悩む年頃 2
悩む年頃 2
一昔前ならいざ知らず。
最近では、なんでもかんでもおkな風潮なおかげで、みなみちゃんがブラックユーモアに参加しようが、ドラえもんの右目が魔眼になっても、受け入れられるのだから、まぁ、世界はごちゃごちゃになったと言えなくもないが、まぁ、悪くない。
正直な話、例えば夢の国にせよ、イケメン集団にせよ、現実、そんなものはおれの内側の嫉妬心とかプライドとかをくすぐってくるわけで。
言ってしまえば、ただ単純に、
「私イケメンが好き」
イコール、おれのどこかが気に入らないとかいう話ではないわけで。
まわりくどいかも知れないけれど、
つまりは、
目の前の彼女が激烈に、
それはもう、
情熱的に、
「つまりタカシと相田がこんな風にイチャイチャしなければならないには理由があって」
理由があっていちゃいちゃというのもどうかと思うし、
「でも相田には実は思ってる人がいて」
なるほど。
「タカシはタカシで、色々と事情があって」
緻密に、
「抜き差ししなきゃならないの」
うーん。
現在、というか、まぁどうして何がどうなってるのかの説明をしよう。自分のためにも。
職場で仲の良い先輩(異性)と飲みに行くことになり、元々、興味があった、と、この言い方は少し卑怯だな。
好意を抱いていた。
邪な思いも抱えていた、と言ってしまえばいいだろうか。
いやほら、健全な男としてはさぁ……
女の人の笑顔ってのはもぅたまらなくて。
まぁこんなんをうじうじ喋ってる時点でもうなんだか……ねぇ?
つまりはごにょごにょとした事があったわけで。
つまり、通じたんじゃないかな、と思ったわけで。
だからほら、
「でもまぁ、個人的な感覚でいくならやっぱりこっちの強引な彼とヘタレなイケメンが……でもリバも悪くなくて……」
顔を真っ赤にしながら、「あーもぅ!ちくしょぅ!」と言って、
語ってる彼女はまぁなんと言いますか。
魅力的で。
ベッド脇にある本棚に目が止まり、そこから飛び出す背表紙が主張をしていたわけで、
「だからこのメガネ王子と……」
さっきから、語ってる内容も全てお気に入りのBLやら二次創作で。抜き差しするのがやはりたまらないらしく、けれど、それを話す様は無駄に可愛らしく、
最初、
「なんだこれ?」
と思い、
と手にした本をおれが読んだ時に、花摘みから戻ってきて
「終わった」
と言っていたが、それはなんの話をしてるんだか。もし、おれがコレを読んだことに言ってるのだとしたら、それは要らぬ心配だろうけれど。
しかしまぁ、どうせなら、コレについてだって、
「だから私はこんなんなの!」
なんて言うモンだから、
「なつさん」
「――なっ!?」
まぁ、
趣味主張なんて、
魅力以外のなにもんでもなくて、
現実、おれと恋愛できないと言うのなら、それは大問題だけれど。
そんな事はなくて、
なら、そんな事はホントにどうでも良くて。
だから、彼女の右手を左手で握る。