誓い
目が覚めると、そこにはルベリーがいた。しかし、ルベリーは後ろを直ぐに振り向く。
「サキ様!目が覚めました!」
直ぐにどこかに行く。僕は何があったか分からなかったが、直ぐに犬に齧られた事を思い出す。
「あ!足は!?」
そこには少し黄ばんだ包帯でグルグルにされていて、足に全くの感覚がない。悠はグルグルにされた足の脹脛にいつものボリュウームが無い事に気が付いた。
「悠!大丈夫?」
「さ、サキ…。えっとまた助けられたみたいだね。」
「お互い様よ。でも、私たちは間に合わなかったわ。足が…。」
悠は膝から下が動かない事に気が付く。右足は一生このままだろう。もう走る事も出来ない。
「異世界ライフ」
「へっ?」
悠は一度頭を整理して、サキに向き直る。
「普通僕たちの世界では、敵モンスターをバッタバタ倒すというのが定番の話なんだけれど」
「貴方の世界の人はとても強いのね」
「あれ?何故哀れみの目?ゴホン。まあ、僕は運動は苦手だからこれは問題ない。逃げ遅れる事くらいかな。どうせ魔法も何も使えないし。」
「そうね。魔力ないもんね」
「辛辣!!?」
悠は敢えて心配させない様に明るく振る舞う。二人で笑うと雰囲気が和らぐ。
「ねえ!悠。とっても言いにくいんだけれど」
「足がもう動かないいんだよね」
「そう。そして、足がないと私たちの国では、生きていくのがとても厳しいの。だから」
「だから、僕がこの国を変えれば問題ないって話だね?」
「え?」
あっけに取られたサキは茫然とする。それはそうだろう。足の負傷は大きいハンデだ。国を一周したときに死体もみたけれども、飢えた死体の中には足や手が無い人もいた。
「とても困難なのはわかっている。でも、この国を変えないと、そういった人々が暮らせないのは可笑しいよね。どんな人も全うに生きられる国を作る。そんな手伝いを僕はするよ。そしてそれが僕には可能だ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「信じてもらえないのは分かっている。それでも僕はやるよ。戦闘では全くの役立たずだけれど、知識では何とかなるから!」
「…うん…。うん!お願いね!私もそんな未来が欲しい!こんな虐げられた国を変えたいの!協力してくれる?」
「ああ!こちらから頼むよ!」
後の世に隣接する4か国よりも発展し、更に世界に大きく影響を与える誓いがここから始まった。