柏木祭について 2
柏木祭について 2
まぁそんなこんながあって、現実、そんな取引があったのかどうかホントは知らないけど、祭とおれは話すようになったわけだ。
さて、話してみると、此奴は予想以上に面白い。
つーか普通じゃない。
ちなみに、その後も、やれ、暴走族に拉致され、助けられたり、裏通りで絡まれた所を助けられたりと色々と世話になってるわけだけど。まぁ基本、何故かおれが助けられる側というね、なんだかこう、一昔前の少女漫画チックな助けられ方をするというなんだかヒロインになってしまった気分という……複雑。そう、なんか複雑な感じだけどさ。
まぁとにかく、
相変わらず仲が良いし、で、つい、先日、
「なぁ……祭」
「ほほぅ、どうした、本木くん」
「その喋り方って癖?」
「いや、キャラ作りの一貫だね」
「キャラ作りなんてしてたの!?」
「まぁ、……私の内なる中二心だね。むしろ、パワーというか」
「オマエもう一九だよなぁ!?」
「やれやれ。童貞心を忘れてはいけないよ、本木くん」
「どんな心だよ!?つーか童貞で悪いか!」
「私は亜鉛二五グラム、塩二グラム、眼鏡二八%、謎の物質A62ミリグラム、ついでに中二パワー九八パーで出来ている」
「途中で飽きただろ!」
「やれやれ。これだから童貞は」
「だから童貞で悪いか!」
「いや、いいんじゃない?」
「上から目線!?オマエ――まさか!経験があるのか!?」
「ふふん。さてね?」
まぁ可愛いしな。
ありえん話じゃない。
銀魂じゃないけど。
可愛い女の子は出会った時にはもうやられちゃってんだよ!
じゃないけど。
でもまぁ、
「ところでさ、祭」
おれはそこで少し言葉をためる。いざ、言うとなると何て言うか緊張する。息を吸い、
「あ、石焼き芋」
「おれ、好きなんだけど」
「――え、あぁ、そうだったの?」
「……ん?そう!そう、そうだよ」
「じゃあ一緒に行こうか」
「あ、あぁ」
……うん……思い出してみて、なんとなくわかった。
……通じて無かったな……絶対。
てっきり記念日的なアイテムで焼き芋かもなのかもとか思ったりしたけど。
ないよな。
いくらなんでも。
でもまぁ正直さ、ほら、おれテンパっててね。長崎のようなモテるヤツと違ってさ。
告白した事なんてないし。
おれがいれたココアを美味しそうに飲む祭を見ながら、
はぁ。
一人、溜息をつく。
まぁいいんだけどさ。
彼女が何故かこっちを向いて、にこりと笑う。やれやれ。
おれは頭をかきながら、彼女とソファに座り、二人でテレビを見る。
まぁいいさ。また伝えればいい。
そんな事を思ってた時に、
「お土産、あるんだけど」
と、祭が言う。
此奴どっか行ってたのか?と首をひねりながら、
「お土産って?」
と尋ねる。
祭が息を吸い、