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異世界から来た人格  作者: 狼狐
第二章:交差する狂気
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組織

[ダニエル]

目的地に到着した。

ナビはノースゴースト11番街の古い建物を示している。

ここは奴等の経営しているクラブだ。

どうやら人員不足らしく、手入れが一部しかされておらず、裏口は廃棄されたゴミに埋め尽くされている。

しかし警備員はしっかり手配されている、どうやらここら辺だけは徹底しているようだ。

このクラブは通常VIP専用だが、一般来客者も表玄関から入る事が出来る。

そしてかなりぼったくられる、経験済みだクソったれ。

今回はその時の復讐も兼ねて来た。

思い出すだけで身体中が燃えるような怒りに震える。

俺は細い路地が裏口に回りこみ、警備員が一人しかいない事を確認した。

おいおい、VIP専用なんじゃないのか?

11番街は比較的治安がよく、犯罪者なども24番街辺りに比べ少ないためだろうか。

最近マスクの連続殺人鬼が色々なところで店やビルを襲撃して回ってるって事を知らないのか?

俺は丁度警備員の死角になっている物陰からこっそりと背後に回る。

奴はタバコを吸って退屈そうにしていた。

暢気に、陽気に、青く澄んだ空を見上げながら。

そしてその体制のまま死んだ。

俺が奴の頭を緊急用に隠し持ってきたカナテコで叩き割ったんだ。

先のほうに肉のような塊がブラーンとついてきたが、無残にもアスファルトに落下した。

死体は裏口の指紋認証システムの鍵として使用した後、ゴミ袋の山へと引きずり廃棄した。

クラブ内は空気が悪く、香水とタバコの臭いがムワッと押し寄せる。

しっかり換気がなされていない証拠だ。

赤くて照らされた長い廊下の奥から下着姿の女が歩いてきた。

俺を楽しませて金を巻き上げようとしているのだろう。

彼女が俺の背中に手を回し、誘った。

「一緒に楽しまない?」

ビッチめ、この血塗れた服と凶器を見て俺が何をしに来たのか分からないか?

なら、一生忘れられないように頭に叩き込んでやるよ。

俺は先程の警備員同様、彼女の頭にカナテコをフルスイングした。

綺麗にカナテコを側頭部に収めた彼女は1テンポ遅れて一気に押し寄せた痛みに卒倒した。

床に鮮血をぶちまけて倒れ、ビクンビクンと、まるで陸に打ち上げられた魚のように身体を弾ませる。

俺はカナテコを引き抜き、今度は胸に叩きつける。

骨はその一撃で砕け散り、既に動かなくなっている心臓を貫いた。

愉快でたまらない。

廊下の置くは個室のようになっており、個々の部屋で男女が"遊び"を楽しんでいるというわけだ。

この女が死んだんじゃ俺は楽しめない。

来客者は楽しめなくちゃダメだろ、お客様は神様、なんだから。

その後、俺は一部屋一部屋を回り、虐殺を繰り返した。

首を切り落として壁に投げつけたり、腸を掻きだしたり、ひたすら殴ったり...。

一部屋約20分ずつ均等に楽しんだ。

そして最後の部屋での殺戮を済ませ、部屋を出ようとしたその時、部屋の外に誰かいる事に気づいた。

そいつは俺のいる部屋の扉をドンドンと叩き、声を荒げている。

「お客さん!利用可能時間とっくに過ぎてるんですよ!延滞料払って下さい!」

従業員か。

さすが、ギャング絡みのクラブの店員は迫力がある。

そういう俺も奴等に敵対する組織の一員なわけだが。

俺はボスから渡された銃に薬莢を詰める、全部で9発、追加マガジンはない。

これが俺の命の綱だ、そう思うと妙に気合が入る。

弾薬を詰め終わった時、ついに従業員が部屋の中に入ってきた。

直後そいつの右肩がパックリと2つに割れ、大量の血が周囲に飛び散る。

腕はそのまま吹っ飛んだ。

奴は一瞬何が起きたか理解出来なかっただろう、そして理解できないまま死を迎えた。

流石44口径だ、反動も威力もショットガン並みだ。

惚れ惚れするぜ、全く。

部屋を出ると、非武装の従業員が腰を抜かしていた。

他の部屋の客が酒か何かを頼んだらしく、持って行ったところ、俺の手によって惨殺されていたというわけだ。

まだ俺の存在には気づいていないし、後々サツを呼ばれても面倒だ、早く始末しよう。

俺は彼に銃口を向け、重い引き金を力強く引いた。

銃弾は見事彼の脇腹に命中、内蔵が挽肉みたいにぶちまけられる。

破壊的な感覚に俺は歓喜の声をあげた。

「ヒャッハー!お次は誰だ?」

俺も相当イカれてたんだろう。

今まで俺は収まらないテンションを仕事中という理由でなるべく抑圧してきた。

今回は単独での任務だ、好き勝手やらしてもらうぜ。

だがその調子も長くは続かなかった。

銃声を聞きつけた警備員が銃を持ってこちらに走ってくるのがガラス越しにチラッと見えたんだ。

「おっと、やべ」

姿勢を低くして迎撃の準備をする。

隠れる場所ならそこら中にあり、こちらの方が有利だった。

どうやらライフルを構えクラブ中をくまなく捜す努力家みたいだ。

奴は相当長い間警備員をやってきたんだろう、動揺する素振りも見せない。

筋肉質で、何かあった時頼られているのだろう。

だが、部下は恐らく彼には二度と頼れなくなる。

何故かって?これから奴の身体には大きな穴があくからさ。

俺は運良く丁度奴がこちらに背を向けている瞬間に上半身を晒した。

そして間髪入れず自慢の44口径で背中に銃弾を叩き込んだ。

まるで西部開拓時代のカウボーイみたいにな。

奴はうつ伏せに倒れ、痛みに悶え床を転げまわる。

しぶとい野朗だ、さっさと死ねばいいものを、弾が無駄になるだろうが。

俺は奴に歩み寄り、頭に銃口を突き付けた。

奴は命乞いをするが、恐らく助からないと分かっていたのだろう、最終的には目を閉じた。

物分りのいい奴だ、俺はこういう奴は好きだ。

褒美に、頭から銃弾のシャワーを浴びせてやった。

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