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エレメンターズ  作者: 至田真一
番外編 エレメンターの休息
120/203

クロエの新機能

今回の話は封印獣と戦う少し前の話です。

「ん~~……」

「何してんのライデン?」


 屋敷のリビングでライデンがペンを持って紙と睨めっこしていた。


「勇也か。今クロエの新機能を考えてるんだ」

「クロエの新機能?」


 クロエは出来たばかりの頃に比べてかなり機能は増えている。

 最初の頃は、手が砲と短剣に変わったり、指から紅茶を出したり、足からジェット噴射を出して空を飛んだりしていた。

 最近完成させた通話機で通話も可能になった。

 ちなみにそのクロエは現在買い出しで出かけている。


「このパーツもあるから、なんかエレメントの力を使った新機能を考えたいんだよな」


 ライデンが見せたのは、フィーズの義手に使われているエネージ鉱石を利用したパーツだ。

 そのパーツにエンの火やライデンの雷を溜めているおかげで、手の砲から火や雷を撃つことが出来る。他にもレインの水やフィーズの冷気も撃つことが出来る。


「今でも十分すごいと思うけど、これからの事を考えるとあった方が良いのかも知れないな」

「だろ? 何かないか?」


 新機能……と言われても、どういうのが良いかな?

 考えていると、俺達の元にレインがやって来た。


「何してるの?二人共」

「レイン。ライデンがクロエの新機能を考えてたから一緒に考えてるんだ」

「クロエの?」

「うん。今後の事も考えてさ、レインも一緒に考えてくれないかな?」

「良いわよ。今日は特に予定無いし」


 レインも一緒に新機能を考えてくれるが、俺とレインはあんまり機械の知識は無いし、そもそもこの世界の機械技術もよくわからないからどこまで出来るのかわからない。


「まずどういうのが良いんだ? 生活に役に立つ機能か、戦闘に役に立つ機能か」

「どっちでも良いんだけど……どっちかに絞った方が良いかな?」

「別にどっちかに絞る必要は無いんだけど、ただ思いつかなくて」

「やっぱりか……。もっと他の皆にも聞いてみるか」

「その方が良いかもな。俺とレインだけじゃ思い浮かばないし」


 俺達は相談の為に他の皆に順番に聞きに行った。


――――――――――――――――――――


「クロエの新機能?」


 まず最初に厚、美奈、大貴、風間、氷室、小森先生の地球組に相談した。


「今でも充分すごいと思うよ。メイドロボットってだけで」

「まぁそうなんだけど、ライデンが機能を増やしたいらしくて」

「なんか無いか?」

「そないな事急に言われても思いつけへんで」


 やっぱり急じゃ思いつかないか。

 それに思いついてもその機能が実現可能かどうかも大事だしな。


「ロボットといったら、やっぱり思いつくのはロケットパンチかな?」

「何だよロケットパンチって?」

「手が取れて相手を殴るっていう、私達の世界じゃよく見るロボットの技だよ」

「でもクロエのイメージ的に合わなくね?」

「第一、手が取れるのは俺としては困るな」

「駄目か~」


 風間はちょっと残念そうに頭に手を乗せる。


「俺も思い浮かばねぇし、無理に増やさなくて良いんじゃね?」

「そうは言ってもな~」

「私も思いつきません。お力になれずすみません」

「大丈夫ですよ先生。しょうがないから他の皆にも聞いてみよう」

「そうだな……」


――――――――――――――――――――


 その後もエン、アルツ、フィーズ、ウィド、スチアにも相談したが特に何も得られず、今度はリューラ、ミスク、ビト、レイフに聞いてみた。


「クロエの新機能ねぇ。……知らないわよ」

「そんな冷たく言わないでくれよ。って言うか考えて無いだろ」

「思いつかないもんは思いつかないのよ」

「エレメントを使った機能でしたっけ?」

「そうそう。なんかあるか?」


 レイフが口元に手を当てて考えている。


「流石にミスクさんの様に煙になったり、ビトさんの様に動物の力を纏えたりは出来ませんよね」

「それは無理だって。あ、でも煙を出すとかな出来るか?」

「もし出来るんなら、相手の目くらましとかに使えるんじゃない?」

「それなら良いかも」

「じゃあそれは有りとして、他になんか無いか?」


 ライデンはメモした後聞き出す。


「もうリューラみたいに口から火を出すで良いんじゃない?」

「もう手から火を出せるっつーの」

「口から火を吐くクロエはなんだか嫌だな」

「そうですわね」


 確かに似合わない。

 もうビト適当すぎだろそのアイデ……ア……。


「なぁライデン。ビトみたいに動物の力を纏うのは無理だけど、動物の言葉が分かるようになることは出来ないかな?」

「動物の言葉か……。それは便利だな」

「確かに。僕がいない時とかに良いんじゃない?」

「そうだな。意外と動物から思いがけない情報を得られる可能性もあるしな」

「よし! その二つを検討してみるか!」


 その後、ミスクとビトの協力で二つの機能を得たクロエは、煙を出す事には成功したが、動物の言葉の翻訳は完全とはいかず、文章ではなく単語でしか翻訳出来なかった。

 ライデンは「改良の余地があるな」と意気込んでいた。

次回から本編に戻ります。

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