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チャイナ服

 チャイナ服


 彼はチャイナ服が好みらしい。

 さる情報筋に寄れば。

 しかしまぁ、だからといって、いきなりチャイナ服で迫ったとしても、効果はないだろう。それはまぁ、つまり、常識として。まぁチャイナ服を着ている時点で最早常識とかなんかそういう関係の事はすっ飛ばしちゃってる気がしないでもないけど。

 うん。

 今の私、輝いている。

 あまりの輝きに、

 ダルガリア王国の住人ではないけれど、これでは確かに貴族と間違えられてしまうかも知れない。あまりの高貴さに道端のオシャレな白黒の車を乗り回す人にサインを求められてしまうかも知れない。……困った。やれやれ。

 などと、私は一人、彼の部屋の前でぐるぐる。

 危うく、免許証で貴族かどうかの確認をされそうになったけれど、スリスリスリットのおかげで快速特急エイトマンとかした私を流石に彼等は追えず、まぁ気付いたら追いつかれたけれど、そこはまぁ、ほら、得意の八極拳がね、火を噴いたというか。


「……なぁ、オマエ……何やってるんだ?」

「おや、兄さん」

「いやだからな、おや、兄さん、じゃなくてだな……」

 と、最近、バーのお姉さんに首ったけの兄さんが講釈を垂れようとするので、


「チェストぅ!」


 中華拳法『五目野菜八極拳』が秘奥義――双掌底を繰り出す。


 その両手が発光し、


するわけないけど、


大気を焦がし、


焦がすわけもないけど、

 

まぁ少なくとも、五目野菜八極拳道場の秘伝中の秘伝、一子相伝の秘儀

(受講生が皆覚えているのは秘密だ)

鍛えてようが一般人に避けられるはずもなく、

「げほぅっ!」

 良い感じに決まった私の双掌底。

 ファベラスマーヴェラス。

 白目を剥いて崩れ落ちる兄。

 ふぅ。

 思わず道場の禁じ手を使ってしまったよ。

 しかしまぁ、許して欲しい。

 緊急事態だったのだ。

 しかしひどい表情だ。うむむむ。後で、バーのお姉さんに似たエロ本でも差し入れてあげよう。


「柏木さんっ!?」


 と、よくウチに来る同僚の方が兄さんを拾いに来たので、


「でわっ」


「ちょっ!ちょっと!?祭ちゃん!?つか柏木さん!?柏木さぁん!……うわぁ……」


 ついでに後ろの席に座っている梅さんに挨拶をし、スリスリスリットを全開にする。

 さて、彼が帰ってくるまでにまだ時間はあるはずだ。

 つまり、

 つまり……


 つまり?


 というわけで、現在彼の部屋の前でぐるぐるしているわけだ。

 ちなみに、彼、もとい、本木くんが住むアパート、もとい、マンションは見た目はかなりボロい。なんか妖怪とか魔法使いとか普通に生活してそうなマンションだ。まぁひどい偏見だけど。でも中身は以外やしっくり。とっても素敵。というか本木くんが素敵。


 しかしまぁ。


 むぅ。


 勢い余って、来てしまったが。


 ついでに兄を一人、軽く昏倒させてしまったが。

 

 どうしよう。


 すでに顔見知りの管理人さん、もとい、協力者に頼んで部屋を開けて貰い、潜んでいるべきだろうか。いやいや、此処は普通にドアの前で立っていて、


「遅かったな……本木よ」


 みたいな。


 ラノベのなんかこう無駄に深読みキボンヌさせる依頼人登場的な感じを演出するべきだろうか。……チャイナ服で?


 ……いやいや、ないだろう。


 それなら、本木くんを縛り上げて、


 雨のち嵐、処により恋?のチャイナ探偵捕物帖のように強引に……


 じゅるり。


 いかん、いかん。


 おっと涎が。


 ちなみにどうでも良い話だけど、


 兎の角大好きです。


 ……うーむ。


 などと考え込んでいるところへ、


「何やってんの?」

 と、呆れ顔の本木くん登場。

 おぉう……眼鏡が素敵。

「お、遅かったな……本木よ」

「はぁ?」

 言っちゃった!言ったった!呼び捨てにしたった!

 ちなみに本木くんの下の名前も本木だ。

「……まぁいいけど。つーか……まぁいいや。上がる?」

「上がる上がる!」

「ていうか……鍵渡したよな……おれ……」

 はて。

 本木くんが何かを言っているが、私はそれどころじゃないっつーの。

 別段、本木くんがいつも通りである。

 さる情報筋に寄れば、

『それはもう涎だらだらで襲い掛かりたいくらい、チャイナ服が好きらしいよ』

 との事だったのだが……


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