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第1話 ラノベのような異世界に転生しました。

 眩しい太陽の日差しで意識が少しずつ覚醒していく。築山は泥のような意識の中、生きてる実感を感じた。

何か聞こえる。女性の声が直接的に聞こえる。



「だいじょ_____ぶです______か_______。」



築山は今ある力を振り絞って、声を出し、目を覚ました。

「ん……っ…」

「よかった。ようやく目を覚まされたのですね」

「ここは……」



目の前には生い茂った木と草原。その木からは差し込む太陽の日差しが照らしている。

森の中、馬車と一人の女性がそばに立っていた。



「オレ…確か、バイクに引かれて死んだはずじゃ……」

「バイ…ク? 何ですか? その言葉は」

「えっ……」



よく見ると、女性は歴戦の傷がついたような鎧を着ていて、綺麗な長い金髪をしている。これを不思議に思った築山は自分の身体と姿を確認した。



「何だよ、これ……」



近くにいる女性と同じ傷だらけの鎧と籠手。前髪を引っ張りながら、真上を見ると紫色の短髪がぼやけて見えた。



「嘘だろ…人生一度も髪を染めたこともないのに…」

「どうなされたのですか。エドワール様。どこかお身体が悪いのですか…?」

「エドワール…?」



この言葉で瞬間的に築山は察した。自分は確かに死んだはずだが、昔、自分が書いていたような流行りのライトノベルの世界。異世界に転生したのだと瞬時にわかったのである。

ただ自分に対して言われた《エドワール》という名前が気かがりだった。おそらく自分と同じく死んだ人物に運良く身体ごと乗っ取ることができたのだと思う。



「エドワール様。お時間がございません。あなたを襲う輩が追ってきてます!」

「敵……!?」

「はい。襲われた時、意識を失われたので覚えていないとは思いますが、戦士たちの一団(キャラバン)が私達に奇襲をかけてきたのです」



転生したからといっても、すぐ安心できる状態にない事が分かる。幸いにも築山の乗っ取った身体は無傷であり、おそらくこの人物の身体は強い脳震盪(のうしんとう)を起こし、そのまま死んだのだと築山は推測した。



「ここから抜け出します。いいですね!?」

「うん……!!」



二人は、すぐに馬車に乗ると馬の手綱を激しく引いた。すると、馬車は颯爽と生い茂る森の中を駆け抜け始めた。

20メートル後ろには、戦士達の追っ手が物凄いスピードと速度でやって来ている。



「しつこいですね…! もっとスピードを上げます。」

「わ、分かった!」



後ろから数本の矢が飛んでくる。それに避けきれず、金髪の女性の肩に矢が一本刺さってしまう。



「ッッ________!!」

「だ、大丈夫ッ!?」

「はい……。エドワード樣の食らったものに比べたら、これくらい平気です」

「そんな……」



馬車のスピードはどんどん上がっていく。それは後ろから追跡されている一団も一緒。

築山の不安は大きな波のようにうねって、それに比例して心臓の心拍数も上がっていく。



微かな光が差した先で森を抜けた築山たちは、馬車を勢いに任せて、止めた。



「何で馬車を止めたんだよッ!? このままじゃ…」

「大丈夫です! このまま任せて下さい」



金髪の女性はある呪文を唱えた。詠唱。感情に任せ、彼女は声を張り上げた。



「翼竜召喚」(ワイバーンサモン)____________



天空から詠唱文字が表され、突風。大きな地響きと共に《ワイバーン》という現実にはあり得ない存在が築山の真上に舞い降りた。



「ギャアアアアアアアアアア_______________________________________ッッ!!!!!」


 

大きな雄叫びをあげて、追尾して来ていた一団もろとも威圧するワイバーン。そのワイバーンの手綱を女性が手にとると、築山に対してワイバーンの背に乘るように促した。



「さあ、お乗り下さい! 撤退するなら今です」

「は、はい!!」



ワイバーンの背に乗った二人は威圧され、身動きが取れない一団を尻目に空に舞い上がった。

空を切るようにしてワイバーンは二人を乗せて、魔王城がある北へと飛び去った。



「何とか切り抜けられましたね。エドワード様」

「うん……。」

「どうかなされましたか?」

「いや、どうやら自分の記憶が欠落しているらしい。思い出せない事が多すぎる」

「記憶喪失ですか…。私は《エドワード・カミヤ》ご自分の名前は思い出せますか?」

「残念ながら…分からない」



築山は自分を記憶喪失にする事にして、この先あらゆる事を聞き出し、切り抜ける事にした。ひとまずはこれでごまかせる。



「ひとまず、現状報告も兼ねて魔王城本部に帰りましょう。」

「そうですね……」



この世界の現状と自分がここにいる理由を知るため。少しの時間、カミヤという女性と同行し、身を潜める事にした築山だった。










《小説家になろう》で初めて小説を書き始めました。ご一読いただいた後に、感想などいただけると嬉しいです!

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