に思わず同意した。

 そう言えば俺達は18だから今は高三。一応まだ高校生なんだ。

 エンとウィドは一つ上だから19だけど、ギリギリ大丈夫かな。


(……年齢で思ったけど、確かリューラは――)

「お待たせー」


 声が聞こえた方を振り向くと、制服に着替え終えた女子達がやって来た。

 女子の制服は緑のブレザーと白のワイシャツは同じで、違うのは赤のリボンと緑のスカートだ。


「女性の皆さん、サイズは大丈夫ですか?」

「はい。大丈夫です」


 美奈がそう答える一方、レインとリューラがなんだか落ち着かない様子に見える。


「どうしたのレイン? サイズ合ってない?」

「ううん。ただ胸の所がキツいだけ。他は大丈夫なんだけど」

「あ……そう……」


 レインっぽい悩みと言うか、なんと言うか。

 ……って言うか美奈の方から凄い圧と言うか視線を感じる。


「それで、リューラはどうしたんだ?」

「いや。あまりこういう服は着慣れてないだけで落ち着かないだけだ」


 いつも和服だもんな。

 すると後ろから美奈が指で突いた。


「何?」

「別に大した事じゃないんだけど、リューラって年齢的に大丈夫なのかな?」

「正しく俺もそう思っていた」


 リューラは俺より二つ年上。つまり20歳だ。地球だと大学二年生ぐらい。

 この学園の生徒は高校生と同じ年齢だからちょっと厳しい……か?


「まぁ調査だし、そんな事は気にしなくて良いかもな」

「そうよ。器が小さいわねあんた」

「はぁ?」


 レインと美奈は睨み合う。だから喧嘩は止めてよ。


「ではお主等。ワシとヒレア、林子殿で教員。お主らは生徒から情報を得る……良いな?」

「ああ、分かってる」


 失踪事件を調べる為にジーリュ、ヒレア、クロエ、小森先生が教員から。そして俺達は生徒から情報を聴く事にした。


「それでは私はジーリュさん達に案内を致しますので、皆さんは彼女が案内を致します」


 メーダ教頭が振り返った先には一人の女子生徒がいた。


「ご紹介します。私の娘で、学園の生徒会長をしているメクです」

「メクと申します。今回は失踪事件の調査に来ていただきありがとうございます」

「それでは、後はお願いします」

「分かりました、お母……教頭先生」


 メーダ教頭はジーリュ達と共に教員室の方へ向かった。


「ではエレメンターの皆さん、学園にいらっしゃる間は学生寮をご利用ください。案内します」


 俺達はメク生徒会長について行き校舎を出ると、校内の端っこの方にある一階建ての建物を挟んだ三階建ての建物の三つの並んでいる建物の前に来た。


「右の建物が男子寮、左の建物が女子寮、真ん中の建物が寮の共有食堂です」

「男の子と女の子で寮違うんだ……」


 あからさまに落ち込まないでよレイン。俺達は調査に来たんだからね。

 その後、メク生徒会長から校舎を案内され、大体の教室の場所が分かった。


「案内は以上です。何か質問はありますか?」

「それなら、今回の事件で生徒会長は何か気になる事でもある?」

「気になる事……ですか」


 メク生徒会長は俯いて口元に手を当てて考え込む。


「関係あるかどうか分かりませんが、今回の事件が起きる前、問題を起こす生徒が増えた気がするんです」

「問題児が増えたって事かな?」

「そうじゃねぇのか?」

「どうしてなのか分かる?」

「いえ、分かりません」


 急に問題児が増えて、そしてその問題児が失踪する事件が起きた。

 問題児が増えた理由が、失踪事件の解決の鍵になるかも。


「私は生徒会室に戻ります。失踪事件の調査お願いします」


 メク生徒会長は頭を下げるとその場を後にした。


「……で、何処から調べる?」

「そうだなぁ。まず本当に急に生徒がいなくなるのか分かんねぇもんな。実際に起きない限り」

「だが、次に誰がいなくなるのか分からないから護衛とかは出来ないぞ」

「そうですね。今日は一旦ジーリュ達と合流し、きちんとした調査は明日からにしませんか?」

「さんせーい。僕なんかこの格好落ち着かない」


 ビトは制服が嫌みたいだ。

 俺と厚、美奈、大貴、風間、氷室の地球組は制服を着慣れていたから落ち着かない訳じゃ無いけど、他の皆は着慣れてないだろうしな。


「じゃあジーリュ達と合流して、その後は寮で休もうか」

「寮と言えば……部屋はどうしますか? 確か一部屋二人と聞きましたが」

「あ。部屋割りも決めないと駄目か」


 俺達はジーリュ達と合流する前に、寮の部屋割りをじゃんけんで決めた。

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