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「もういいよ」の後

作者: 冥月 霜華

もういいよ。


諦めた。

諦めきれないから、諦める為にそう言った。


心の奥底。

掻き消すことさえ、上書くことさえ出来ない欲求。


本心。

本音。


誰か愛して、必要として。


満たされない。

満たされているのに、幸せなのに。


上を見ればきりがないのに。

下を向いても意味がないのに。


愛されたい、必要とされたい。


そんな欲望が、心を、体を突き破っていく。


幼い頃のトラウマ?

成長期の未発達?

ただの「欲張り」


分かってるのに。

分かってるはずなのに。


優しい言葉を向けられても満たされず。

厳しい言葉を向けられても満たされず。


欲しい、欲しいと貪欲なまま……。


感謝してるの、あの優しい言葉に。

納得してるの、あの厳しい言葉に。


なのに、まだ……



心の奥底。

何度も吐き出したはずの言葉が、欲望が。

この口から溢れ出て、腐って堕ちていく。


そこはかとなく、底の見えない暗闇が心地よくて。

差しのべられる手の、中にある見えない何かが醜くて。

伸ばし続けて疲れた手と、動かし続けた口が痛くて。


もういいよ。

諦めた。


心の奥底に無理矢理蓋をして。

きつく口を閉じて。

目を瞑って。

息を吐くのと同時に。

高いところから落ちてみた。

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