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異世界から来た人格  作者: 狼狐
第五章:闇の中の光
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負の連鎖

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接戦を続けている内に、始めは優勢だった俺もこの数相手に押されてしまう。

両手では数え切れない程の数の人間の血で手は滑り、武器もまともに掴めない。

必死の抵抗をしながら徐々に後退して行くがこのままでは埒があかない。

10分死闘を繰り広げ、まだ16階だ。

...俺は決心した、駆け上がるしかない。

大量の敵を背後に、その上まだ上の階にいる可能性の高い大群を切り抜けていくという考えがどれほどまでに自殺的な事なのかは火を見るより明らかな事だ。

だがこの他に方法がないというのが現状だ。

やろう、と決心するのは容易い...しかしいざやろうとなるとどうしても躊躇してしまう。

突破口を見つけるためにはそれに向けて体当たりしなければならないというのに。

敵に背を向ける事がどれ程までに恐ろしいのか身を持って実感する事となった。

残された唯一の武器となった小型拳銃を数発乱射し、向かってくる奴等の動きを止めた瞬間、俺は身体をクルッと回転させ無我夢中に走り出した。

待て!などというような怒号が逆に俺の背中を後押ししてくれた。

男らしく最後まで殺り合って倒れる覚悟なんざ俺には出来てねぇ。

無理だったら逃げるのが一番だと思い込んでるんだ。

この闘いで負った傷が汗等により痛み、血が流れ出すが俺は構わず走り続けた。

足に手が当たれば、その度に振り払うのに苦労させられる。

恐らくここにいる奴等は皆俺の名前を知っているだろう、殺人鬼という厚いベールに覆われた俺を。

そんな俺を捕まえようと猛突進をする、俺はそんな彼らの勇気に正直感動していた。

こいつらになら殺されても未練はないだろうと、少しでも考えてしまったんだ。

そしてなにより自分が情けなくなった。

門番を殺し、ズカズカと押し入りながらプライドを全て捨て逃げ出すこの俺自身が。

目からは涙がこぼれ溢れ出し、額から流れる血と混ざり合い綺麗に目の前で輝く。

その涙が床に零れ落ちたその時、遂に視線の先に26という数字が現れた。

あともう少しで頂上てっぺんだ!心に余裕が生まれ始める。

混沌という文字を図に表したようなこの状況を打破出来るだろうか。

上に到着したらここのお偉いさんを人質に取って、こいつらを皆殺しにしてやるさ。

自然と笑みが生まれるがその裏にはやはり不安が積もっている。

着実に迫る目標地点に何が待ち受けているのか、未だに心のどこかで恐怖が仁王立ちし続けている。

そいつが動くたびにそこには跡が残り、それが負の念を増長させるんだ。

簡潔に言えば負の連鎖だ、外面的余裕を見せれば見せる程それに対抗するように内面的余裕は小さくなって行く。

その積もりに積もった自分に対する脅迫が爆発する前に早く....!

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