表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/76

私の日常へ襲撃

 私の日常へ襲撃


 どうも。皆さん。お久しぶりです。長間屋のバイト、もとい、店主(先輩)のシャツを嗅ぐのが趣味の上木です。

 え?覚えてない?

 あぁ。まぁ、それはいいですよ。そもそも、コレ、短編って扱いですもん。


 今日も喫茶『長間屋』は……ゆるーっと営業されてます。

 一組のカップルが――


『いやだから』

『さぁ!今すぐ!今すぐ行きましょう!』

『なんでそんなに焦ってるの!?』

『デート!これはデートなんです!』

『つーか、なんで俺!?だからなんで俺受け入れたことになってるの!?』

『いいじゃないですか!据え膳!喰え!』

『なんか違う!お前そんなキャラだっけ!?』


 なんて熱々な感じで……


 畜生。


 恨みがましく先輩を見てみても、

『……うん。ジュアッグ悪くない』


 いや、呆けすぎでしょ?貴方。という感じです。


 むむーん。


 たまらん。


 は、まぁ良くて。


「だから上木ちゃーん」


 目の前の、


「恋ってどうやってするんだっけ?」


 という友人が邪魔です。



「いいから帰ったら?」

「上木ちゃん、ひどい!そんな事言うと友人無くすよ!」

「いや、私、彼氏さえいれば満足出来るヤンデレ系なので大丈夫です」

「嫌な女だよね。上木ちゃん」

「ちょっと」

「まぁ、それはどうでも良くてさ」

「おい、こら」


 友人をいきなり嫌な女発言て、しかもそれはどうでも良いとか、


 目の前の彼女――綿貫梓(二八)が言う。


「というわけで蘭君結婚して」


 ――なんですと―――――!?


「ちょっ、おまっ!」

 思わずつかみかかる。

「いたいいたい!上木ちゃん!?何!?」

「えぇい!始末しておくべきだったか!」

「待って!お盆を振り上げないで!多分それじゃただのギャグだよ!決定的な有効打になりえない凡手だよ!」

「やかましいわ!」


 ちなみに蘭は先輩の名前です。

 どうでもいいですけど、私は先輩の名前をまともに発音出来ません。

 ……ら、らんひゃん。

 何処の青春ラリアットですか。


「いや、梓さん。その台詞何度目?」

 なんて笑いながら先輩が言う。

「さぁ?二桁は軽いね。まぁそれはそれとして、梓さんは先日出来た男と別れて傷心中なのですよ。コーヒー奢れ」

「はい、コーヒー」

「上木ちゃんが淹れたの?えー、蘭君が良いのにー」

「ふぐぐぐぐ」

「ところで上木ちゃん」

「なんです?」


「告白しないの?」



「ぶぅ―――――、!?」



は!?告白!?


「上木、好きなヤツ居るのか?」

は!?先輩が近づいて来る!ど、どかしかせんといかへん!も、

「――もろこまち!」

「「んん?」」


「なんでもありません」


「す、すっごい無表情ね!?上木ちゃん!?」

「もう一杯コーヒー如何ですか?」

「う、うん。悪いけど、頂こうかな」


 私は平静を取り戻すため、火をかけ、挽いた豆を用意し、


「そう言えば蘭君。今日暇でしょ」

「まぁ……暇ですね。確かに」


 ぢぃっ!?落としに来やがったか!雌豚がぁ!


「……あそこから物凄い殺意を振りまいてる彼女借りてってもいい?ていうかどんな視線よ。どこから発してんのよ。そしてどうして目の前の蘭君はまるで気付いてもいないのかしら?これがいわゆるフィルター?フィルターってやつ?」

「良いですよ。なぁ、上木ー」

「なんです?先輩」

「どわっ!?」


 こそっと近づいたら驚かれた。ついでにコーヒーを渡す。ひょひょいと。

 ま、それはそれとして。


「上木ポイント二アップです」

 先輩の驚いた顔……たまらん。ぐふふふふ。

「相変わらず妙な事言ってるけど。あ、ちなみに変な道には引き込まないでくださいよ。梓さん」

「任しとけ!」

「すっげー不安になる返答ですね……それ」


 何故か先輩がげっそりし、


「良し。上木ちゃん!着替えてこい」


 ……はい?


 私が連れ出されることになった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ