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私の日常へ襲撃 3

 私の日常へ襲撃 3

 

 そもそも、告白とか……ねぇ?


 どうやってするの?


 ……。


 いやほら、ねぇ。話とか漫画とかラノベとか小説で読んだことはあるし、ドラマでも見たことはあるし、映画だって、見たことはある。


 そう、有るのだ。


 見た事は、ある。


 ……、


 百聞は一見にしかず、という諺がある。なるほど。つまり、すでに何度か見た事のある私はすでに無敵状態。スターを取ったオヒゲの配管工。ジャンプせずとも虐殺!お前を虐殺!虐殺じゃあ!


 ……とはいかない。やれやれ。


 詰まるところ、諺とはかくあるべし、といった事を表しているようでただの詰まりでとどの祭はつまり体感的な推進剤。最近注目された昂奮音楽作用みたいな。そうそう、それ。


 つまり祭。祭と言えばフェスティバル。


 そう、此処はカーニバル!


「なぁ、上木」

「な、なんでひゅか?」


「どうしてお前、俺の後ろにくっついて来てるん?」


「不可抗力です」

「……」

 うぅ!視線が痛い!そして客が居ないことを良いことに(長間屋はホントに流行ってません。マジで)さっきからそう、まるで、


「ぺどぺどさんのごとく憑いてまわってるんですけどね」

「……ロリコン?」

「ショタ光線!」

「俺は……その意味がわかるからいいけどね」

 あぁ!何かこうすでに暴走状態!というかこれくらいアピってるんだから少しくらいバースト(暴発、暴走)してくれてもいいんじゃないでしょうか!この人は!先輩は!


 無駄に男らしい!スマート!簡単には、なびきません!


 其処に惹かれる!憧れるぅ!


 ……。


 なんて何処に撃ってるんだかわからない牽制は置いといて。そうそう、


「先輩、お、お茶でも飲みません?」

「……お前が俺に差し出してるのはどう見てもアッガイのMGだけどな」


 しまった!つい、昨日、飲みに行く前に立ち寄った電器屋さんで買ってしまったんだった!(やまぶきいろのおかしです?)

 ちなみにMGはマスターグレードと言いまして、内部機構、と言いますか、ガンダムの内側がこう……精密な感じで再現できるプラモデルの事を言いましてね。HGもバランスとお手軽さから、なかなかの良品と言えるのですが、MGにかける労力と言えば……おっとこれは女の子の意見ではないですね。そうですね。というわけで、まいて、まいて、


「つかお土産か?悪いな。と言っても、……ちょっと待ってな。代金を」

「いえいえ!それより!そう!それより重要な話があるのです!」

「話?」


 なんだか目の玉がぐるぐる廻ってる気がします。

 それこそ、音速並の速度を発揮してるはず。此処にギネス記録誕生。

 なんちゃって。

 すでに思考は限界速度を突破!今しも月に穴を開けそうな勢いで私の搭載されたホッペタミサイルで先輩の涎という涎を吸い尽くしたいという謎の衝動に駆られつつありますが、まずは落ち着きましょう!そう、落ち着け!私!


「……私のお尻が餅つき?」

「……大丈夫か?」


 心配そうな顔で覗き込まれました。


 ぴー!

 どこの妖精さんになりつつあるんですか!私!いや、ていうか、そもそもこのネタを理解されるんでしょうか!果たして!

 えぇい!我が家のフロ事情についてでも語っておくべきでしたでしょか!

 でしょか!ってなに!なんなんだぉ!ぐぎゃあああああああああああああ!


「熱でもあるんじゃ。お前、今日休みのはずだし……」


 などと言いながら先輩が接近してきます。

 その長い睫毛(弱冠女の子としては複雑な気分を抱かせるほどの)と切れ長ぱっちりで鋭利な雰囲気を讃えた表情で、私の頭はもうすでにタイタイパニック!気分はすでにジョン・スミス!今やらずばいつやる!折れかかった船体を無理矢理に、強引に、シャツを着ている襟元をムリクリ掴み上げ、


 ――唇に触れました。


 カチリと鳴る音が歯がぶつかった音なのだと気付くのに、恐らく三回はタイムリープしたはずです。真琴ちゃん。グワシ。じゃなくて。

 救ってやったぜ。先輩。みたいな。


 ま、とどがおつまみ(悲劇です)、私の脳内は現在進行形で暴走状態にあったわけで、


「んぅ!?」


 なんて可愛らしい表情の先輩が愛おしく――



『死ね』

「だからどんな発言ですか!?親友でしょ!?」

 二日酔いで彼氏の家でぶっ倒れている親友に事後報告の最中です。ほくほく。

『生活が充実してる親友とか……マジでないわぁ』

「どういう発言!?」

『ていうか、勝手に彼氏に電話してヨリを戻させるとかないわぁ』

「とかなんとか言いながら、お淫楽しみだったんじゃないですか?」

『うーむ……みじゅー』

 どうやら、彼氏がかいがいしく世話してるらしいですね。ま、こんな事は友人の名探偵にかかれば一瞬。状況報告だけで、紐を解く、というのはやり過ぎな気がしないでもないですが、こじれは解消するに限ります。多分。

『で、上手くいっちゃったんだ?』

「ですです」

 それはもう。

 あれからまぁ、二点三点。あ、これは、先輩の加点ポイントでしたね。そうそう、二転三転して、私の餅つき発言から先輩の焼きそば発言まで色々とありましたが、まぁそこはほら、割愛しておきましょう。二人とも、猿のお尻でしたし。

『ちっ』

「せめてそこは隠してくれないんですかね!?」

『他人の幸せはマジで要らないエッセンス』

「最悪ですよね!?」

『好きよ、上木』

「い、いや、その、」

『おめでと』

「――ってまたそんな、って……うぇ!?」


『今度潰しに行くわ』


「素直に喜んだ私の気持ちを返してくれませんかねぇ!?」

『あ、ちょっと、後ろから、とか、――』


 ……、


「切ります」

 切ってから、ま、あれです。ちょっと感謝の気持ちを言ったのは、秘密です。私は可愛げのない女の子ですので、ツンデレを忘れてはいけないのです。ま、もしかすると、電話を切るのをちょっと躊躇ってしまったので、もしかすると聞こえてしまってるかも知れないですが、まぁ、超至近距離、格闘戦を始めたような感じだったので、まぁ、聞こえてはいないでしょう。

 ま、親友なので。


 とりあえず、先輩のシャツを……さて、くんかくんか、


「いや、原物が此処にいるんだけど」

「ぎゃあっ!?」

「どんなリアクションだよ!」

「いえ!流石にいきなり原物はちょっと刺激が強すぎると言いますか……!」


 くらくらしそうです。物凄く。


「つーかお前が取ってたのか!」

「借りてただけです!」

「強行主張!?」

「蘭ひゃんがいけないのです!」

「つかまともに発音しろよ!」

「死ねと言うのか……!」

「何処のヒキニートだ!」

「えぇい!救ってやる!世界を!」

「こじらすな!」


 ま、そんな感じです。


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