激突、デスキメラ①
リューラ、グレス、クロエ、そして地球組を背に乗せた青龍が町の入り口の方へ飛び地面に下りるとグレスと地球組とクロエは青龍の背から降り、避難誘導をしているギルドの職員の元へ向かう。
「スマン、遅くなった! 状況は!?」
「はい。現在、町の住民を冒険者と協力し町の外へ避難させていますが、まだ避難出来ていない人が多数……!」
「分かった。俺は避難出来ていない住民を探しに行く」
「僕達も行きます」
「ああ、デスキメラの攻撃に注意しろよ!」
グレスは厚、大貴、美奈と共に住民を探しに行き、楓華、玲、林子、クロエは残り住民の避難誘導を手伝う。
「今回は流石に私達は一緒に戦えないかぁ」
「そらそうや。あないなバケモン、うちらが加勢したところで足手まといや」
林子はデスキメラと戦う勇也達を見て心配そうに手を合わせる。
「皆さん、どうかお気を付けて下さい」
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「くらえっ!」
俺はエレメントラインを出し、ライトカリバーから放った光の光線とライトドラゴンが吐いた光線を合わせると、デスキメラは左腕の鋏で防ぎ弾いた。
続けてエンがフレイムソードから放った熱線とフェニックスが吐く火球をデスキメラに当てていくが、デスキメラは物ともせず、頭の魔海龍の角から出てきた複数の水の玉から水のレーザーを放ち、エンが乗ったフェニックスは避けて距離を取る。
「これならどうだぁ!!」
スカイイーグルに乗ったウィドが強風を纏わせたハリケーンブーメランを投げるが、デスキメラの右腕の鎌にはじき返されてしまう。
「ちっ!」
「てやぁぁぁ!!」
今度はデスキメラの頭上からリューラが刀を振り下ろすが弾かれた。
「くっ! うあっ!?」
デスキメラは顔を思いっきり上に振り、顔の上に乗ったリューラを放り投げると、リューラは青龍の背に乗った。
デスキメラは青龍を目で追い、口をから炎のブレスを吐こうとすると、足元でレイフとウッドディールが地面から蔦と木の根を伸ばしデスキメラの右前脚に巻き付け、フィーズとアイスベアーが冷気で左前脚を凍らせる。
「チッ!」
デスキメラは舌打ちすると、右前脚を上げて蔦と木の根を引きちぎり、続けて左前脚を上げて氷を砕き炎のブレスで足元を薙ぎ払うと、フィーズとレイフは召喚獣に乗って退避した。
「小賢しい奴らだ!」
赤く光った額のマグマオロチの角から炎の玉を空に向けて放つと、上空で炎の玉が弾けて無数の炎が降り注ぐ。
「これはマグマオロチの……!」
俺達は降り注ぐ炎を避けていく中、レインとリヴァイアサンは水で降ってくる炎をかき消していく。
「ナイスだレイン!」
「うん! でも、デスキメラに私達の攻撃が全然通じない……」
「ああ……」
エレメントラインを出している俺達の攻撃が、デスキメラに全く通じない。
全ての封印獣が合わさったことで攻撃力だけじゃない、防御力も段違いに上がってる。
コイツの攻略方法は一体何なんだ!?
「どうした、来ないのか? ならばこちらから行くぞ!」
デスキメラの背中の角が光ると、角から無数の紫の斬撃が放たれた。
俺達は斬撃の嵐を避けたり武器で弾いたりしてどうにか防いでいく。
麒麟に乗ったライデンがデスキメラの右横から近づき、サンダーランスから放った電撃と麒麟の嘶きで起きた落雷をデスキメラに当てるが、デスキメラは怯みもせず右腕の鎌を薙ぎ払いライデンと麒麟を吹き飛ばす。
「うあああっ!!」
グランドタートルが地面を盛り上げてデスキメラの腹に近づくと、背中の甲羅に乗っているアルツが飛び出し、疾走するホワイトウルフとキングレオが大きくジャンプすると、それぞれの背に乗っているミスクとビトがジャンプし、デスキメラの腹に向けて攻撃を放つ。
しかし、腹が少し下がった程度であまり効かず、デスキメラは腹を思いっきり突き出し三人を弾き飛ばすと、左腕の鋏で召喚獣諸共吹き飛ばし建物に激突させる。
「ハッハッハッ! 一体一体を倒せても、合わされば勝ち目無しか?」
「ぐっ……!」
デスキメラの言葉に俺は歯を食いしばると、デスキメラが口を開き紫色の光が集まっていく。
その光を見て俺はゾッと背筋が凍った。
「皆! あの光に気を付けろ!」
俺が叫び、皆がデスキメラの直線上から離れると、デスキメラは口から巨大な紫の光線を放った。
光線は町の塀を貫通して外まで伸び、森や山を吹き飛ばしていく。
「なんて威力だ……」
「あんなのに当たったら一環の終わりよ」
一直線上に吹き飛び無くなった建物や木々に、俺達は言葉を失う。
「素晴らしい……! これほどの力、実に素晴らしい!!」
デスキメラの力に上機嫌のジョルクス。
一刻も早く倒さないといけない相手なのに、どうすれば勝てるんだ!?




