表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エレメンターズ  作者: 至田真一
先代エレメンター
110/202

セアノ王国の王都

 あれから一週間後、俺達はライトドラゴン、青龍、フェニックス、スカイイーグルに乗って王都に向かっていた。


「王都に行くのはあの日以来じゃ」

「あの日?」

「お主がこの世界に来るという予言を聞いた日じゃ」


 あの予言か。

 先代のエレメンターの仲間の一人の預言者が、光のエレメントを受け継いだ少年が別の世界から来る、という予言から20年後、俺はこの世界にやって来た。

 俺がこの世界に来て一年経ったから、もう21年前の話なんだよな。一年経つの早いなぁ。


「わざわざ国王様が私達に会いたいなんてね」

「まぁ、それほどの事をしたと思えば良いんじゃない? ジーリュは国王様に会ったことはあるの?」

「うむ、あるぞ。先代の時代に……あ、そう言えば五年程前に王位を王子が継承したと聞いたから、現国王にはまだ会ったこと無いのう」


 じゃあ、一応皆初めて会うって事かな。

 王様に会うのはクラント王国で一応あるけど、初めて会う王様には流石に緊張するな。

 そう言えば、この国の名前ってセアノ王国って言うんだ。


「見えたぞ、王都じゃ」


 ジーリュの言葉に視線を前に向けると、奥に赤い屋根の大きな城がある、セアノ王国の王都が見えた。

 セアノ王国は大国らしいから、王都が結構大きい。

 王都の入り口の少し前に下り召喚獣から降りると召喚獣を戻し、入り口で身分を証明した後、王都の中に入る。

 やっぱり王都だけあって建物も大きいし人も多い。

 見とれてる場合じゃなく、俺達は城に向かって王都の中を歩く。

 しばらく歩いていると、王都の中央にある大きな広場に出た。


「懐かしいのう、この広場」

「何か思い入れでもあるの?」

「少しな。先代のエレメンターと共に魔王の居城がある島から皆を背に乗せて戻って来た時、あの戦いでワシは力を使いすぎたせいでこの広場に落ちてしまってな。その後にワシは今の様に小さくなってしまったんじゃ」

「……そういやぁ爺さんって元々デカかったんだよな」

「忘れておったのか!?」


 エンの言葉にジーリュはツッコんだ。


「だってよぉ、俺等が初めて会った時には爺さんすでに小さかったじゃねぇか」

「六年前なんじゃから当然じゃ。昔は大きかったし、人間の姿もナイスガイじゃぞ」


 そう言えばドラゴンって人間の姿にもなれるんだったな。

 ジーリュの人間の姿ってどんなんだったんだろう? あんま想像できない。

 広場を通り抜け俺達は城の前にやって来た。


「近くで見るとやっぱりデカいな」

「王様の城だしね」

「お待ちしていました、エレメンターの皆さん」


 城の扉の前に立っている騎士の男性が俺達に挨拶を来ると、俺の頭の上のジーリュがその騎士をジッと見る。


「お主、ラースか?」

「はい。久しぶりですね、ジーリュ殿」

「知り合い?」

「うむ。こやつはラースと言ってこの国の騎士でな、先代のエレメンター仲間でもあったんじゃ」

「そうなんですか?」

「はい。新人騎士だった私は王都を訪れていた先代のエレメンターと当時の騎士団長にお願いをして仲間に入れてもらったんです。お陰で、今は騎士団長を務めています」

「おぉ、そうなのか」

「陛下がお待ちです、こちらへ」


 ラースさんに案内され、俺達は城の中に入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ