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異世界から来た人格  作者: 狼狐
第三章:壊れ出した世界
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血みどろガンマン

[マーク]

二人の死体を並べて放置し、俺はその場を後にした。

短刀の血を壁に擦りつけながらな。

だが、家を出ようとした時、ある違和感に気がついたんだ。

家の前に高そうな車が何台か停まってる。

ここら辺の景色に合わないおかげですぐ気づけた。

黒いポルシェみたいだ。

俺は車の周囲に人影はないか、窓から顔だけをゆっくり出して捜した。

多分だが、バレたら厄介な気がしたんだ。

案の定、家全体を取り囲むように10人は黒いスーツの男達がいた。

手にはバットやらクリケットラケットやらナイフやらを持っている。

銃を持っている野郎までいた。

生憎車内はスモークガラスで見えなかったが、車体が傾く程の大男の影は見えた。

一体何のつもりだ?

いきなり仕事場に押しかけて、俺をボコボコにして潰すつもりだろうか。

セコい奴等だ、クソったれ。

俺はその場に座り込み動揺を抑え対策を考える事にした。

裏口の戸を開けないようにした過去の自分を今になって恨む。

因果応報だ、笑えた。

囚人、もしくは古びた小屋の子羊でもなった気分だ。

奴等は狼、ハイエナの群れのほうが似合ってるか。

笑いながらポケットからタバコを取り出し、口に咥える。

平静を取り戻した指を駆使し点火しようとしたがライターが切れていた。

「クソッ!」

俺はタバコの箱を壁に叩きつけ、立ち上がる。

埃が飛散し、噎せ返った。

何か打開策は無いかと家中を探し歩いたが、これと言って見つからない。

あったのはよく西部劇で見るような拳銃2丁と、その銃弾だけだ。

ざっと30発はあるか。

その時、窓の外を大きな黒い影が物凄い速さで横切った。

勇ましさと力強さを兼ね備えたような姿が残像として目に焼きつく。

直後家の外から何かが弾ける音が聞こえてきた。

俺は窓から身を乗り出して何が起きたのかを確認した。

驚いたあまり声も出なかったよ。

馬に乗ったカウボーイ達が総勢20人位で駆けつけてきたのだから。

彼らは馬に跨り両手に握った猟銃で敵を一人一人的確に撃ち殺していく。

それはあまりにも華麗で、気がつくと俺は呆然と見入っていた。

恐らくこの民家は外の奴等が襲撃したと思いこんでいるんだろうな。

そこで俺は彼ら側につく事を決めたんだ。

勝利を掴みそうな側について何が悪い?

俺はすぐに先程ポーカーをやっていた男達のところへ戻り、その死体から血に濡れたカウボーイハットを拾い上げ、頭に被った。

ついでにライターも貸してもらってな。

気分は西部開拓時代のイケたガンマンってとこだ。

俺は両手で拳銃をクルクルと回し、腰にさす。

格好つけながらタバコに火をつけた。

ふん、いいものだな。

多少手荒い真似をする事になるが、覚悟は出来ていた。

今俺には仲間がいる。

流離のカウボーイ達がな!

俺は表玄関の扉を蹴破り、堂々と外に出た。

カウボーイハットで顔を隠し、先程と同様拳銃2丁をクルクルと回す。

そして鋭い眼光でチンピラを睨みつけてバン、バンと2発銃弾を射出した。

一発は胴体を貫きもう一発は頭部を破壊した。

見事な早撃ちだと自分を賞賛する。

背後から奇襲を仕掛けてきた野郎共も同様、風穴を開けてやった。

チーズのようになったゴロツキ共はその場に倒れ、自身の内臓を腹に戻そうとしながら死んだ。

俺はニヤリと笑いながら焼けるように暑くなった銃口から出た細い煙をフッと吹く。

だが調子に乗りすぎた。

「リロードもこの通り!この...こっ、この...ああああああ!」

弾薬を詰め替えようとしたが手先はすべり、全て落っことしてしまったんだ。

間髪入れずゴロツキは隙をつき、俺をナイフで切りつけようとしてきた。

何とか反射神経が働きその腕を両手でカバーをする。

だがその状態から動く事が出来ない、腕相撲なら両者引き分けになるのにな。

お互い睨み合い、歯を食いしばる。

そこで俺は相手の横腹に蹴りを入れた。

奴はよろめく。

その間に短刀を取り出し、思い切り突いた。

だが奴はそれをナイフでサラッと横に弾き、立て続けに猛攻を繰り返す。

刃先が俺の首筋を正確に狙ってくる。

俺はそれを防ぐのが精一杯で、攻める暇も隙もなかった。

金属と金属のぶつかり合う音が辺りに響く。

キン、キンってな。

一体いつの時代の戦いだって話だ。

情け容赦ない攻撃が互いの頬を掠める。

その度にピクリと眉が動いた。

5分、10分....いや、それ以上だろうか、ずっとそんな状態が続いた。

そんな中、奴も疲労が頂点に達したのか動きが遅くなる。

だがそれはこちらも同じだ。

ゼイゼイと息を切らしながら敵の動きを見定め、受け止める。

速度の低下から両者の防御がユルユルになり始めた。

俺はその隙を見逃さず、奴の足を踏みつけ怯ませる。

そしてその直後に奴のナイフから一番離れている部位、つまり頭部に短刀を叩き付けた。

短刀は頭蓋骨を貫き脳に直接穴を開けた。

1テンポ遅れて大量の血が噴出すが、奴は動かない。

脳は即死しただろうが、身体のほうはまだ死んでいないんだ。

俺はすぐに後退する。

脳の制御が効かなくなったのか、奴は滅茶苦茶に、暴れるようにナイフを振り回す。

危ねぇ男だ、こんな奴にレディーを抱く資格はないな。

その後10秒程経過してからやっと倒れた。

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