表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

作戦決行!(完)

 一ノ瀬はがっくりと下を向いた後、顔を上げ、諦めと覚悟の混ざったような表情で


「わかった」


 と、一言だけ言うと屋上から降りていった。わぁカッコいい。

 その日は、柏木への断りの言葉を考えなきゃなー、とか中々最低な事を考えながら午後の授業を終えた。

 その間、一ノ瀬は何も言わなかったが、時折悩むような表情を見せていた。


 ◇  ◇  ◇


 次の日の昼休み、柏木からLIMEで


『今、暇?』


 と、送られてきた。暇だが暇じゃない。できれば先延ばしにしたい。しかし、一ノ瀬も苦渋の決断だっただろう


『暇だけど……何?』


『話したい事があるから屋上にきて』


普通の健全な男子ならドキドキするものだろうが、俺は多少ある良心がズキズキと痛む。

 一ノ瀬に言っておいてなんだが、俺にも良心の呵責があるのだ。


『今?』


『そう』


『ん、わかった』


 重い腰を上げ、屋上へと向かう。スマホの電源を切る瞬間に『後は任せた!』という言葉。

 出していたスマホをポケットに突っ込み、悶々とした気持ちで屋上のドアを開けると……いた。

 小さめの背丈、肩のあたりまで伸ばした髪。柏木だ。幸というか何というか他に人はいない。

 ……いや、隠れている一ノ瀬が視界の端に映る。そっちを見ないようにしながら柏木に問いかける。


「何? 話って。LIMEじゃ駄目なの?」


 駄目だろうな〜


「えぇっと、その……LIMEじゃなくて、ちゃんと話たいから」


 だよね! 柏木の性格上そういうのはちゃんと伝えるよね! 知ってた。


「………」


 少し首を傾げて、柏木を見つめること30秒。


「……です」


 小さくつぶやくような声で言う。


「……何?」


 柏木は一呼吸おいて、


「石橋、好きです!付き合って下さい!」


 頭を下げ、告白する。色んな覚悟があるだろうこの言葉を、俺は否定しなければならない。こればかりは俺のエゴだろう。


「嬉しいよ、ありがとう。でも、俺は柏木と良い友達でありたい。それに、好きな人がいるんだ。だから、ごめん。その気持ちには応えられない」


「……そっか。そんな気はしたんだよ。ありがとう、ハッキリ言ってくれて」


 柏木が、諦めと悲しみが混じった表情で言う。これで、柏木に刺されても文句は言えない。


 その後、いくつか言葉を交わして俺は屋上を後にした。

 一ノ瀬は、4時限目の授業には来なかった。


 ◇  ◇  ◇


 俺は、あの後の事が気になってはいたが、一ノ瀬が露骨に俺を避けるので、帰宅後にLIMEで聞いてみた。


『あの後どうなった?』


 割とすぐに既読が付き、返信が来た。


『一時間ぐらい慰めてたよ。二度とゴメンだわ』


 それは同意する。後は中村が柏木を慰めて、うまいこといけば作戦は終わりだ。俺は一ノ瀬に


『ありがとう、助かった』


 とだけ送ると、眠りに堕ちた。


 ◇  ◇  ◇

 〜数年後〜


 柏木の花嫁姿を見ながら、拍手を送る。新郎の中村は緊張した面持ちで柏木をみている。

 あの後、中村と柏木はうまく付き合ってくれ、努力がようやく結ばれたのだ。

 俺の隣で一ノ瀬は涙ぐんでいる。・・・・・・どちらの涙だろうか。

 不意に、一ノ瀬が耳打ちする。俺は少し赤くなった一ノ瀬に

「そうなるよう、努力するよ」


 と応えた。

 なんか終わりがグダリそうだったので無理矢理終わらせてしまった・・・・・・

 二度と恋愛のみの話は書かないようにしようそうしよう

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 中村→柏木→石橋→ 一ノ瀬→中村 って認識でいいんだよね?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ