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第四話

多分前回を飛ばして読んでも支障ない気がするなぁ……。

 私に声を掛けてきた人は、身長は190以上ありそうな長身に銀色の鎧を着こんだ見た目30入りかけのオッサンで、青みの強い緑色のクセ毛を無造作に後ろに流している。目の色は赤に近い橙色で、少し瞳孔が縦長に見える。全体で見ると実に私好みのオッサンであるが、ある一点が私の興味を引いた。


 「(……角?)」


 ちょうどこめかみのあたりから髪と同じような色の角が生えているのである。表面に透かし細工のような模様が入っているのがキレイだが、その内部には何かキラキラしたものが見えていた。…まさか内臓的なあれじゃないだろうな?


 「…聞こえているか?」


 「おわっ、ごめんなさいじろじろと。」


 「いや、今はいい。それより先ほどの質問に答えてくれ。あなたはこれを倒したものか?」


 彼が指さしたのは私が先ほど「殺した」カブトナメクジで、直視したとたんまた言いようのない気分になった。しかし質問には答えるべきだと考えを切り替え、彼の眼を真っ直ぐに見て(普段人の目なんて見ないで話してるのになー)答えた。


 「はい、そうです。私が先ほどこいつを「殺し」ました。」


 「何だと!?」


 「(ぬおぅ!?)」


 口には出さなかったが、すぐ後ろから少しがさついた男の声が聞こえたと同時に、私の首筋に刃物を当てられた感触に思わずビビってしまった。まだ見えないだけ恐怖心は薄いが、内心は穏やかなものではない。というかこれいつ殺されても文句言えねーベ。


 「モリガン、剣を収めろ。彼女はまだ私の質問に答えただけだ。」


 「ですが団長!こいつはあのグランドールをたったの一撃でブッ倒したんですよ!?いつ我らに手を出すか分からないのにそんな!!」


 「だからといって、そのように即座に警戒するのは良くないだろう。少なくともこちらの質問に答えてくれているということは、彼女は我らと交渉を望んでいるということになるはずだ。違うか?」


 最後は私に聞いたようだったので、無言で首を縦に振る。がやった後に「(この世界でのジェスチャーが私の世界のものと違ったらどうしよう。)」と思ったのであわてて「はい、そうです。」と付け足した。何かこっちに来てからこんなのばっかりだな私。


 「そういうわけだ、モリガン。今はその剣をしまえ。いざという時は私がどうにかする。」


 「…わかりました。」


 その言葉と同時に私の首にあった冷たい感覚が消えた。それに安心して小さく息をつく。この団長という人がまだ話の通じそうな人で助かった。


 「それで、先ほど彼が言ったようにどうやらあなたはこいつを一撃で倒したようだが。私はその様子を遠くから見たのだがあの衝撃波は一体どのような魔法だったのだ?」


 あ、そうかこの世界は基本的に魔法基準なのか、やっぱり。


 「えっと、自分で考えたものです。何かこうどかーっとしたものが欲しかったので、とりあえず。」


 「意外と適当だな、まぁいい。良ければ我らと同行をお願いできないか?貴方を我らの王に会わせたい。」


 「何ですって!?」


 「(うおぅ、またお前か!?)」


 団長が会わせたい、といったあたりからまたモリガンさんとやらが私の首に剣を突き付けてきた。というかひょっとしてこの人、なんか異様なまでに私のこと敵視してないか?いや、そりゃあんな奴を一発で倒したなんてことも手伝ってるんだろうけど。


 「モリガン…」


 「お言葉ですが団長、それはいくらなんでも危険すぎます!!こんなやつを国王様に合わせて、もし国王様を危険な目にあわせたらどうするおつもりですか!!それだけじゃない、こんなやつを国に入れただけでも……「モリガン!」っ!!」


 「それ以上は口を慎め。お前はこの者の後ろにいるから分からないだろうが、お前がそうやって言葉を連ねるたびに、この者はどこか苦しそうにしているぞ。」


 「え……」「はぁ!?」


 「その反応だと、本人すら気付いていなかったようだな。」


 実際気付いていなかった、確かに私は言われもないのにこれだけのことを言われるのに慣れていないし、それも手伝ってこのようなことを言われたのが酷くショックではあった。だがそんな指摘されるほど歪んだ顔にもなっていないと思っていたのである。


 「それに私は何の考えも無しにああ言ったのではない。このものには我らに同行してもらい、詳しく話を聞いた方がいいと私が考えたからだ。なにせ情報が少なすぎる上に、この世界では珍しい黒い髪と黒い眼の持ち主だ。何かやむをえぬ事情があってこのようなところまで来てしまったのかもしれん。」


 …たとえそのような理由だったとしても、このように生きたままでいられただけましかもしれない。私はそう思いながら、黙って様子を見ていることにした。


 やがて首から冷たい感触が引いていき、また小さく息をついた。




 「――というわけだ、ともに来てくれるな?」


 「……行きます。どちらにしろ、行くあてもありませんし。」


 というわけで、私は彼らの王国に行くことになった。監視の目付きではあったが。


途中から何故かモリガンさんが出張った感?正直自分でも予想外です。←


なんか話が思うように進まなくてもやもやしてます。早く主人公を無双させたい…。

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