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異世界から来た人格  作者: 狼狐
第四章:連鎖反応
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再会

今回は諸事情により少し早めに投稿させて頂きます。

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殺人概念は静寂の裏に隠蔽され、忘却された。

俺はもう既にこの面白味の無い牢獄のような場所で2日を浪費している。

部屋の奥に安置された死体からは鼻を突くような腐臭が漂ってくるがもう慣れた。

頭と身体と四肢をバラし、ビニール袋に詰めたというのにここまで臭うものなのか。

だが、この家の周囲に民家はないので見つかる可能性は少ないだろう。

家に訪れる者は殺してこの爺さんと同じ目に合わせれば問題ない。

田舎とはいえ何故ここまで人口が少ないのか、そして何故他国の人間がこんな地方に住んでいるのか調べた所、ここはどうやら元々ベトナム戦争中の植民地だったところのようだ。

「...多くの国が独立しているはずだが」

この家の主がどこの国籍の者かは不明だが彼の母国よりここのほうが平和だった、という事による逃避もあったのかもしれない。

事実、俺もそうだ。

しかし以前と違うところは、ここまで平和な状態にあっても殺人欲求や衝動が沸いてこないという事だ。

これは人として成長したという事を意味するのだろうか。

皮肉だな、殺して、奪って、隠れて、怠けて、これが成長した俺か?

気分転換にバードウォッチングでもするか。

ワシントン条約に指定された鳥達を調べつくすのも悪くないと、そんな馬鹿げた妄想に半日を費やす。

こんな状況でもネガティブではないという事だけが長所か。

空になった酒瓶の底を飛び出てきそうな程ひん剥いた片目で覗き込み、落胆する。

薄汚れた床に寝転び、腹の上に登って来たゴキブリをその酒瓶で潰した。

現在警察が何をしているかは分からないが諜報人員を雇う金もない。

テレビはこの家には無いし、新聞も殆ど受け取っていない。

もしかして奴等はもう気づいているのかもしれない、手をだしてこないだけかも。

一帯の住民を避難させて俺の隠れてる地区を軍用機で爆撃するか?

それとも特殊部隊でも送ってくるのか?

構わん、もうあの忌々しい仕事の電話がかかってくる事もない。

次にやるべき事が生まれたとしたら...それが最後の仕事になるだろう。

今までやってきた事の償いにはならないだろうが、せめてもう終わらせたいんだ。

人は皆俺の事を悪魔だ、死神だと呼ぶが俺はそんな優しいもんじゃない。

ましてや人々の信仰の対象になるような神聖な生き方もしていない。

ソファに座りなおし屋根をボーっと眺めていると、窓の方で何か影が動いたような気がした。

どうせ鳥だろうとも思ったがそれにしては少しばかり大きすぎる。

銃を片手に警戒しながら窓を開け、外を覗くがそこには何も存在しない。

やはり見間違いか、と溜息をつき立て付けの悪い窓を閉めていると今度は玄関の方から家鳴りにしては大きすぎる程の物音が発生した。

「まさか警察の奴等が勘付きやがったか?」

不審に思った俺は重いタンスを扉の前に倒した、多重ロックってやつだ。

焦ってマトモな状況判断が出来なくなったその直後大きな炸裂音が部屋全体を包んだ。

それを警察の制圧射撃と判断した俺は咄嗟に壁に身を隠すが、敵はそれ以上の迫撃をして来ない。

頭の中で疑問が渦巻いた、何が起こった?と。

狙撃手スナイパーが家を覗き込んでいるのか?あくまでも外で待機するのか?

対テロリスト部隊やSWATの場合すぐにでも突入して来そうな気がするが...何かがおかしい。

決死の覚悟で壁から頭を出し部屋を覗きこんだ俺は目を疑った。

そこにはいるはずのない友人の亡霊ゴーストが立っていたのだから。

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