1章3話 覚悟
覚悟です。
主人公が覚悟完了します。
「はぁ...はぁ....倒したのか?...」
肩で息をし、どうにか息を整え、地に伏して動かなくなったゴブリンに近づく。
近くで見てみると分かるが、狙ってぶつけた頭部にはいくつもの痣ができており、
頭が凹んでいるように見えた。
「.....ゴブリンを殺してもなんの感情も涌かない。俺がおかしいのか?」
修斗は一瞬自分の人格を疑ったが、そんな事より目の前の惨状を脳内で処理できなかった。
「それより、なぜ石を投げただけでゴブリンが死ぬ?いくらゴブリンとは言えおかしいだろ」
そう、いかにゴブリンとは言えど、ただの投石で死ぬわけがない。
しかし、修斗は知らなかった。自分のステータスの高さとスキルの高さに。
「しかし、あのゴブリンと面と向かって戦っていたら、僕が死んでいたかもしれない」
修斗は戦闘状態から覚めた頭でさっきの戦いを振り返ってみた。
「やっぱりモンスターは怖いな。僕はこの森で果たして生きていけるのだろうか」
そう言って震える修斗の後ろには、さっきよりも数倍大きいゴブリンがいた。
修斗がそのゴブリンに気づいた時にはもう遅かった。
そのゴブリンが持っていた棍棒で殴られて、体は数m吹き飛んでいた。
やがて近くの木に激突すると、修斗は自分が目の前のゴブリンに吹き飛ばされた事に気づいた。
その時、修斗は初めて自分が死ぬかもしれないと思った。
なぜなら同じようなゴブリンがさらに二体出てきたのだ。
先の程のゴブリンとは姿がかなり違っていた。
肌は黒く、体中が筋肉で引き締まっており、腕には人ひとり潰せそうなほど大きな剣が握られていた。
修斗は本能的に察知した。「あれ」には勝てない。どう足掻いても「あれ」には敵わないと。
修斗は必死に逃げた。
「いやだいやだいやだいやだ!怖い怖い怖い怖い死にたくない死にたくない死にたくない!」
なりふり構わず修斗は逃げ出した。
そうして修斗は近くの木の根元にある大きな穴の中に逃げた。
「いやだいやだいやだ死にたくない」
修斗は後悔した。こんな怖い思いをするなら異世界なんて来なければよ良かったのだと。
そうしてひとしきり恐怖し泣いた後、修斗は思った。
どうして自分は異世界に来てまであんな恐怖をしなければいけないのか。
どうして異世界に来てまでゴブリンに殺されそうにならなければいけないのか
「あははははははははははははははははははっ!!」
そう考えると修斗は笑いが込み上げてきた。
「....殺してやる.....俺を殺すだと?....ふざけるな!」
修斗は怒り狂った声でそう言うと、近くにあった木の枝を真っ二つにへし折った。
「殺してやる.....俺を殺そうとしたやつはみんな殺してやる」
修斗は折れた木の枝の先の皮を剥ぎ取り、木の繊維を毟って尖らせた。
「俺は....この世界で生き残るんだ!」
そう言うと修斗はまだ自分の事を探しているであろうゴブリンの足音のする方へ走って行った。
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名前 修斗
種族 人間
Lv 1
職業
HP 200
MP 200
攻撃力 50
筋力 50
防御力 50
持久力 50
筋力 50
魔力 50
速力 50
幸運 50
称号
転生者
固有スキル
【無限の学習】
【無限の習得】
【異世界言語】
スキル
近接格闘 E級
武器術 E級
投擲 B級
隠れる B級
気配遮断 B級
装備
武器 先が尖った木の枝
防具 布の服
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自分だったら二度と穴から出ていかないですけどね(笑)