プロローグ
というわけで何の考えも無しに書き始めました。
いつ終わるのかも何がどうなるのかもその場その場で考えたものになる可能性大なので、あまり期待はしないでください。
「んー…やっぱりここが何がゆがんでるなー。」
私、如月絢音は現在18歳になる一時間前、自宅にあるパソコンにペンタブを接続してオリキャラの絵を描いていた。将来はイラストレーターとして生計を立てて行こうと考えているため、デジタルでの絵描き訓練ついでにオリキャラを描いていたというわけである。
「よし、とりあえず左右反転して…あぁなるほど、そりゃゆがんで見えもするわ。」
今描いているのは苦手な部類に入る右向きの顔のドアップで、たった今使ったのを除くと今まで全く左右反転せずに一からデジタルで描いていたものだった。で、なんで私が左右反転を使ったとたんにこんな反応をしたかというと、
「また後頭部が削れた人みたいになったいたのか…そりゃこうなりもするわ。」
というわけである。この手の間違いはしょっちゅうやらかすのでそれを直すための練習でもあったのだが、どうやらあまり意味は無かったようである。
「じゃあとりあえず後頭部をかさ増しして…あ、なんか目の形まで変なことになってるや、えーい消去!!」
まぁ、いつもこんな感じで色々描いている。そしてそんなことをしばらく続けてふと時計を見ると、もうあと2分もしたら18歳になるというところまで来ていた。
「わー…結局こんな時間まで起きてたか。まいいや、このまま18歳の瞬間まで起きとけ。」
言いつつ時計を見ていると残り1分を切った。
「……34,33,32,31,30」
気がつくと勝手に口がカウントダウンを始めていた。特に何も意味はないが、なんとなく気分的な問題である。
「19,18,17,16,15,14,13,12,11,10」
なぜだか数字を数えているとプッチ神父を思い出した。まぁ彼は数字というより素数の方が正しいので、今のこれとは絶対的な何かが違うとは思うが。
「5,4,3,2,1,0……ハッピーバースデー、自分。」
さよなら17歳の自分、そして初めまして18歳の自分。少しは成長できると良いなぁー、色々な意味で。
――――ゴッ
「っ!?」
急に何処からともなく妙な感覚が身体を襲った。体の中身だけが強風にあおられたような、竜巻が突然発生して自分を持ち上げて行くような。とにかくそんな感じの感覚が突然訪れた。
「(なんっ…何ぞこれ!?)」
しばらくしてその感覚はおさまりほっとしたが、それと同時にどうも私はあることに気づいてしまった。
「…どこだこれ。」
何かわけのわからない、極彩色の空間に一人で座っていた。