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第十話

すみません、昨日はちょっとサイトそのものにアクセスできなくて書くのをさぼってしまいました、申しわけありませんでした。

 メイドさんに案内されて意外と広い城を歩く。外から見た時はわりと小さい感じがしたものの、こうやって歩いていると建造物として広いことを実感する。さっき中庭も通ったが、真ん中に大きな木が生えているにもかかわらずかなりの広さがあった。たぶん私の学校のグラウンド(テニスコート三面分)よりも広い気がする。


 「外から見ると結構小さく見えましたけど、中は結構広いんですね。」


 「この城は王様が魔力で城の内部構造を拡張させているんです。ですから城内部の総面積と城の外部から割り出した内部の総面積には誤差があって、厳密に測ったものはいませんがおそらく倍は違うと言われています。」


 「え、そうなんですか?」


 「はい。」


 やけに広いと思ったらまさかそんなオチが、しかし言われると納得出来る気もする。なんせ外から見た時は本当に小さくて、某ネズミの国にある城とほとんど同じか、それよりも少し大きいかぐらいだったのに内部はこのとおりである。なんかの詐欺にでもあわされたような気になったが、それよりも魔力すげーという感情の方が勝った。


 「あれ?ってことはこの城から王様いなくなったらこの城崩壊するんじゃないんですか?」


 「それはまずありません。この城の内部を拡張させているのは確かに王様の魔力ですが、そもそも王様さえこの世に存在していればどれだけ離れていても必ず城の魔力は維持されます。仮に王様がいなくなってもその時はこの国の王子や王女がこの城の維持に自動的に変換されますから、よほどのことがない限りは大丈夫です。」


 へえー。


 「そろそろ昇降機のある場所につきます。昇降機が来たら内部にある数字盤の『17』という数字を押して着いた所に降りて下さい。」


 「え、あなたはそこまで案内してくれないんですか?」


 「案内するまでもない場所にありますので。それにその場所は私たち単なる仕え人が入ってはいけない場所なのです。」


 「はぁ、まぁ分かりました。」


 


 「(なるほど、確かに案内するまでもない場所だこれは。)おはようございます、フランシスカ様、ネフィリム様、イリアス様、…えーと、お妃さまと王女さま?」


 「ああ、おはようアヤネ。そうだ、彼女らは余の妻と娘だ。」


 あれからメイドさんと昇降機の所で分かれて、言われた通りに17という数字を押して少しすると、昇降機のすぐ向こうがそのまま広間のようになっていてそこに王様一家とイリアスさんがいた。見回してみてもドアや区切り板の様なものが見当たらなかったから、多分この階全部がこの広間になっているんだろう。広間の中央の方にはそこそこ大きさのあるテーブルと、人数分のイスと食事が用意されており、イリアスさんとフランシスカ様の間が空いていたのでそこに向かうと、無言でイリアスさんにイスをひかれた。ご丁寧にありがとうございます。


 「さて、食事をしながらこの場にいる者達の紹介をしていこう。今後しばらくは世話になる者たちの顔だ。」


 「食事をしながらで失礼ではないんですか?」


 「お腹がすいた。」


 よく分かってるじゃないですか。というかどうしよう、なぜか今の「お腹がすいた」発言にちょっとムラッとしてしまった(腐ってる的な意味で)……つくづく節操無いなぁ私は。あ、翻訳禁止!


 「ちっ。」


 「いや、ちって貴方。」


 念のため最後にそう付け足しておいたら向かいにいたネフィリム様が分かりにくいけど舌打ちをした。もうこれは確定的だな、この人わざとだこれは。


 「えっとそれじゃあ、いただきます。」


 「…?イタダキ…」


 「……私のいたところの習慣です。」


 き た こ れ。トリップファンタジー王道の『いただきますって何?』イベント、まさかリアルで体験するとは夢にも思わなかった。でもフランシスカ様やネフィリム様がいるからたぶん……。


 「ほう、食物や料理を作ってくれた人に対する感謝の言葉か。素晴らしい文句ではないか。」


 「まぁ……。」


 やっぱりねぇ、頭の中ではっきりと『食物と調理者への感謝の文句』とイメージしてみたらフランシスカ様がご丁寧に翻訳してくれた。ちなみに既にみんな食事にありついているので今回はいただきますを言ってもらうのは諦めて『食べ終わったら「ごちそうさま」と言う』とイメージすると、今度はネフィリム様が翻訳してくれた。そして食事をしながら、当初の予定通り自己紹介をしていくことになったので最初に私からしていくことにした。


 「フランシスカ王様から聞いたかもしれませんが、私は昨日この国にやってきたアヤネ・キサラギというものです。種族は人間で、異世界から来ました。今のところはそれだけで十分でしょうか?」


 「はいはいしつもーん!!おたく年はいくつよ?」


 何だろうかこのやたらとフレンドリーな王女さまは。見た目が清楚ですごく大人しそうな美人なのに想像以上に友好的というかあっけらかんで思わず固まってしまったじゃないか。


 「アーティア様は昔からああだ、すぐに慣れる。」


 固まっていたらイリアスさんから小声でそう言われた。そうなんですか、そうですか。


 「私がこの世界に来る直前に18になりました。」


 「嘘!?イリアスの十分の一!?てっきり私と同じかそれよりちょっと上かと……。」


 「…ひょっとして私を除いたら、イリアス様ってこの中で一番年下ですか?」


 私がちょっと不思議に思ったことをイリアスさんに言ってみると、無言でうなずかれた。どうやらそうらしい。


 「えっとですねその…「ああ、アーティアよ、アーティア・フォン・アルカディア。アーチェでいいわ、そっちの方が呼びやすいだろうし」じゃあアーチェ様「様とか敬語もなし!!」」


 進まねぇぇ……


 「じゃあアーチェ、あなたはいくつ?」


 「820」


 「…ネフィリム様は?」


 「888、ついでに私も呼び捨てで構いませんよ。」


 「(ラッキーセブンならぬラッキーエイトってか?翻訳禁止。)じゃあ次からは呼び捨てでいきますよ。で、昨日フランシスカ様は1500だって聞いたから…あぁ、お妃さまには聞きませんよ。言っても教えてくれなさそうですし。」


 「あら、よく分かっているじゃない。」


 だって優しそうな顔してるのに浮かべた微笑みからは明らかにそういうオーラかもしてるんですもん。そりゃ言いませんよ。


 「……私のいた世界では、人間は最大でも130ぐらいが限界でしたから。私のいた国では平均は80ぐらいでしたし。こっちの世界の人間はどうか知りませんけども。」


 「あ、そっか人間はわりと短命なんだったけか。ごめん、私が忘れてただけだったわ。」


 どうやらこっちの世界の人間も、私のいた世界と大体同じらしい。てっきり名前が同じなだけの別個体だったらどうしようかと一瞬思ったが、そんなことは無いようで少し安心した。


 「んー、私の自己紹介は大体終わったようなもんだし、父様と兄様とイリアスは昨日済ませちゃったんでしょ?あとは母様ぐらいじゃない?」


 「あらそうねぇ。アヤネさん、私はメティス・フォン・アルカディア。この国の妃で、先日あなたがここに来るのを予言したものよ。予言によるとあなたは当分この国にいるらしいから、その間はよろしくね。」


 「はい、よろしくお願いします。」


 だいたいこんな感じで、朝食は終わった。さて次はイリアスさんのお勉強会かな……?


なんか長いですね今回、すみません朝食の場面だけのはずがいつの間にかこんなことに……。

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