蝿の王
悠「ようやく街道か。森はもう散々だよ。」
サキ「確かに整備された道は走りやすいものね!」
ルベリー「で、あれは放置していてもよろしいので?」
森を抜ける前に現れた男とメイドは三文芝居をしている間にちょっと迂回して放置してきた。胡散臭い奴らだったけど、恐らくあの蛾を俺たちに差し向けたのはあいつらだ。なんの力も無い俺ら、ちょっと頭がお花畑な団長一家では太刀打ちできないとみた俺たちは急いで町に向かう。
ベルゼ「ちょっとちょっと!人が話している時に無視って失礼じゃない?」
空中を浮遊しながら後ろから追ってきた。しかし浮遊というよりは滑空だ。ぶぅーーーん!という羽音が乱雑に聞こえる。そうハエの羽音そのもの。しかもその数がとても多い。もし昼間だったらきっと黒い霧が男にまとわり付いているようにみえただろう。
悠「だれがやばそうな変態の相手なんかすっかよーー!てかなんで襲ってくるんだ!」
サキ「・・・・・・・・・・・」
ルべりー「サキ様に手を出させません。」
ベルゼ「ああ町に行かれてはめんどくさい。ということで今回は挨拶だけにしておくよ。一応置き土産を置いておくよ。」
っと言ったそばから羽音が頭上を通り過ぎ自分たちの前に集まりだす。そのまま大きな形が一行の前に街道を塞ぐように顕現する。それは大きなハエの化物であった。
サキ「!!!炎獄よ!我が響きに応じて打ち払え『グランド・セプタ』!」
サキが初めに大きな火炎魔法を打ち放つ。地面が割れ、ハエのモンスターの真下から火炎が打ち放たれる。その火炎は黒と赤の螺旋を描いて燃やそうとする。が、ハエモンスターは避ける。
そこへルベリーが4枚の羽のうち1枚をレイピアで突き刺し飛行能力を落とそうとする。
閃光のような突きが開けた穴がすぐ再生する。
どうすればいい?普通に走るより向こうの方が早い。どうすれば。