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復讐に乾杯  作者: 一発ウサギ
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番外・元公爵令嬢の追憶2

彼を好きだと自覚してから私はおかしくなり困るようになった。

彼の事を考えるととても幸せな気持ちでいっぱいになるのに、目の前で彼と接するとひどく緊張して平静を装えなくなる。そうして後で呆れられたのではないか、嫌われたのではないかと不安になるのだ。


今日も自室のベッドで1人枕を抱えて考える

このままではいけないと思うのにどうすればいいのか分からない。

相談できるような相手もいない。相談できるのはアーサーだけだが、好きな相手に恋愛相談など論外だ。

茶会やパーティでよく交流する令嬢達も「〇〇が恰好いい」「☓☓が素敵」と言うだけで特に好きだとか行動を起こしたりはしない。

図鑑や辞書にも(当然だが)こういった時の対処法は載っていない。

街で何か探してみようか

何か参考になるものが見つかるかもしれない


翌日街の本屋で色々探してみたがやはり参考になりそうな物はなかった。

「お嬢様何を探してるんですか?」

ついてきたアーサーが聞いてくる。

これで5件目だ。何も言わないまま供をさせられてるのでさすがに気になったのだろう

「うん、ちょっと…」なるべく彼の方を見ずに曖昧に答える

あぁ面倒だ。いっその事店中買い占めて片っ端から探した方が良いだろうか

そんな事を考えながら歩いたせいか、普段近づかない種類の本の所にきていた


これだ!!

何だかカラフルな表紙だが恋愛がどうとか結婚がどうとか書いてある。

結婚は飛躍しすぎだろうが参考になるかもしれない

1冊では足りないかもしれないので数冊購入する。


早速屋敷に戻り何日かかけて一通り読んでみた。

私のように気持ちを自覚した者の行動パターンはだいたい3種類に分かれていた。

デートなどで交流を深めてから告白するか、意地の悪い悪役が現れてそれらを乗り越えて気持ちが深まって両思いになるか、自分を磨いて自信をつけてから告白するか。まず最初のは無理だ。従者として四六時中一緒にいてデートも何もないだろう。一緒に出かけたとしてもこの前のように私の荷物持ちになるのが精々だ。悪役もそう都合良く現れるとは思えない。するとやはり自分磨きか。

思えば私は書物で得られる知識しか知らない世間知らずの子供だった。

社交だって最近は改善されてきたが、まだまだだ。


頑張ろうと思った。

少しでも彼に近づけるように。彼に釣り合うように。


それからは勉強も社交も今まで以上に頑張った。

家庭教師からも「もう教える事はない」と言われ、社交界でもいつの間にか「社交界一の淑女」と言われるようになった。嬉しかったし誇らしかった。彼に認められたわけではないけど、ちょっと近づけた気がした。


でもその努力が私と彼を引き裂く事になるなんて思いもしなかった




シリアスな過去話のハズなのに何故かお笑いっぽく…(;一_一)フローレンス暴走中

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