宇宙的な解釈とそもそもにして現実解ってる仕組みなんてわけのわからないモノであり、詰まるところ人類とは…… 2
宇宙的な解釈とそもそもにして現実解ってる仕組みなんてわけのわからないモノであり、詰まるところ人類とは…… 2
飲み会とは総じて大抵阿鼻叫喚もとい暴走状態である。
つーか、そもそも飲み会って言う時点で、『わざわざ』『馬鹿』になりにいってるのだから、我々人類の馬鹿さ加減とは、留まるところを知らない。
がはは。
皆さん、こんばんは。奈字見です。
どうも、どうも。えへっ。眼鏡のブリッジを押し上げてみたりして。
今日の主役は私だぜ。
すると、歓声が聞こえる。
主に脳内で。
現実はガチャガチャドンドン。やれやれ。大学生の飲み会はうるさいね。
ビールが一五〇円の安居酒屋で飲んだくれてる大学生です。むふふ。
はふー。
良い感じに胃が温まり、隣で笑い顔でぼへーとしている宇守のほっぺに噛みつきたくなりながら、もう一口。
というわけで呼びかけてみる。
「宇守くん」
「なんれす?奈字見さん?」
「あー、ちょっとそこで私の指を舐めたまえ」
指を指しだして、差し出して、
なんて上気したほっぺで言っちゃったり。
ドキドキ。
一瞬、宇守が首を傾げ、眠りそうになってる普段は大きくて可愛い瞳を細め、
「えー……いいんですか?」
「え?」
一気に顔を寄せて、近いと主張する間もなく。
どきっ……
「ご褒美じゃん」と言いながら、
はむっ……
――はむ!?
「ちょ!ちょっと!う、宇守!?」
座敷にも関わらずどうも周囲が目に入らない。うわぁ……なんか衝撃。
周囲のどんちゃんの音が一気に遠ざかり、血液が脈打つ音だけがいやに身体を擽る。
どくん。
耳が熱い。
指先だけに嫌に感覚が集中し、宇守の舌を思わず注視する。
呆けてるのが自分でもわかる。
ぼーっとし、それでも意識は完全に指先で、
滑らかに滑る宇守の舌が私の指を統べ
――っておぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!
「――っ!……――ちょっと!宇守っ!」
思わず宇守の顔面をアイアンクロー。
「ごぁああああああああああああああああああああ!?」
そのまま座布団に頭を押しつける。
……
…………
……………………
………………ふぅーっ…………うん。
危なかった!危なかったよ!私!
何かひどく倒錯した世界に足を踏み入れてたよ!私!
かちゃかちゃと眼鏡のブリッジを上げ下げする。かちゃかちゃ。
うん。良し。だいぶ音が落ち着いてきた。
小さい頃より、この眼鏡の上げ下げのおかげで幾度救われてきたことやら。
私がかちゃかちゃすると、世界の株価も上下するっていうしね。
嘘だけど。
……じゃなくて。
危機は脱した。危ない。危ない。危うく堕ちてしまうところだった。
はふぅ。
……
危機は去った。
私は安堵の息を吐きながらグラスを手に取り、
「――好きなの?宇守の事」
ぶふーーーーーーっ!
と突然の横やりに思わず盛大に液体を吐き出した。
ぼへーとして座布団に顔を埋めている宇守にかかる。
危機は去った、と私は思っていたが、
どうやら違ったらしい。
「にひ」
目の前で不敵に微笑む友人が其処に居た。