仲間(中編)
今回は久々なので二回連続の投稿。
「まて、三上!!」
そんな声も気にせず、ボクは冬風を追いかけた。だが、何者かによって静止された。腕を掴まれたのだ。しかし、ボクはとっさにその腕をひねり上げ間接を極めてしまった。
「ギャアアアア!!」
「か、会長。すいません……いや、それどころじゃ無いでしょ!!氷姫が危なくないですか?」
「だから、待てと言ってるんだ。お前何か知ってるのか?」
「いや、知りませんけど…手を出したんでしょ?それなら、相手は怒ってないんですか?それと、氷姫が早く帰る事なんか今まであまり無かったですよ?」
「いや、怒っては無い。でも、ボスに気に入られてな…。このままじゃなにされるか分からないんだ。そこでだ、縁ちゃんの出番って訳だ。」
「小原のってことはまたハッキングですか?」
「ご名答。んで、氷姫ちゃんのメールボックスに今日龍忌学園の近くの廃屋になった倉庫にこいと書いてあった」
「あのボロい倉庫ですね?分かりました。行ってきます!!」
「俺らも行くぞ?」
「いや、いいです。ボクひとりでやりたい」
「そうか、まあいいや。行ってこい!!」
「はいっ!!」
急がなければ。出来れば冬風が倉庫にたどり着く前にボクが一人でかたずけたい。氷姫も争いごとは望んではいないはずだ。
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走る事十分。倉庫前にたどり着いた。まだ、呼吸は荒いままだが、急いでいるのでこのまま乗り込む。
「誰かいないのか!!」
そう、叫ぶと奥から沢山の不良どもが湧いて出て来た。
「なんだよてめえ!!」
「冬風氷姫を知っているな?」
「ああ、あの女の男か?なにしに来た?」
「彼氏ではない、が、仲間だ」
「仲間ぁ?笑わせるねえ」
「ここのボスは誰だ?あわせろ!!」
「俺ら倒してからいけや!!まあ、倒されないけどな!!」
「ボクはお前らのボスにしか興味がない、出来ればお前らに手をふるいたくない」
「うるせーな。さっさと来いや!」
それが、合図となり約三十人の不良が襲いかかって来た。
ボクを真ん中に三十人で囲んでいる形になり確実に不利だ。
「おらあ!!」「死ねや!!」などとかけ声を上げて殴り掛かって来る。ヤバい、本当に死んでしまうかもしれない。そう思った時。
「あーあ、だから言ったじゃねえかよ?俺もいくか?と。まあ、結果俺らになったけどよ」
「会長、それに横寺も……!」
「三上、俺は忍者だと言ったはずだぞ?」
といって三上は三十人に突っ込んで行く。
一瞬で全員が地面に倒れ込んだ。
「横寺、本当に忍者だったんだな……」
「当たり前だ。あと、俺の事は疾風と呼べ」
「さて、ボス戦でも行きますか!おい、赤沢とか言うのはどこ〜?」
「会長、もうちょっと緊張感を持って下さい!」
「呼んだか?」
赤沢はそういうと会長の後頭部を後ろから思いっきり殴った。