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悩む年頃

 悩む年頃


 三十路という単語が具体的にちらつく今日この頃。なんだかんだ後、二年在るといえば、ある。とは言え、いざ、結婚という行為を行おうと思うと、それはもうとんでもない話のような気がする今日この頃。

 洗面台で顔を見つめながら、思う。


 例えばご飯。


 私は、見た目に反し、服装に反し、子供っぽいモノが大好きだ。


 接待とかで、イターリアンとかフレンチ―とかを雰囲気だして、カシャカシャしたりもするが、一番幸せな時間はハッピーターンと、パジャマでごろ寝である。


 ま、比べるもんでもないけど。


 チューハイとワインを比べること自体が暴挙というか。


 みたいな


 でもやっぱり、


 焼きそばとかハンバーグっとか。オムライス、とか好きなのだ。



 伊島さんは、格好良い感じですよね。



 なんて後輩に言われるが、私が一番充足し、満ち足りているのは、休日に、鼻息荒く、ふんふん、パジャマでBLのハンサム系を読んでる時である。


 えへへへへ。


 うっひょー。


 マジか!そんな口説き方をするのか!ぐっひゃー!


 ふんふん。


 ……まぁ、我ながらこれはないんじゃないか、と思ったりもするけれど。


 勿論、それは趣味の話であって、本の話じゃない。


 私の唯一の娯楽。


 仕事以外の休息時間。


 そして、結婚に際しての一番の問題点。


 これまで付き合ってきた彼氏には、一度も受け入れられたことはない。


『いやぁーBLとかないっしょ』

『だ、だよねー(←んなわけないでしょぅ!?あんた舐めてんの!?その眼球腐ってるの!?)』


 その台詞の時点でまず、


 切り捨てる。


 というのがしょっちゅう。


 まぁ腐ってるのは私なんですがね。


 あはは(乾いた笑い)


 ましてや、ちょっと年上だとそもそも理解して貰えない。


『へ、へぇー』


 というリアクションがあればまだ良い方だ。そもそも、


『……』


 いや、何もそんな冷めた目で見なくても、ということが良くあった。

 これは自慢だけど、中学生の時から目覚めてはいたけど、そうは見えなかったらしく、私はモテた。そりゃぁ、もう、見た目が可愛かったから。


 後、友人が居なかったし。


 楽しそうにかけ算をしているクラスメイトを羨ましく見ていたのは懐かしい思い出だ。


 でも、現実、趣味を知ると、男の目は途端に『ふ、ふぅん』だ。801ちゃんみたいな展開はなかなかない。それはまぁ、私にもいけないところがあるのかも知れないが。


 だからまぁ、いいっちゃいいんだけど。


 まぁ昨日の話だ。


 ……後輩の男の子と飲みに行くことになった。いやまぁ、飢えとか……ねぇ?


 ……


 ……


 ……べ、別に……


 飢えてないし!


 ……すいません。嘘をつきました。


 認めましょう!飢えを!


 だから充足感。


 なんて話。


 まぁそれは良くて。


 その彼のことを、


 いいな、と思ってたし、気安く色々と話せるし、お酒がなくてもテンションがあがるというオタク気質が合ったというか。だからまぁ、別に安売りじゃなくてね。ただ、そう。


 ただ、色々と準備をするのを忘れてた、とか。


 隠しておくのを忘れてた、というだけで。


 本棚にガッツリ隙間無くBL本が詰まってるのが見つかってしまっただけであり、


 一戦、二戦と言わずに(ごにょごにょ)だったわけで、つまりまぁ、その、なんですかね?


 横目で彼の横顔を覗き見る。


 私の口から


「えーと……」


 こぼれる言葉は――


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