2章9話 街へ行こう
戦闘もあります。
「ご主人様!荷馬車が襲われています!」
「ああ。わかっている」
修斗は目に魔力を集めて視力を上昇させた。
すると、
「あれは、行商人か?襲っているのは.....人間?」
「ご主人様!いかがいたしましょう!」
修斗はあまり関わりたくなかったが、目の前で襲われているのを見過ごすわけにもいかないので、助ける事にした。
そこで修斗は召喚獣、特に隠密に優れた召喚獣を使う事にした。
召喚獣
この世界とはまた別の世界から呼び出されるもの。
精霊界や悪魔界、または地獄界や天使界からも呼び出す事が可能
魔力や生命力を代償に術者に従うという。
強力な召喚獣ほど代償は大きく、過去に強大過ぎる召喚獣を召喚し自らの身を滅ぼした術者は少なくないと言う。
修斗【来たれ黒騎士】
そう言うと修斗とユーの前に黒いそこの見えない穴ができ、その中から浮上するように黒い騎士が現れた。
黒騎士「召喚に応じ参上した、主殿、此度はいかようか?」
修斗は目の前で跪いている騎士に命令した。
「そこで荷馬車を襲っているものを全て処理せよ」
「了解した」
そう言うと黒騎士は再び現れた穴へと戻って行った。
「ご主人様?」
ユーは心配そうに修斗を見た
「大丈夫だ。とりあえず荷馬車の方へ行こう」
修斗はユーと一緒に荷馬車の方へと歩いていった。
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盗賊頭「へへへ。命が欲しいなら後ろの荷物を全部置いてきなぁ!」
行商人「そう言うわけにもいかない!これは大事な商品なんだ!金は幾らでもやるから!荷物だけはやめてくれ!」
盗賊達はそれを聞くと、
「へへ!金より大事なのか!それはなおさら欲しくなるぜ!お前たち!やっちまうぞ!」
一斉に盗賊達は襲いかかったが、誰1人荷馬に触れる事は出来なかった。なぜなら彼らは黒騎士に殺された事にすら気付かずに死んでしまったからだ。
盗賊頭から見ても異様な光景だった。
荷物に飛びかかった盗賊を確認した瞬間に全員の首が一斉に宙を舞っていたからだ。瞬きすら忘れてその光景を見ていたが、気付いたら自分1人になったいた。
盗賊頭「こいつはぁやべぇ!何かやべぇ魔物がいる!こんな所で死んでたまるか!俺は1人でアジトに戻るぜ!」
そう言い放ち、行商人に背を向けて逃げ出そうとした瞬間、彼の上半身と下半身は既に分離していた。
盗賊頭が最後に見たのはだんだん近づいていく地面だった。
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修斗とユーが荷馬車に着くと、そこには呆気に取られた行商人と死体があった。
「相変わらず黒騎士は仕事が早くて助かるわ」
そう言うと荷馬車の影から黒騎士が現れた。
「お褒めに預かり光栄です」
「おう。今回もお疲れ」
「全ては主殿のために」
そう言うと黒騎士は黒い穴から帰っていった。
それを確認した修斗は未だ呆けている行商人に声をかけた。
「おいあんた?大丈夫か!」
行商人「………。」
「おーうい!(ペチペチ)」
「なんだアレは、死ぬかと思った瞬間相手の首が飛んでいた?……まさかこれは私の?…いやそんなわけ…」
修斗【ショックウェーブ】
「うおわぁ!?なんだ!なんだ今の驚きは!?」
「おっちゃん!こっちを見てくれ」
「ん?誰だあんた達は?見た所盗賊ではないが?」
「通りすがりの旅人だ。見た所盗賊に襲われていたので、助けたんだ」
行商人はそう言うと、驚いた顔で、
「本当か!いや助かった、しかしなんの証拠もなくいきなり私の所に来て私を助けたと言われても些か信用にかける、すまないが私を助けたと言う証拠はあるか?」
「風の魔法で盗賊を倒した、証拠はこれだ」
そう言って修斗は目に見えるように手に風を集めた後、近くの木に向かって思いっきり投げつけた。すると人4人くらいありそうな大きな木が一瞬で切り倒された。
「これは凄い!疑ってすまなかった!これはお礼だ。受け取ってくれ!」
行商人はお金の入った袋を修斗達に渡そうとすると、
「いや、金は要らない。代わりに街まで乗せて行ってくれ」
行商人は驚いた顔で、
「よく私が街へ行くと分かったな!何も言ってないはずだが?」
「この道は森の中で唯一綺麗に舗装された道だ、しかも森の外に繋がっている。そしてあんたはこの道を通っている。つまりあんたは街に行く気だ。あってるか?」
行商人はそれを聞くと、
「あっははは!素晴らしい洞察眼だ!これは気に入った!私の名前はヴァレだ。街まで一緒に行こう少年少女よ」
修斗は荷馬車の空いている場所に座り込みながら、
「俺の名前は修斗だ」
「ふむ。そちらのお連れの方は?」
「ユーだ。俺も奴隷だ」
「ほぅ!エルフの奴隷とは、なかなかいい趣味をしておりますな!」
「そんな所だ」
修斗はあまりこの話をしたくないので、出来るだけ早く話を逸らした。
「ところでヴァレ、この先の街はなんて言うんだ?」
行商人は客席を覗き込むと、
「ああ、防壁と貿易の街だ。古代の魔族戦争では最前線の砦の内の一つだったらしい」
ヴァレはそう言うと、客席に袋を投げ入れて来た。
「やはり乗せていくだけでは釣り合わない。その中にある程度過ごせるだけの話を入れた」
「助かる。して、街の名前は?」
「ああ、見えて来た」
森から出ると、開けた平原が広がっていた。
周りを見てみると兵士らしき人達が戦闘訓練をしていた。
そして前を見ると、大きな城壁が見えて来た」
修斗・ユー「ほぅー!」
「ようこそ。防壁と貿易の街 ムークへ!」
やっと森を出ました。
次からは街編です。




