公爵家の終わり
その日王都は騒然となった。
積極的に孤児を保護し、身の回りの使用人すら貧しい者を起用する分け隔てない慈善家で評判のアルデリア公爵が人身売買や誘拐を行なっていたと明るみに出たからだ。
屋敷からは証拠が押収され、正気を失った公爵夫人も見つかった。
暫く見かけないと思ったら王子の目についたら不味いと公爵によって監禁されてたようだ
そのまま実家の伯爵家に保護された。
公爵は捕らえられ厳しい尋問を受けている。
私は王宮でその知らせを受けた。
同時に私も拘束された。
牢屋に入るのも覚悟していたが、実際は簡単な事情聴取のみで客室に留め置かれた。
どうやらフランツがとりなしてくれたようだ。
ただ当然ながら私と彼の婚約は解消となった。
そして事情聴取も終わり外に出られるようになった。
フランツ達が心配して城に留まるように言ってくれたが、罪人の娘と関わっても立場を悪くするだけだ。
これ以上迷惑はかけられない。
それに私はまだやる事がある。
城を出て屋敷に向かう。
久しぶりの屋敷はすっかり荒れ果てていた。
塀は崩れ、庭は雑草だらけだった。
そのまま通り過ぎ屋敷の中に入る。
中も荒れ果てもぬけの殻だった。
割れた窓ガラス、破れたカーテン
使用人達が持ち逃げしたのだろう。家具や調度品は無くなっていた
そのまま足を進める。
応接室、書斎、父の部屋、姉の部屋、私の部屋
順に回っていくがまだ見つからない
見つけた。
意外にも厨房にいた。
そのまま中に入り相手の前に立つ
「お帰りなさい。待っていたわ」
「ええお姉様。ただいま戻りました」
そこにいたのは死んだはずの異母姉フローレンス=アルデリアだった
少しの間更新休みます。詳しくは活動報告にて<(_ _)>