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[蝮]
「寝るな....おい、寝るなって!」
そう怒鳴りつけ俺はバケツ一杯の冷水を彼の顔面目掛けてかけた。
これで何度目だろうか、彼は...エリックはずっと同じ言葉を呟き続けている。
何て言っているかは聞き取れないが何が何でもマークの正確な位置を突き止めてやる。
エリックはマークと共にノースゴースト24番街ビル殺戮事件を決起した張本人だ。
情報提供者から送信されてきた監視カメラの映像には確かに彼が映っていた。
勿論マスクで顔が隠れていたが身長、声、体格、服装、頭髪に指紋まで全てにおいて彼に共通する。
そしてあの親子殺害事件の唯一の生き残りであり行方不明、失踪者。
マークに死ぬ寸前まで追いやられた後蘇生してやったのはこの俺だ。
なのに彼は一行に口を割ろうとしない、ただ協力すればいいだけの話なのに。
憔悴した目で俺を睨みつけ、知らない知らないとただただ首を横に振り苦痛に耐え凌ぐだけだ。
カッターで身体に切り込みを入れようが、指をプレス機で潰そうが反応は変わらない。
バットで殴り倒した時だって証言をコロコロと変えた。
信憑性の薄い事ばかりを出任せに言う、こんな奴を信じられるだろうか。
だから俺は証拠を取ってこさせた。
すると彼はヘマを犯し、警察に尾けられた。
この馬鹿は証拠抜きで警察をゾロゾロ引きつけて戻ってきたクソアマチュアなんだ。
俺の骨折した腕を余計に捻り踏みにじるような真似をした。
それから俺の拷問は数十倍にも過激化した。
二度と部屋の外に出ないように両足のアキレス腱を切除、両腕を縛った。
こいつが喋ろうが黙秘を続けようが最後は頭を吹き飛ばす。
「蝮に絡まれた蛙なんだよ、お前は。」
悲壮感満載の声で泣き声をあげる赤ん坊のような体制の彼の腹部をもう一度蹴り上げた。
そして問う、マークは何処だ?と。
何度でも。
[サラ]
昼の1時を迎え、サムに関する仕事用書類やその他文書をシュレッダーにかける。
少しでも私が怪しまれるまでの期間を延ばすためだ。
...そして必ず何かあり次第蝮への情報提供を忘れてはいけない。
これは彼とのチームワーク的作業、二人三脚だ。
彼もマークを捜しているし私も同じ目的を持っているから、お互い取得したマークに関連付く全ての情報を交換する。
蝮がどこから情報を得ているかは分からないけれどこれで利害一致、頭脳的な作戦でしょ。




