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異世界から来た人格  作者: 狼狐
第三章:壊れ出した世界
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損失

[マーク]

俺の周りはこの数分の内に死体だらけになった。

どこを見ても死体しかない。

撃つ者、撃たれた者、またはその両方だ。

カウボーイ達も殆ど残りはいない。

幸いにも馬は皆ピンピンしている。

俺は人間より動物の方が好きなんだよ。

ところで、このスーツの奴等は一体どこの組織のもんだ?

俺は頭に猟銃を正確に撃たれ血まみれでくたばっている奴等の一人からスーツを脱がせた。

それを持って先程の家に戻り、水道で洗おうとしたんだ。

水道からは最初錆で赤茶色になった水が出たがすぐに綺麗な水が出始めた。

スーツを水に濡らしゴシゴシと爪でこびり付いた腸の断片のような物を剝がす。

まるでクリーニング屋だと、鼻で笑う。

ある程度洗っているとスーツの黒い部分が見えてきた。

そしてそこに文字のような字体が見え隠れし、それに気づいた俺は注意深く目を凝らした。

愕然とし、硬直した。

見えてきたのは"サウスゴーストギャング"の文字。

呆然と口を開けその文字を見つめる。

気づくと水道の水が溢れていた。

何分もボーっとしていた証拠だ。

急いで水を止め、すぐに家の外に出る。

もし奴等がサウスゴーストの奴等だとしたらあの窓にスモークが張られた車の中にいた大男はモロトフかもしれないと思ったのだ。

扉を壊れそうな程勢い良く開け、外に飛び出る。

そのままアホみたいに口を開けながら家の周りを3周した。

が、案の定奴は、奴だけは部下を残しとっくに逃げ帰っていた。

「クソッ、最初っから全部仕込まれてたってか!?」

俺はこの招かれざるドンデン返しに悪態を吐く。

無給で仕事をやって、リストラされる社員になった気分だ。

どんだけブラックなんだよ。

これぞ骨折り損の草臥れ儲けって奴だよ。

だが、奴はそれほど全力で俺を殺そうとしてきたのか。

そこまでしなければ俺一人殺せないと?

確かに、命を差し出さなければ叶わぬ事もあるというが...。

それに何故、事務所に居た時に殺らなかった?

脳内で様々な疑問が沸き起こる。


[モロトフ]

俺は逃げ出した、部下を全員見殺しにしたんだ、クソったれ!

「田舎者共が....!」

牛飼いを舐めたのが悪かったってか?違うな。

銃さえあればあの大群を皆殺しに出来たはずだ。

だがいつも俺が愛用してた銃はダニエルの野郎に渡していた。

俺はその事を完全に忘れてここに来ちまったんだ。

ったく、とんだマヌケだ。

車内で一人癇癪を起こし、他の車の無い一本道のど真ん中でクラクションを殴りつける。

事務所内に割り振られたメンバーの殆どは死んだ。

生き残ったのは俺と見張り役を担わせた奴だけだ。

「こいつは人数の埋め合わせも兼ねて本部から召集した方がいいな...。」

今回の件、部下から見たらボスの大きな失態だ。

その上急遽人員召集なんてしたらかなりの額請求されるだろう。

そう考えると家の事務所に無理矢理派遣させるより俺が本部に直接活動場所を移転したほうがいいかもしれない。

きっと総長も分かってくれるはずだ...。

俺は車を停車してゆっくりと深呼吸し、ハンドルに凭れかかった。

これは組織上重大な過失だ。

ボスの、ボスとしての尊厳を維持するためにはマークをこの世から抹消するしかない。

しかし方法が思いつかない。

今回のように取り囲んでもその包囲網は破られる。

特攻した所で奴の戦闘能力には歯が立たないだろう、今までに40人以上を殺害してきた男だ。


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