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先輩と後輩

作者: 小豆帝

先輩は男です

後輩は想像しながらお読み下さい


「お前ってすごいよな」


「えっ…急に何ですか先輩、その投げやりなすごいよな」


「いや本当に尊敬してるっていうか」


「ほほう!じゃあどんな所を尊敬してるか今から朝まで語り明かしてもらっちゃおうかな!そうと決まれば先輩の家にいかなくては」


「おい、今仕事の休憩中だぞ。というかそんな朝まで語り明かすほどのこと言うつもりないしな」


「もーもったいぶらずに早く言ってくださいよー。さもなくば家まで…」


「あーわかったわかった。まぁ、そういう人の顔色を窺わずに喋れるところかな」


「あれ、僕貶されてます?褒めてくれる先輩がいるって聞いてここに来たんですけど。おかしいなあ。ねえお姉さんもそう思いますよね」


「は?!えっと、な、何のことでしょうか」


「こら、人を巻き込むな。すいませんねうちの後輩が」


「い、いえ。大丈夫ですよ」


「良かったですね先輩。許してもらえて」


「うるさい。あとここに来たのは俺の金でココア飲むためだろ。違うなら金とその缶返せ」


「わーすいませんすいません。ココアのために先輩のとこ来ました。でも先に馬鹿にしたのって先輩ですからね」


「それに関しては言い方が悪かった。人の顔を見ずっていうのは相手がどうとか関係なく自分の意見が通せるってことだ。俺にはそれが出来ん」


「やっと褒めてくれましたね。あーでもそうですかー。先輩にできないことが僕にできてるんですねー。ふーんへーふーん」


「そういう態度だから上司に嫌われるんじゃないか?」


「えっ僕嫌われてるんですか?!」


「ほらな、やっぱ人の顔見てないだろ?」


「噓だー。だってあの人毎朝僕に話しかけてくれてるじゃないですか」


「それネチネチ文句言われてるだけだからな。お前なまじ業績いいから文句の一つや二つ言いたいんだろうよ」


「えーほんとですか?もし違うかったら先輩の家に問い詰めに…」


「どんだけ家来たいんだよ。じゃあもう今夜来ていいよ」


「フフッ、じゃあビールでも買っておいていてくださいよ」


「わかったわかった。つまみもなんか買っとくから」


「で、結局何が言いたいんですか?文句ですか?」


「違う。というか文句っぽくなったのはお前が茶々入れるせいだからな」


「茶々じゃなくて思ったこと言ってるだけですよ?だから先輩が勝手に茶々だと思って文句言ってるだけなので先輩のせいですね」


「それは腑に落ちないが…。いや、だからすごいなっていうのはだなそうやって思ったことをそのままに口に出せることだよ。大人はな、思ったことは心の中にしまい込んで建前とかそういうもんばっかきにしながら相手の機嫌見ながら話してんだよ」


「それだとその大人の中に僕入れませんね」


「そうなるんだがまず俺とお前じゃ人の種類が違う」


「えっそれって先輩が宇宙じn…」


「んな訳ねえだろ、俺は純人間だよ。違う、そういうことじゃなくて…じゃあお前自分のこと好きか?」


「んーあんまり自信ないですけど先輩のことよりは全然好きですよ」


「判断基準に俺を出されると複雑だが…俺みたいなのは自分を好きになれなくてそのせいで自信もない。そうなると喋る言葉にも自信がなくなっていって嘘を言ってるわけではないが本音も言えないみたいなことになる。それで大人になるにつれてそのどっちつかずの言葉を言い表せるようになってくるんだよ。でもお前みたいに自分のことすきなやつは言葉に自信があるからそれを無駄に着飾る必要はない。だからお前が大人かどうかの判断材料は俺とは違う」


「もー話が長いですよ先輩。で、結局僕は大人なんですか?」


「俺から見れば大人かな。というかだからすごいなっていったようなもんだし」


「よっしゃー!してその判断材料とは?」


「それは…」


「ドラムロールスタート!ドゥルルルルルルルルルルルルルルルル……バン!」


「……確固たる自分をもってることだな」


「ふーん……あっ何となくわかったんで説明はいらないですよ。」


「あーうん。お前はそういうやつだよな。」


「はい!そういうやつです。あっあと先輩いつもありがとうございます」


「ん、なにがだ?」


「だって僕上司に嫌われてるんですよね。そんな僕を嫌わないでいてくれるじゃないですか。今日だってココアおごってくれましたし。そんな先輩、僕よりは下ですけど結構好きなほうですよ」


「別に嫌ってないわけでは……おっ昼休みももう終わりだな。いくぞ」


「ちょっと先輩今なんて言おうとしました?せっかく僕が勇気出して先輩に好意を伝えたのに」


「いやお前勇気出したって言うけどしょっちゅう人に好きだのなんだの言ってるだろ」


「うわっ先輩そんなこと言う人だったんですね。あーきずついたー。これは朝まで慰めてもらわないと駄目なやつですね」


「結局俺ん家でダラダラしたいだけだろ。ほら、もう行くぞ」


「ふあーい。わかりましたよー。でも家で飲むのは絶対ですからね」


「はいはい、わかったよ」






ちなみに後輩はお酒弱いです

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