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異世界から来た人格  作者: 狼狐
第四章:連鎖反応
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重すぎた覚悟

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昼頃になり小腹が空いたわけだが車を降りて店に入るわけにはいかない。

多少のコンビニ程度ならどうにかなるだろうがこのオンボロ車がこの田舎町の中でコンビニを探し当てるまでガス欠にならないでいてくれるだろうか。

そしてその数分後、案の定車は広い国道のど真ん中で停車した。

俺は少しの間ハンドルに凭れかかり、荷物をまとめ車を降りた。

「...ここどこだよ。」

東は山、西はどこまでも広がる海、空を見上げると太陽が俺を見下しているようだった。

その飲み込まれそうな程巨大な景色を眺めているとまるで自分が汚らわしく思える。

俺は返り血のついた上着をその場で脱いだ。

脱ぎ捨てようかとも考えたが、奴等に俺の逃走進路が割れてはマズい。

今の俺には帰る場所もない...もはや隠れる場所すらない、とんだ根無し草だ。

...今の俺には何の目的もない、こんな事をしている理由も、価値もない。

恐らく俺に未来はないだろう、だがこうなった以上どうしようもないのだ。

俺は街で大規模な殺戮を繰り返し、それを模範する人物が続出し、一つの国家を狂わせた。

凶暴な核が非合理な連鎖反応フィッションを招いたんだ。

勿論それと同時に俺の人生の歯車も充分狂い出した。

与えられる指令の中、友を亡くし、家を失くし...そして人としての人生を無くした。

滝のように大量に溢れ出した不安が頭の中を真っ白に染めて行く。

そしてもう一度自分に問い直した、これから先どうするつもりだ?ってな。

もう自分に嘘はつけない、常に正直でいなければならない。

これは俺の、俺一人だけの闘いなんだ。

自身の色々な感情を殺していくという事は自我を自分の手で崩壊させていくという事だ。

先はもう長くないが、俺が始めたからには俺の手で貫き通すしかない。

「やり通すんだ...」

そんな事を何度も頭の中で復唱した。

だがどうしても銃口を咥え、引き金を引く事は出来なかった。

目からは涙が零れ両手は腕の付け根から震えている。

その時だけは両手で握っているはずの銃が異様なまでに恐ろしく感じた。

今にも落としてしまいそうな程だ。

結局クソッと怒鳴りながら拳銃を地面に力任せに叩き付けるという結果に終わった。

死ぬ覚悟というのはどうしてここまで重いんだ...?

ふと、ヘートの言っていた言葉を思い出した。

「あんだけ人をぶっ殺しておいても自殺する勇気はない」、全く持ってその通りだった。

それでまたタコの触手のような殺人欲求に絡まれ快楽のためだけに命を奪い去る。

どれだけ武器を捨てても、平和を愛しても忘れる事は出来ない。

今頃になってジワジワと俺を追い詰め始めた罪悪感はまるで死者の呪いのようにも思える。

決して懺悔は許されない、一生背負っていく事になるこの他人の憎悪は消える事はないだろう。

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